ナイトクラブやライブハウス、スポーツバーをはじめるなら~特定遊興飲食店営業の許可要件について

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コラム

目次

1.特定遊興飲食店営業とは

『特定遊興飲食店営業』とは、ナイトクラブやライブハウスなど、営業のための設備を設けて遊興させ、深夜(午前0時から午前6時まで)に飲食を提供する営業を営む店舗を指しています。

 

もともとナイトクラブなどに関しては、風営法の第3号営業として風俗営業に位置づけられていました。しかし平成26年の風営法改正によって、新たに特定遊興飲食店営業が定められたのです。ここでは特定遊興飲食店営業について詳しくお伝えし、その定義や許可をもらうための要件などについても解説していきます。

 

1-1.特定遊興飲食店営業の業種

特定遊興飲食店営業の許可が必要な業種として、「ナイトクラブ」「ディスコ」「DJバー」「ライブハウス」「ショーパブ」「スポーツバー」などとなっています。

 

何をもって特定遊興飲食店とするかについては、次の章で詳しくお伝えしますが、深夜(午前0時から午前6時まで)に営業しており、客に遊興させてお酒を提供していることがポイントとなっています。この条件に満たすような営業を行っている場合、上記に掲げた業種以外においても、許可が必要となりますので注意が必要です。

 

1-2.特定遊興飲食店営業の条件

①深夜(午前0時から午前6時まで)に営業すること
②客に遊興をさせること
③客にお酒を提供すること
④設備を設けていること

 

特定遊興飲食店営業に該当するかどうかについては条件がいくつか存在します。上記4つのポイントをすべて満たして営業している場合に該当すると考えられます。

 

特にポイントなるのは、「酒類の提供」であると言えます。特定遊興飲食店営業という名称だけでは、お酒を提供していない店舗であっても含まれてしまうようなイメージを持ってしまうのではないでしょうか。

 

飲酒しながら遊興に興じることによって、享楽的な雰囲気が大きくなることが考えられます。近隣住民などにも迷惑をかけてしまうかもしれません。そのため規制の対象として、定められた地域に限って合法的に営業ができるようになったのです。

 

2.特定遊興飲食店営業の定義

特定遊興飲食店営業の業種や条件についてお伝えしましたが、より具体的にどのような営業が該当するのか、その定義について解説していきます。警察庁のホームページを確認してみると、次に掲げる趣旨の内容が記されています。

 

『ナイトクラブなどの設備を設けて、客に酒類を提供して遊興をさせ、午前0時から午前6時において営業するもの(風俗営業を除く)』

 

この定義について詳しく解説していきましょう。

 

2-1.特定遊興飲食店営業の「遊興」とは

特定遊興飲食店営業の定義の中に、『客に遊興させる』というキーワードがあります。遊興という言葉は「遊び興じさせること」を指していますが、私たちには馴染みのない言葉ですから、具体的に説明していきたいと思います。『客に遊興させる』具体例としては次のものが掲げられています。

 

  • 不特定の客にショーやダンス、演芸を見せる
  • 不特定の客に歌手が歌ったり、バンドが生演奏をする
  • ダンスができる設備を設けて、不特定の客にダンスをさせる
  • カラオケ装置を設けて不特定のカラオケを勧め、合いの手を入れたり褒めはやす
  • スポーツなどの映像を、不特定の客にみせて応援させる
  • その他、店舗が働きかけて、不特定の客に遊び興じさせる

 

営業者側が働きかけて、積極的にダンスやカラオケを勧める行為が特定遊興飲食店営業における『遊興』に該当することが分かります。そのため単にカラオケの機器を設置しているだけの場合や、テレビやビデオの映像を流しているだけであれば、特定遊興飲食店営業には当たらないことになります。

 

継続的に営業を行うことが条件となっており、短期間のイベントやフェスなどにおいては特定遊興飲食店営業には当たりません。そのため結婚式の二次会などを飲食店で開催するような場合には、単発的なものですから該当しないのです。

 

たまたま営業日にスポーツなどの試合があるような場合で、単発的に遊興させるような行為についても、反復性がないことから特定遊興飲食店営業には当たらないのです。また、どの具体例においても、「不特定の客に」となっていますが、特定の客に対して勧める行為は接待行為となり、キャバクラやスナックなど風俗営業の範疇になります。

 

2-2.特定遊興飲食店営業の営業

特定遊興飲食店営業の営業時間については、警察庁のホームページをみると、「深夜(午前0時から午前6時までの間)に営業を行う」ことが定義づけされています。

 

ただし注意しなければならないポイントとして、都道府県の条例によって営業不可とすることができるようになっていることです。そのため都道府県によっては、営業できない時間が定められていたり、設置可能な地域が指定されていないことがあるので注意が必要です。

 

2-3.特定遊興飲食店営業の設備

特定遊興飲食店営業では、不特定の客に対して客に遊興させるための設備を設けていることが定義づけされています。『不特定の客に遊興させるための設備』とは、客に対してお酒を提供し、その室内で遊興するためのカラオケ機器や演奏のための舞台、スポーツ観戦のための映像機器などがあれば、条件を満たしていると言えるでしょう。

 

ただしクラシック音楽のように、鑑賞が目的となるホールにおいては、お酒など飲食を提供することを目的としていませんので、特定遊興飲食店営業には該当しないとされています。

また継続した遊興の提供を条件としていますので、これらの設備を有しているとしても単発での提供や短期間によるものでしたら、該当しない可能性があります。

 

また飲食できる場所と遊興できる場所が区分されているような場合においても、特定遊興飲食店営業には当たらないとされています。

 

3.特定遊興飲食店営業の許可要件

・場所的要件
・人的要件
・構造の要件

 

特定遊興飲食店営業の許可を取得するには、上記3つの要件を全て兼ね備えておく必要があります。一つでも満たしていないものがあれば許可はおりませんし、許可を受けなければ営業することはできません。

 

特定遊興飲食店営業は風俗営業ではありませんが、かなり厳しい規制を受けなければならないこともあります。

 

3-1.場所的要件

特定遊興飲食店営業を営むには、定められた場所で営業を行うようにしなければなりません。各都道府県において営業所設置許容地域が告示されており、そのエリア内に店舗を構える必要があります。それほど広いエリアではありませんから、注意しなければなりません。

 

また住居地域や図書館、病院などに隣接しているような場合であれば、境界線から一定の距離をおくようにしなければならないといった規制も存在します。

 

3-2.人的要件

人的要件については、風俗営業許可と同様に厳格に定められています。

 

・1年以上の懲役や禁固刑に処せられ5年が経過しないもの
・成年被後見人や被保佐人
・風俗営業を取り消されて5年経過しないもの
・覚せい剤やアルコールの中毒者

 

などに該当していれば許可を受けることはできません。また日本国籍以外の方であれば、申請できる在留資格としては次の通りです。

 

・日本人の配偶者など
・永住者や特別永住者
・定住者

 

3-3.構造の要件

店舗の構造においてもさまざまな要件が定められており、それらすべてを満たしてないと許可を受けることができません。

 

・客室の床面積は、1室につき33㎡以上
・高い間仕切りなど見通しを妨げる設備がない
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように必要な設備を有する
・風俗を害するおそれのある写真や広告、装飾などを設けない
・騒音や振動の数値が条例で定める数値に満たないよう必要な設備を有する
・客室の出入口に施錠の設備を設けない

 

『見通しを妨げる設備』については、床から1メートル以上あれば該当すると考えられています。見通しを妨げるものかどうかの判断は慎重に進めていくことが大事になります。また照度の10ルクスとは、上映前の映画館なみと例えられることが多く、イメージよりも明るいことに注意しておく必要もあるでしょう。

 

4.まとめ~特定遊興飲食店営業の許可を取得するには

これからナイトクラブやスポーツバーなど特定遊興飲食店営業の許可を取得したいのであれば、許可申請に精通した行政書士に相談することが適切です。特定遊興飲食店営業に該当しないだろうと考えていても実際には適用されてしまい、開店後に摘発されてしまうようなことも起きています。

 

また開店の準備に取り掛かっている場合、許可申請と並行して取り組むには無理があります。書類を整備することや警察との協議など、手間のかかることも多いからです。

 

特定遊興飲食店営業に精通した行政書士はそれほど多くありませんから、実務経験豊富な行政書士に任せてみませんか?安心して営業を開始するために、集中して開店準備に取り組めるようにしましょう。

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