数億円規模の出店計画も。風俗営業許可の事前調査と行政書士賠償責任保険

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1.大きな規模の事業相談

不動産会社や内装業者など複数の関係者が参加する大規模出店計画の現地打合せ

大規模な出店計画では、不動産・内装・設備・許認可など、多くの関係者が連携して開業準備を進めます。

 

先日、比較的大きな規模の事業について、風俗営業許可のご相談をいただきました。

営業予定の物件を確認するため、不動産会社や内装業者をはじめとする関係者十数名が集まり、現地で内見と打合せが行われました。

私も、風俗営業許可を担当する行政書士として同行させていただきました。

現地では、それぞれの専門業者が物件を確認しながら、工事や設備、今後のスケジュールなどについて具体的な話が進んでいきます。

その中でお客様から伺ったのが、今回の事業規模についてのお話でした。

物件の取得から内装工事、設備、その他の初期費用まで含めると、総額で2億円から3億円規模の事業になるとのこと。

風俗営業許可を専門に扱っていると、物件の事前調査や現地確認は日常的な業務になります。

しかし、お客様にとっては決して「数ある案件の一つ」ではありません。

私たち行政書士が出す調査結果をもとに、物件を契約し、その後、何千万円、何億円というお金が動き始めることもあります。

改めて、その責任の重さを感じました。

 

 

2.風俗営業許可の事前調査は「一度調べれば終わり」ではない

風俗営業許可の相談時から物件契約直前、許可申請直前、申請後まで周辺状況を確認する流れ

周辺環境は変化する可能性があります。当法人では、一度の調査だけで判断せず、事業の進行に合わせて保全対象施設などを確認します。

 

風俗営業許可では、営業予定地の用途地域だけではなく、周辺に学校や病院などの保全対象施設が存在していないかを確認する必要があります。

ここで難しいのが、周辺の状況は変わることがあるということです。

事前調査を行った時点では問題がなくても、物件を契約して工事を進めている間に、新たな保全対象施設が設置される可能性はゼロではありません。

特に今回のような大規模な事業では、物件を決めてから設計や工事を経て、許可申請に至るまで相当の期間を要することがあります。

だからこそ当法人では、大規模な案件について、

相談時 → 物件契約直前 → 許可申請直前 → 申請後も周辺状況に注意

といった重要なタイミングで、周辺状況に変化がないか改めて確認するようにしています。

特に大規模な事業では、最初のご相談から許可まで長期間を要することがあります。一度の調査結果だけで判断するのではなく、事業の進行に合わせて確認を重ねることが重要だと考えています。

 

申請した時に問題がなければ大丈夫、とは限らない

さらに注意したいのが、許可申請をした後の変化です。

風俗営業許可の保全対象施設をめぐっては、実際に、風俗営業許可の申請後に周辺施設の状況が変化し、許可処分時の状況を基準として保全対象施設の有無が判断された裁判例があります。

つまり、許可申請をした時点で問題がなかったとしても、その後の状況変化によって許可に影響が生じる可能性があります。

そのため、私たちは「申請書を警察署へ提出したから、もう大丈夫」とは考えていません。

例えば、年明けに申請する案件では、4月の学校開校など、年度替わりによる周辺環境の変化にも注意が必要です。

風俗営業許可の保全対象施設をめぐっては、実際に、許可申請後に周辺施設の状況が変化し、許可処分時の状況を基準として判断された裁判例があります。

京都地方裁判所の平成17年8月31日判決(営業許可処分取消請求事件)では、パチンコ店の風俗営業許可について、許可処分時に近隣の診療所が保全対象施設に該当していたことから、許可処分が取り消されました。

この裁判例からも、許可申請時に問題がなかったとしても、その後の状況変化によって許可に影響が生じる可能性があることが分かります。

 

また、風営法施行令では、学校などの施設について、その用途に供するものと決定した土地も含まれるため、単純に「まだ開校していないから問題ない」と判断できるものでもありません。

例えば、学校の校舎から離れた場所にある運動場やテニスコートなどについても、当該学校の敷地に該当するか、個別に確認が必要になる場合があります。

万が一、事業に影響する可能性のある施設の新設などが判明した場合には、できるだけ早い段階でその変化に気付き、お客様にお伝えする。

これも、風俗営業許可を専門としている私たちの仕事の一つだと考えています。

 

 

3.だから、現地での事前調査から費用をいただいています

無料相談から有料の現地調査、物件契約や工事着工の判断までの風俗営業許可事前調査の流れ

ご相談時の簡易確認は無料ですが、正式な回答を行う現地調査から費用をいただき、行政書士が責任を持って調査します。

 

当法人では、風俗営業許可に関するご相談の際、まずはインターネット上の地図や公開情報などを利用して、営業予定地の周辺状況を確認しています。この段階で費用はいただいていません。

ただし、これはあくまでご相談段階での確認であり、許可取得の可否について正式に回答するための調査ではありません。

正式な事前調査では、行政書士が実際に現地へ赴き、営業予定地や周辺の状況を確認するとともに、用途地域や保全対象施設など、風俗営業許可に必要な事項を調査します。

当法人では、この現地調査を行う段階から費用をいただいています。

なぜなら、その調査結果をもとに、お客様が物件の契約や工事着工といった大きな判断をされることがあるからです。

今回のように、その先に数億円規模の投資が控えている案件もあります。

だからこそ、無料相談の段階で安易に「この物件なら大丈夫です」とお伝えするのではなく、正式な回答が必要な場合には、費用をいただいたうえで現地を確認し、専門家として責任を持って調査する。

これが、当法人の風俗営業許可における事前調査の考え方です。

そして正式に業務を受任する際には、原則として業務委託契約書を取り交わし、当法人が行う業務の範囲や、お客様に確認していただく事項なども明確にしています。

これは行政書士側を守るためだけではありません。

お互いの役割と責任の範囲を事前に確認しておくことも、トラブルを防ぎ、お客様の事業を守るために必要なことだと考えています。

 

 

4.万が一に備えて、最大2億円の賠償責任保険に加入しています

行政書士法人ARUTOが加入する最大2億円の行政書士賠償責任補償を示したイラスト

行政書士法人ARUTOでは、万が一に備えて最大2億円の賠償責任補償プランに加入しています。※保険金の支払いには所定の要件があります。

 

もちろん、どれだけ慎重に調査を行っても、専門家として「絶対にミスは起こらない」と考えるべきではありません。

そのため当法人では、万が一の事態に備え、行政書士業務に関する最大2億円の賠償責任補償プランに加入しています。

補償額を大きくすれば、当然、当法人が負担する保険料も高くなります。

それでも最大限の補償を選択しているのは、当法人のためだけではありません。

万が一のときに、お客様を守るためでもあります。

なお、実際の保険金の支払いは、保険契約で定められた補償対象、免責事項その他の支払要件に基づいて判断されるため、すべての損害が補償されるものではありません。

 

「許可を取る」だけではなく、その先の事業を見る

今回、十数名の関係者が集まる内見に行政書士として参加し、改めて感じました。

行政書士が担当する許認可は、大きな事業全体から見れば一部分です。

しかし、その一部分で判断を誤れば、事業全体に大きな影響を与える可能性があります。

だから、何度も確認する。

業務の範囲を契約書で明確にする。

そして、それでも万が一が起きた場合に備えて保険にも加入する。

保険を使うような事態を起こさないことが一番です。

そのためにできる確認を重ね、そのうえで万が一への備えもしておく。

それが、風俗営業許可を専門として扱う行政書士法人としての責任だと、私たちは考えています。

風俗営業許可は物件契約前からご相談ください

風俗営業を予定している物件について、「物件を契約してから許可を取得できないことが分かった」という事態は、避けなければなりません。

当法人では、物件の契約前や出店計画の段階からご相談いただけます。

大規模な出店計画についても、営業予定地の事前調査から風俗営業許可申請まで一貫してサポートしています。

これから物件を取得する予定の方や、検討している物件で風俗営業が可能か確認したい方は、物件を契約する前に行政書士法人ARUTOまでご相談ください。

 

 

 

≪併せて読んでいただきたい記事≫

風営法申請前の保全対象施設との距離規制について

実務メモ① 用途地域の境界線にある物件は風俗営業許可を取れるのか?

ブログ:chatGPTに保全対象施設かどうかを聞いてみた

お客様の声① 保全対象施設ではなかったサテライト高校

お客様の声② 保全対象施設(幼稚園)から営業所までの距離が極めて近いケース

お客様の声③ 保全対象施設の判断が難しい児童相談所と保全対象施設の病院が近くにあるケース

お客様の声④ 特定遊興飲食店には、特定地域(保全対象施設が適用されない特例)が適用されないので要注意

お客様の声⑤ 用途地域がまたがる難案件 測量士を入れた案件|ORD代官山

お客様の声⑥ 準工業地域での保全対象施設の距離規制|OJARUMARU

コラム:風俗営業許可(風営法許可)を依頼する行政書士の選び方|失敗しないポイント

このように、保全対象施設に該当するか地域によっても異なる場合がありますので、個別確認が必要になるケースもあります。

 

 

※この記事は、2026年10月に行政書士が最新情報をもとに更新しました。

この記事の監修者 行政書士 西 俊之

行政書士法人ARUTO 代表。


元警察官としての経験を活かし、風営法・ナイトビジネス関連の許可申請を中心に行政書士業務を行う。

キャバクラ・ガールズバー・クラブ・アミューズメントカジノ・ポーカーバーなど、風営法関連の相談・許可申請は年間300件以上サポートしています。

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