風営法の名義変更では営業を止めなければいけないの?東京・埼玉・千葉・神奈川の違い

column
ラウンジの経営者が、名義変更の手続き中も営業を続けられるか行政書士に相談するイラスト。  ③ 東京・埼玉・千葉・神奈川の比較図

「名義を変えたいけれど、営業は続けられる?」というご相談をいただきました。

 

 

本日、風俗営業許可の名義変更について、よく似たご相談が2件ありました。

「お店を別の人に引き継ぎたい」「営業者の名義を変更したい」というご相談で、特に気になるのが、手続き中も営業を続けられるのか、それとも一度休まなければならないのかという点です。

実は、旧営業者の許可証を返納するタイミングは、地域によって取扱いが異なります。それに伴い、風俗営業を休止する必要があるかどうかも変わってきます。

今回は、当法人が東京・埼玉・千葉・神奈川で経験した取扱いをご紹介します。

 

 

名義変更の手続きは「新規申請」

第三者へ営業を引き継ぐ場合、一般に「名義変更」と呼ばれますが、手続き上は、新しい営業者による風俗営業許可の新規申請となります。

飲食店営業許可には事業譲渡による承継制度がありますが、風俗営業許可は同じ手続きでは引き継げません

そこで重要になるのが、新しい許可を取得するまで、旧営業者の許可に基づく営業をいつまで続けられるかという問題です。

※相続・法人の合併・分割による承継は、今回の事業譲渡とは別の制度です。

 

 

東京・埼玉・千葉・神奈川の違い

第三者への営業引継ぎに伴う旧許可証の返納時期の比較。過去の実務例では、東京は申請受付前、埼玉は実査までに返納し、風俗営業の休止が必要。千葉・神奈川は新許可取得後に返納し、旧営業者が営業を継続して切替え可能。

旧許可証の返納時期は地域によって異なります。当法人の過去の実務例であり、案件ごとに管轄警察署への確認が必要です。

 

当法人が過去の実務で確認した、第三者への引継ぎにおける取扱いは、次のとおりです。

上記は過去に当法人が確認した取扱いです。運用の変更も考えられるため、現在の取扱いは案件ごとに管轄警察署へ確認する必要があります。

 

東京:申請前から営業の休止が必要

当法人が確認した東京の取扱いでは、旧営業者の許可証を返納しなければ、新しい営業者の申請を受け付けてもらえませんでした。

そのため、旧許可による風俗営業を終了してから新規申請を行い、新しい許可が下りるまで休止する必要があります。

「申請中も営業を続けるつもりだった」という予定の食い違いを防ぐため、引継ぎの日程を決める前の確認が大切です。

 

埼玉:実査までに返納し、その後は休止

埼玉では、旧許可証を返納する前に新規申請を進められますが、警察が店舗を確認する「実査」までには返納する取扱いでした。

申請後も旧営業者による営業を続けられるものの、返納後から新しい許可が下りるまでの間は、風俗営業を休止する必要があります。

東京とは、営業を休止するタイミングが異なる点に注意が必要です。

 

千葉・神奈川:営業を続けながら切替え可能

千葉・神奈川では、新しい許可が下りてから、旧営業者の許可証を返納する流れで進められました。

この取扱いであれば、旧営業者が営業を続けながら申請を進め、許可取得後に新しい営業者へ切り替えることができます。

ただし、許可取得前の新しい営業者が、旧営業者の許可を使って営業できるわけではありません。 新しい許可が下りるまでは、旧営業者が営業主体となります。

 

 

法人成りの場合は別に確認します

個人事業を法人化する場合も、法人による新規申請が必要です。

ただし、当法人が上記の地域で確認した法人成りの取扱いでは、個人として営業を続け、法人の許可取得後に個人の許可証を返納する流れで進められました。第三者への譲渡とは分けて確認しています。

※個人事業の名義人が、法人代表者になる必要があります。

 

 

引継ぎの日程を決める前にご相談ください

 

営業を休止する期間が生じるかどうかは、売上や従業員の勤務予定にも関わります。

また、新しい許可が下りる前に経営の実態だけを引き継いでしまうと、気付かないうちに「名義貸し」に当たる状態になるおそれがあります。 「前の営業者の許可が残っているから大丈夫」というわけではありません。風営法では、許可を受けた人が、その名義で他人に風俗営業を営ませることを禁止しています。

そのため、許可証の返納時期だけでなく、実際の営業主体を切り替えるタイミングも慎重に確認する必要があります。

当法人では、過去の経験だけで判断せず、ご相談の都度、管轄警察署に返納時期や申請の進め方を確認しています。 以前と取扱いが変わっている可能性もあるためです。

風俗営業許可の名義変更をご検討の方は、店舗の引渡日や営業開始日を確定する前に、行政書士法人ARUTOへご相談ください。

 

 

併せて読んでいただきたい記事

飲食店を法人化するメリットは?登記手続きの注意点も解説

名義貸しはなぜバレる? 実務で多い3つの失敗事例と罰則を行政書士が解説

麻雀店を移転・増店・法人成りするために必要な許可手続きを解説

風営法店舗の閉店・廃業(返納)手続き|必要書類や提出先を詳しく解説

 

 

 

この記事の監修者(この記事は2026年9月に最新の情報をもとに更新しました)

行政書士 西 俊之

行政書士法人ARUTO 代表。

元警察官としての経験を活かし、飲食店営業・深夜営業・風営法関連の手続きサポートを中心に行政書士業務を行う。

居酒屋・スナック・バー、相席屋、コンセプトバー・ガールズバー・クラブ・アミューズメントバー・ポーカーバー、麻雀など、ナイトビジネス関連の相談・許可申請は年間300件以上対応しています。

関連記事

PAGE TOP