目次
- 1.下町と再開発でお洒落な街が融合する上野エリア(台東区)の魅力
- 2.深夜営業許可(深夜における酒類提供飲食店)の手続きが必要な業種
- 3.1日でも早く深夜営業許可を取得する流れ
- 3-1.物件契約
- 3-1-1.用途地域の確認
- 3-1-2.オープンに必要な業者との連携
- 3-2.食品衛生の営業許可の申請
- 3-2-1.食品衛生責任者講習修了書の準備(講習の予約)
- 3-2-2.必要な設備について
- 3-2-3.必要な書類について
- 3-3.管轄警察署への届出
- 3-3-1.深夜営業許可の設備要件について
- 3-3-2.必要な書類について
- 4.届出後の諸注意
- 4.まとめ~行政書士に依頼するメリット~
1.下町と再開発でお洒落な街が融合する上野エリア(台東区)の魅力
上野駅周辺では再開発も進み、お洒落なお店も増えている一方で、どこか懐かしい下町の雰囲気も感じる上野エリア、浅草寺やアメ横・上野公園などの観光地が数多く密集しているため国内旅行者はもちろんのこと外国人観光客にも人気の高いエリアです。
また、アクセス面においても、上野駅は山手線をはじめ京浜東北線などのJR線、東京メトロ銀座線日比谷線、東北・北陸・上越新幹線も走っているためアクセス抜群であるためファミリー層だけでなく、ビジネスマンからも人気です。都内でも上野エリアは常に人気ですのでなかなか飲食店営業にお手頃な居ぬき物件を見つけるのは困難な地域です。
飲食店のテナント料金も年々上がり続ける上野エリアにおいて、バーなどの深夜営業を始めるにあたって、1日でも早くオープンして売り上げを上げたいという経営者の方は多いのではないでしょうか。
上野エリアで1日でも早く深夜営業を行いたいという飲食店オーナー様に向けて飲食店・深夜営業の手続きについて風営法専門の行政書士が解説していきます。
2.深夜営業許可(深夜における酒類提供飲食店)の手続きが必要な業種
そもそも、深夜営業許可がどんな許可であるかを説明いたします。
深夜営業許可は正しくは、「深夜における酒類提供飲食店開始届」と言います。
午前0時から日の出(午前6時)までの間に、お酒をメインとしてお客さんに提供するようなバーや居酒屋は、所轄の警察署に深夜における酒類提供飲食店開始届の手続きを済ませないといけません。
深夜にお酒を提供すると喧嘩などのトラブルが発生するおそれがあり、治安にも関わるため窓口は警察署となっています。
また、お酒は提供するけれどもお酒の提供がメインでないファミレスや牛丼屋はこれに該当しません。
お店の営業形態によって、深夜における酒類提供飲食店開始届の必要があるかどうかの判断は難しいものがあります。最終的に届出の必要の有無を判断するは警察署となりますので、オープン前に深夜酒類提供飲食店の手続き(以下「深夜営業許可」と記載)が必要かどうかを迷われた方は、所轄の警察署か弊所のような風営法専門の行政書士に相談するとよいでしょう。
無届営業には、罰金50万円の罰則が定められています。
また、深夜営業許可は警察署に受理されてから10日後から深夜の営業が可能となります、深夜営業許可の手続きについては、保健所の飲食店営業許可を取得しないと警察署に届出できませんので、物件契約をしてスムーズに保健所の手続きを行うのが1日でも早く深夜営業ができるポイントになります。
3.1日でも早く深夜営業許可を取得する流れ
3-1.物件契約
3-1-1.用途地域の確認
深夜営業はどこでもできるという訳ではありません。住宅街で深夜営業をすると住民の方から苦情がくるということは想像できるかと思います。都市計画課で定められている用途地域によって、深夜営業の届出ができる地域に分かれていますので、これから物件契約をされる方は必ず、この用途地域の確認を行ってください。
台東区では、
- 商業地域
- 近隣商業地域
- 一部の準工業地域(台東区ではごくわずかの地域です)
のみが深夜営業可となっており、住居系の用途地域は深夜営業は不可となっています。
台東区の用途地域については、コチラの用途地域マップで確認できます。
3-1-2.オープンに必要な業者との連携
物件を契約したら、オープンに必要な各業者さんを手配されるかと思います。
1日でも早くオープンされたい経営者の方は、特に内装業者さんとの連携をうまく取ってください。深夜営業許可を早く取得するためには、食品衛生の営業許可が下りていることが条件となります。
そのため、私たち風営法専門の行政書士は、内装業者さんと連携して、調理場などの修繕や必要な設備が揃うスケジュールなどを確認しながら食品衛生の営業許可をいかに早く取得できるかを考えるということをします。
食品衛生の営業許可については、調理場とトイレなどの設備が基準に即しており、衛生的であるかを判断されますので、完全にお店が営業できる状態でなくても許可を受けることができます。
3-2.食品衛生の営業許可の申請
3-2-1.食品衛生責任者講習修了書の準備(講習の予約)>
台東区の管轄保健所は、JR上野駅から徒歩5分かからない台東保健所が食品衛生の営業許可の窓口となります。
申請する際には、食品衛生責任者講習の修了書の原本若しくは代わりになる証明書の提示が求められます。(原本の写真等では受け付けてくれません)
申請時に資格を取得していなくても誓約書(〇月〇日までに取得する旨)を書くことで受け付けてくれますので安心してください。また原則3か月以内ですが予約が取りづらい状況等がある場合はその辺りも考慮してくれますので、事前に担当者に相談するのが良いでしょう。
3-2-2.必要な設備について>
①区画扉(スイングドア)・・・調理場と客室との境界線に設置する扉です。
②温度計表示機能がある冷蔵庫・・・業務用であれば概ね温度計表示機能はついていますので問題ありません。家庭用冷蔵庫の場合であれば後付けできる温度計を設置すれば基準を満たします。
③食器棚(扉付き)・・・ご自身の店舗客席数に見合ったサイズの棚を設置する必要があります。どの程度が見合ったサイズかは曖昧な所でもありますが飲食店マニュアルの基準値から考えますとA商品の食器(席数×1.5回転分)が収納できる程度の棚の大きさが必要でしょう。営業形態がBARでしたらその3分の1程度で十分でしょう。
④手洗器(調理場内・トイレ)・・・L5サイズ程度の手洗器が必要です。また調理場内の手洗い器の蛇口はレバー式・センサー式・プッシュ式(自動停止装置付き)であることが必要です。
⑤調理場内の床材・・・水捌けの良い素材であること(長尺シート・パラテックス加工等が施されているコンクリート・防水塗装等)要するに水を流して清掃できる構造である事が求められますが必ずしも必要ではないので安心してください。しかし床の防水加工をしていないと様々なトラブルが起こる可能性(下階への浸水・異臭・食中毒)がありますので可能であれば後々のことを考えてやっておいた方が良いでしょう。
⑥壁材の防水・防火加工・・・床から1m程度防水・防火加工にする必要があります。このような基準が充たされていないとそもそも建築の消防検査や設計検査自体が通らないのでこちらはまず問題ないでしょう。ご自身のお店が以前オフィス使用の場合は確認した方が良い場合があります。
⑦給湯・給水設備・・・こちらはガスの開栓をして、お湯が出る状態にしなければいけません。
⑧清掃用具入れ・・・更衣室(更衣袋・更衣箱)・・・更衣室がない場合は、更衣箱を備え付ければ基準を満たします。
⑨洗浄設備・・・2層以上のシンクが必要とされています。またサイズについても規格(幅45cm奥行36cm高さ18cm)があるのでその基準値以上の物を備え付けましょう。居抜き物件が多い上野エリアではこの基準値を充たせない場合もあると思います。その場合は、あらかじめ保健所担当者に相談することをお勧めします。
⑩換気設備・・・保健所の対象の換気扇は調理場内の換気扇です。
3-2-3.必要な書類について
- 1.営業許可申請書
- 2.食品衛生責任者講習修了証
- 3.店内設備を記載した図面2枚
- 4.会社登記簿謄本(法人のみ)
- 5.衛生管理計画表(HACCP)
- 6.水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)
申請手数料(18,300円)を納めて申請が完了したら、必ず、写メかコピーで申請書の控えを保管するようにしましょう。クレジットカードや求人の申し込みがこの控え書類で受け付けてくれる場合があります。スムーズなオープンには必要不可欠です。
申請が完了すると、保健所担当者と日程調整を行い、担当者の方がお店に来て検査を受けます。それで設備面が基準に達していると判断されたら、翌営業日付けで飲食店営業許可が下ります。
台東区保健所では、1週間程度で営業許可書を発付してくれます。営業許可書が発付されたらいよいよ警察署への届出をすることが可能となります。
以上が飲食店営業許可取得のために必要な書類と検査までの流れになります。深夜営業許可を取得するためには飲食店の営業許可証のコピーが必要になるため、物件契約からいかに早く保健所の検査を受けて、営業許可書を取得できるかが深夜営業許可を早く取得するポイントになります。
3-3.管轄警察署への届出
3-3-1.深夜営業許可の設備要件について
- ① 営業所内に視界を妨げるようなものがないか(植栽・パーテーション・植栽・等)
② 照明の照度は基準の照度はあるか(20ルクス以上)
③ 卑猥な掲示物がないか
④個室がある場合、9.5㎡以上あるか
⑤ 基準の騒音値を超えてないか
など、風営法の規則が準用されます。お酒を提供した上の深夜営業となりますので、客に猥褻なことを誘発させないように照度や個室の大きさにも規定が設けられています。
3-3-2.必要な書類について
① 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書・営業の方法
警視庁のHPからダウンロードできます。
② 法人の場合
会社登記簿謄本・定款・役員全員の住民票(本籍地記載)・役員一覧表を準備します。
③ メニュー表
各価格・税込み表記のもの(ASK・サービス料等の表記は指摘されます。値段をはっきりさせて、接待行為を疑われる料金記載も好ましくありません。)
④ 営業所周辺の概略図(半径100m以内)
営業所から半径100m以内の用途地域を表記した概略図(複製許諾付きのゼンリン地図を縮尺1/1000にして記入するのが一般的です。
⑤ 店舗図面(平面図・営業所求積図・客室及び調理場求積図・照明音響設備図)
この図面作成が深夜営業許可書類の中では1番苦労するところでしょう。不動産や内装業者から入手した間取り図面や施工図面はそのままは使用することができません。風営法に沿った図面を作成しなければならないからです。図面作成だけを風営専門の行政書士に依頼する方も多いのが現状です。
風営法の図面作成については、こちらの記事にて詳しく解説しています。
⑥ 賃貸借契約書
建物契約者と届出者(営業許可書の名義人)と異なる時は、建物オーナーからの使用承諾書が必須となります。
⑦ 使用承諾書
深夜営業については、騒音問題が起きますので賃貸人が営業者宛に深夜営業をすることを承諾していることを文面にして署名・押印を賃貸人から頂戴します。書式は特に決まりはありません。
使用承諾書については、物件契約時に交渉しておくとスムーズです。
使用承諾書の詳細についてはコチラの記事を参照してください。
⑧ 申請者の住民票(本籍地の記載有り・マイナンバーの記載がないもの)
申請者が外国人の場合は、住民票に加えて、外国人登録証明書(在留カード)の写しを添付する必要があります。
⑩ 飲食店営業許可書
⑪ 誓約書
接待行為や客引きを行わない旨の誓約書を添付します。
以上が深夜営業許可を取得するための書類になります。
3-3-2.管轄警察署の確認
保健所とは違い、警察署の管轄は同じ台東区内でも4つに分かれています。管轄警察署は営業所の住所を下記で確認してください。
警察署にはローカルルールがあります。担当者が当直明けで不在ということもありますので、届出をする際は事前予約をしてから赴くようにしましょう。
台東区の内、東上野1~5丁目、台東1~4丁目、秋葉原、上野1~6丁目、同7丁目、(13番、15番の一部を除く)、上野公園、池野端1丁目(3番を除く)、同2丁目、同3丁目(4番の一部、5番を除く)、上野桜木1丁目(14番の一部、16番)
台東区の内、下谷1~3丁目、根岸1~5丁目、谷中1~7丁目、池之端3丁目(4番の一部、5番)、同4丁目、上野桜木1丁目(14番の一部、16番を除く)、同2丁目、上野7丁目(13番、15番の一部)、北上野1・2丁目、松が谷3丁目(10番~23番)、同4丁目、入谷1・2丁目、千束2丁目(33~36番)、竜泉1~3丁目、三ノ輪1・2丁目、日本提2丁目(36~39番)
台東区の内、雷門1・2丁目、花川戸1・2丁目、浅草1~7丁目、西浅草3丁目、千束1丁目、同2丁目(36~39番を除く)、清川1・2丁目、橋場1・2丁目、今戸1・2丁目
台東区の内、柳橋1・2丁目、浅草橋1~5丁目、鳥越1・2丁目、蔵前1~4丁目、小島1・2丁目、三筋1・2丁目、元浅草1~4丁目、寿1~4丁目、駒形1・2丁目、東上野6丁目、松が谷1・2丁目、同3丁目(10~23番)を除く、西浅草1・2丁目
4.届出後の諸注意
深夜営業許可の提出が完了したら、従業者名簿を備え付けるようにしてください。
従業者名簿の備え付け義務違反は罰金100万円以下の罰金となっています。
警察官には風営法の立ち入りの権限というものが与えられています。
深夜営業許可を取得したということは、警察も深夜営業をしているお店だと把握しているということになりますので、警察官の立ち入りに備えておいてください。警察官が立入りに来た際に必ずチェックするのが従業員名簿になります。
従業員名簿は、本人に記入してもらい、本籍地が記載の住民票と運転免許証などの顔入りの証明書の3点セットで保管しましょう。従業員が辞めてから3年間の保管義務がありますので、ファイルに綴じて保管しておくのがよいでしょう。
5.まとめ~行政書士に依頼するメリット~
深夜営業許可を取得するのは結構手間がかかるものであるということが理解して頂けたのではないでしょうか。
頑張ってご自身で申請する手間と時間をかけてしまい、結局、深夜営業許可の申請が警察署に受理されずにオープンが遅れてしまったということもよく聞く話です。
弊所から経営者の方にアドバイスしたいことは、営業許可関連の手続きは専門家に任せて、経営者の方は売上を上げるためのオープン準備に専念して頂きたいと思います。従業員の募集や育成などもあるかと思いますし、経営に専念された方が長い目でみたらプラスになるはずです。
そして、行政書士に依頼するのであれば、必ず、弊所のような風営法専門の行政書士に飲食店営業許可と深夜営業許可のセットで依頼してださい。行政書士の業務は各分野の専門に細かく分かれており、風営法専門の行政書士でないと依頼する意味がありません。
経営者の方は1日でも早くオープンしたいと考えられているはずです。物件契約して間もない店舗では、様々な業者さんらが出入りして経営者の方もその対応に追われます。そういった慌ただしい中でスムーズに飲食店営業許可が下りるよう内装業者に改善を依頼したりするのが意外に難しく、経験も必要になってきます。そういった調整能力が風営法専門の行政書士の力量だと思っています。
弊所では、年間100件以上の風営法関連の申請に携わっていますので、実績も豊富です。また、行政書士が複数対応していますのでお急ぎ案件にも対応可能です。
行政書士事務所の平均的な飲食店営業許可と深夜営業許可の手続きの報酬は13万円(税込)くらいが相場となっています。弊所では相場よりも安価に料金設定をして、上野エリアでは交通費もサービスしており、初めて行政書士に依頼する方でもご利用しやすいように配慮しています。
また、弊所では許可取得後のアフターサポートもしております。新型コロナウィルス感染症関連の給付金・補助金や助成金など飲食店サポート業務も随時行っています。
従業員一同、ご縁があって依頼された経営者様のお店につきましては、末永く繁盛していただきたいと思っております。ご相談はお気軽にお問い合わせください。スピード対応させていただきます。
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