風営法申請前の保全対象施設との距離規制について

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コラム

目次

1.どこでも営業できる訳ではない

風俗営業の許可を必要とする営業所はどこでも営業できる訳ではありません。①用途地域②保全対象施設からの距離規制の適用を受けます。

小学校のすぐ隣がラブホテル街やキャバクラ店が集う地域だったら子供たちへ与える影響はどうでしょうか。

青少年健全育成の観点から考えると悪い影響を与えかねないですよね。

そこで、風適法の1条(目的)では、

  1. 1.青少年の健全育成
  2. 2.善良な風俗と清浄な風俗環境の保持
  3. 3.風俗営業の健全化

を掲げており、それを害するおそれがある風営法関連の営業所は保護対象施設から一定の距離を保たなければならないというのが法律の趣旨なのです。

2.用途地域の確認

風俗営業にかかる営業所は、出店できない用途地域があります。それが第一種住居地域など、「住居」が付く住居系地域には風営法の営業所は出店できません。

それ以外の商業系、工業系の用途地域が出店可能場所です。営業所が住居系と商業系の2つ地域にまたがっている場合も、出店はできません。

用途地域は、市区町村の都市計画課で確認することができます。市区町村が提供する「便利帳」や「ホームページ」にも載っていることが多いです。

歌舞伎町などの繁華街と言われるような地域は、商業地域に分類されていることが多いのですが、例えば、六本木では住居系の用途地域が入り混じっているので用途地域の確認を疎かにしてはいけません。

また、商業地域と近隣商業地域とでは、これから説明する保全対象施設の距離規制が違うので注意してください。用途地域の中で商業地域が最も距離規制が緩いと言えます。

2-1.特定地域(保全対象除外)

東京都では特例により、下記の地域については保全対象施設施設からの距離にかかわらず許可を受けることができます。

中央区:銀座4丁目から8丁目まで

港区:新橋2丁目から4丁目まで

新宿区:歌舞伎町1丁目、2丁目(9番、10番及び19番から46番まで)及び新宿3丁目

渋谷区:道玄坂1丁目(1番から18番まで)、道玄坂2丁目、(1番から10番まで)及び桜丘町(15番及び16番)

※特定遊興飲食店営業の許可申請においては、この特定地域の適用はありません。必ず、現地調査を行ってください。

2-2.営業延長許容地域

また、用途地域(特定地域)と混同してしまいがちなのが営業延長許容地域です。

通常、風俗営業(社交飲食店、マージャン店など)1~4号は午前0時までの営業と定められているのですが、東京都公安委員会が公示している地域は、午前1時までの営業が可能です。営業所が商業地域内に所在することが条件です。

確認したい方はコチラ ☞ 延長営業許容地域の確認

2-3.営業所周辺略図の書き方

地図はコンビニのゼンリン地図や住宅地図配信サービスを利用して入手します。

地図を入手したら、まず、縮尺を合わせます。許可申請書類は、縮尺を1/1000にするというルールがあります。

次に、地図中に「北」を表すマークを入れて、営業所から10m、20m、50m、100mのラインを引きます。そして、用途地域別に色分けをします。

3.保全対象施設とは

保全対象施設とは、風俗営業から有害な影響を受けないよう一定の規制距離による保護を受ける施設です。保全対象施設の指定は都道府県によって異なるので、営業所から100メートル以内に保全対象施設に該当するか判断するのが難しい施設がある場合は、条例を確認する必要があります。

※例えば、東京都では特別養護老人ホームは保全対象施設に該当しませんが、埼玉県では保全対象施設に該当します。

※また、保全対象施設の駐車場も含まれる場合もあります。

それらを踏まえた上、保全対象施設の有無を上記営業所周辺略図に記載します。実際に申請する書類はこんな感じになります ☞ 営業所から半径100m以内の保全対象施設

※特定遊興飲食店営業の保全対象施設と風営法の保全対象施設は別ですので注意してください。特定遊興飲食店営業では、学校や図書館が除外されているなど幾分規制が緩くなっています。

特定遊興飲食店営業における保全対象施設の説明 ⇒ コチラをクリック

3-1.学校

幼稚園、保育園、小中学校、高等学校、大学、ろう学校、盲学校、養護学校は、学校教育法第1条で「学校」と言われる施設となり、保全対象施設となります。

大学のサテライトキャンパスについては、ゼンリン地図などにも載っていないことが多く、ビルにテナント入りしていることがあるので、必ず現地に赴いてビルの各階フロアを確認する必要があります。

3-2.病院

医療法の定義によると、病院とは医師や歯科医師が患者に医療を提供する施設のことで「患者20人以上の入院施設を有するもの」を病院と言い、その他のものを診療所と言います。

また、東京都の場合は、第一種助産施設も病院に含まれます。

3-3.診療所

私たちが普段、病院と一括りに呼んでいますが、医療法では入床施設が0~19人まで施設を「診療所、クリニック、医院」と呼びます。診療所は病院と比べると規模が小さくなるので、距離規制は緩くなります。

東京都で商業地域の場合、病院であれば20メートル、診療所であれば10メートル以上離れている必要があります。

また、東京都では第二種助産施設は診療所に含まれる解釈です。

3-4.児童福祉施設

助産施設、保育所(認可保育園)、児童養護施設、児童厚生施設などの施設が保全対象施設に指定されています。ここで見落としに注意しなければならないのが公園です。

公園でも児童遊園に該当するものは、児童厚生施設に含まれます。

営業所の近くに公園がある場合は、必ず役所の都市計画課に確認をとる必要があります。

東京都では児童厚生施設は、商業地域の場合は50メートル、近隣商業地域の場合は100メートル以上営業所から離れている必要があります。

3-5.図書館

地方公共団体などが設置する公立の図書館、一方、社団法人などが設置する私立の図書館共に保全対象施設に該当します。

図書館で注意しなければならないのが違う建物の中に所在する図書館です。例えば、区役所の中に図書館が存在するということが各地でよくありますので見落としの注意が必要です。

東京都の場合、営業所は図書館から商業地域で50メートル、近隣商業地域で100メートル以上離れていることが必要です。

3-6.建設予定地

あと営業所100メートルの範囲内に建設予定地がある場合は必ず区役所の都市計画課に出向き保全対象施設が建設されないかを確認しなければなりません。

建設予定地も保全対象施設の対象になります。

ですので、もし建設予定地に病院が建設されるのであればその土地は病院として計測する必要があります。

4.もし、保全対象施設を見落としてしまったら。。。

行政書士の間では、風営法申請の用途地域・保全対象施設の調査は命と呼ばれています。

保全対象施設を見落としたまま申請した場合どうなるのかと言うと、申請は不許可とされます。

実際に行政書士が依頼者から損害賠償請求をされるということが数年に1回くらいの割合で起きています。

ですから我々も現場調査は必ず慎重に行いますし、業務保険にも加入しています。

慣れた行政書士でさえ、数年に1回は発生する事故が”保全対象施設の見落とし”です。

物件契約する際に不動産会社から「この物件は風俗営業できます、前の店舗も風俗営業の許可取っているから大丈夫」と言われても、必ず現場調査は行わなければなりません。

建設予定地に保全対象施設が含まれているということは不動産会社でも把握していないことがほとんどなので、鵜呑みにしてはいけません。

取り返しのつかない大損害が生じる危険があるのが”保全対象施設の見落とし”であることをこれからお店を始めようとされる経営者の方に理解していただけたらと思います。そうならないために、早い段階で専門の行政書士に依頼するのがいいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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