1.池袋(豊島区)で深夜BARを始める手続きのポイント
池袋の魅力
池袋駅は、JR山手線・埼京線、東京メトロ(丸の内線、副都心線、有楽町線)など合計8路線が乗り入れている巨大ターミナル駅で、毎日の乗降者数ランキングでも新宿駅についで世界第2位にランキングされています。
以前までの池袋は埼玉方面からの玄関口という印象でしたが、副都心線が開通してからは、乗り換えなしで横浜方面に行くことが可能になりましたので、地域や年齢層も幅広い集客が可能な立地です。
池袋駅は、東口と西口で大きく雰囲気が異なり、東口はサンシャイン通りを中心にショッピングセンターが多く所在し、アニメを取り扱うショップも多く、若者が多く集まります。一方、西口はロマンス通りを中心に芸術・大人の街といった雰囲気が感じられます。
交通の便も抜群で幅広い層の集客が可能な池袋で飲食店を新規オープンしたい方は多く、テナント家賃も年々上がっています。
そんな池袋で1日でも早くオープンして売上を上げたいという経営者の方に向けて、効率よく飲食店営業許可と深夜営業許可(正しくは、深夜における酒類提供飲食店営業開始届)を取得する方法を解説していきたいと思います。
まずは、お店の物件を契約する前に確認しておきたいことを説明します。
用途地域の確認
まず、豊島区池袋地内で深夜営業を行うBARをオープンする物件ですが、深夜営業はどこでもできる訳ではありません。地域には用途地域というものがあり、営業所が所在する用途地域を物件契約前に確認しなければいけません。
用途地域は、豊島区役所のホームページで確認することができますので、こちらをご利用ください。
商業地域または近隣商業地域でしたら警察署に深夜営業の申請が可能です。住居系の地域でなければ申請できます。
お店の構造について
深夜営業の許可は風営法の適用を受けますので、お店の構造は制限を受けます。
① 明るさの制限
お客さんが使用する客室内の明るさについては、20ルクス以上の明るさを保つ必要があります。上映前の映画館の明るさが10ルクス程度なので、それよりは明るくしなければいけません。
② 調光器(スライダックス)設置の禁止
店内の明るさを暗くして雰囲気を醸し出すために、客室内の明るさを調整できる調光器は原則禁止です。(一番明かりを絞った状態で20ルクス以上を保つことができれば大丈夫です。)
③ 見通しを遮る物について
風営法では、見通しを遮るものの基準が高さ1メートルと定められており、深夜営業についてもこの規定が準用されています。ですので、椅子やソファの背もたれやカウンターの高さが、この基準に引っかかることがよくありますので、オープン前に綿密に寸法などを業者さんと確認しておくことが必要となります。
④ 1部屋9.5㎡以上あること
客室が2部屋以上ある場合、1部屋の大きさが9.5㎡以上あることが条件となります。もし、1部屋が9.5㎡に満たない場合は、午前0時以降はその部屋は使うことができなくなりますので、物件契約や改装する際は業者の方とよく相談してください。
2.飲食店営業許可の申請
池袋保健所
食品衛生責任者について
飲食店営業許可を取得するお店には、食品衛生責任者を設置しなければいけません。
この食品衛生責任者を設置する目的は、お店に食品の衛生知識がある方を設置して、責任を明確にして食中毒などを起こさないようにするためです。調理師免許や栄養士の資格をお持ちでない方は、食品衛生責任者養成講習会を受講する必要があります。この講習は予約制となっていますので、飲食店を開業しようと決めた方は早めに食品衛生責任者養成講習会を受講してください。都内の受講はコチラから申し込みすることができます。受講すると東京であれば食品衛生責任者の手帳を神奈川県であれば修了書を発行してもらえます。
食品衛生責任者の講習を受ける場所は、全国どこの講習場所でも有効ですので、引っ越しなどをして他県の講習を受けた方も以前に受領した修了書を持参して保健所に飲食店営業許可の申請を行います。手帳や修了書を紛失した方は、再発行の手続きを行いましょう。
新規開業される方で食品衛生責任者の資格が間に合わないという方もみえるでしょう。そういった場合は、申請する際に、3か月以内に食品衛生責任者を設置する旨の誓約書を提出すれば済みますので、食品衛生責任者の資格がないからオープンできないという訳ではありませんのでご安心ください。
設備基準について
レバー式の手洗器
地域によって、若干異なることがあるのですが食品衛生法上の設備基準のポイントは下記のとおりです。
- ・厨房は仕切られた区画で水はけがよく清掃しやすくなっている
- ・厨房内とトイレ内には基準を満たす手洗い器が設置されている(調理場の手洗器はハンドル式NG)
- ・厨房内に冷蔵庫や食洗器などの厨房機器が収まっている
- ・食器を入れる扉付きの食器棚が設置されている
- ・冷蔵庫には温度計が設置されている
- ・厨房内にあるゴミ箱に蓋が付いている
- ・シンクの蛇口からお湯が出ること
最低、上記のことが設備されていることを確認したら、いよいよ保健所に申請に行きます。
※保健所検査は上記以外にも細かい決まりがありますので、少しでも疑問点があれば保健所または弊所まで問い合わせるのがよいでしょう。
飲食店営業許可の申請
豊島区を管轄する保健所は、池袋サンシャインシティのそばにある池袋保健所で受け付けてくれます。開庁日であれば事前に予約する必要はありませんので、飛び込みで保健所に行って大丈夫です。
飲食店営業許可は、電子申請での対応もされていますが、結局は申請手数料を収めに保健所に行かなければいけませんので、実際に保健所に出向いて申請することをお勧めします。そこで気になる点も担当の方に確認しておきましょう。
申請に必要なものは、法人の場合ですと、
1 会社登記簿謄本
原本とコピーを1部ずつ持っていき、原本還付してもらいます。
2 店内図面2枚
3 食品衛生責任者の資格(原本)
4 水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)
個人申請の場合は、法人申請よりも準備する書類は少なくなります。申請書の書式は、豊島区のホームページからダウンロードできます。
飲食店営業許可を申請したら、必ず、受領印が押された申請書を写メかコピーしておきましょう。営業許可書が発行されるまでは、検査をクリアしてから1週間程度かかります。それまでにクレジットカードや求人など各種申し込みで申請書のコピー(写メ)でも受け付けてくれますので、スムーズなオープンには不可欠です。
申請すると、保健所検査員の立会い検査の日程が決まりますので、検査をクリアすればその翌営業日付けで許可が下りますので、いよいよ営業可能となります。
3.深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業開始届)の申請
池袋警察署
管轄警察署の確認
飲食店営業許可の検査をクリアして、営業許可書が発行されたら深夜営業許可(正しくは、深夜における酒類提供飲食店営業開始届)の申請が可能になります。
保健所の場合、豊島区内の営業所であれば池袋保健所が受付なのですが、警察署の場合は同じ豊島区内だけで4つの管轄に分かれています。営業所の住所を確認して申請する警察署を確認しましょう。
1 池袋警察署
東池袋1丁目、同2丁目(49~63番)、同3丁目(2~15番)、同4丁目(5~8番・21~27番)、南池袋1丁目(20~29番)、同2丁目(22・27~31・48・49番)、池袋1・2丁目、同3丁目(3・11・12・15~18番を除く)、同4丁目、上池袋1丁目(8~10番)、同2~4丁目、池袋本町1~4丁目、西池袋1丁目、同2丁目(7~13・34~36番)、同3丁目、同4丁目(1~18番)、同5丁目(25~28番を除く)、目白3丁目(29番)、同4丁目(20~23・35・36番)
2 目白警察署
東池袋4丁目(1~4番)、同5丁目(1~18・20~24番)、南池袋1丁目(20~29番を除く)、同2丁目(22・27~31・48・49番を除く)、同3・4丁目、雑司が谷1~3丁目、目白1・2丁目、同3丁目(29番を除く)、同4丁目(20~23・35・36番を除く)、同5丁目、西池袋2丁目(7~13・34~36番を除く)、同4丁目(1~18番を除く)、同5丁目(25~28番)、池袋3丁目(3・11・12・15~18番)、南長崎1~6丁目、長崎1~6丁目、千早1~4丁目、要町1~3丁目、千川1・2丁目、高松1~3丁目
3 巣鴨警察署
駒込1~7丁目、巣鴨1丁目(16番の一部を除く)、同2~5丁目、北大塚1~3丁目、南大塚1~3丁目、西巣鴨1~4丁目、上池袋1丁目(8~10番を除く)、東池袋2丁目(49~63番を除く)、同3丁目(2~15番を除く)、同4丁目(14~18・29~42番)、同5丁目(1~18・20~24番を除く)
4 駒込警察署
巣鴨1丁目(16番の一部)
必要書類
- 1 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書、営業の方法
- 2 法人の場合(会社登記簿謄本&定款、役員全員の住民票)
- 3 メニュー表
- 4 営業所周辺図
- 5 店舗図面(営業所平面図、各求積図、音響照明設備図)
- 6 賃貸契約書
- 7 使用承諾書
- 8 飲食店営業許可書
- 9 池袋警察署の独自誓約書
上記①~⑨の書類を順番に編綴して、正本と副本(コピー)を準備して、警察署に一緒に提出します。申請書の書式は、警視庁のホームページからダウンロードできます。
書類作成の中で一番難易度が高いのが図面作成になると思われます。図面作成は風営法のルールに沿って記載しなければいけませんので、内装業者や不動産屋から仕入れた図面をそのまま警察署には提出できません。
風営法(深夜酒類提供飲食店開始届)の図面作成については、コチラの記事にて詳しく解説しています。
使用承諾書の詳細についてはコチラの記事を参照してください。
深夜営業については、許可証は発行されませんので、提出した際にもらえる受領書と副本が許可証の代わりの意味があります。受領書と副本はお店で保管するようにしましょう。
事前予約
警察への申請は保健所のように飛び込みで行っても、担当者不在などもありますので、受け付けてもらえないことがあります。管轄警察署によっては運用が違いますので、事前に連絡して申請に行ってください。警察の受付窓口は、生活安全課保安係となっています。
また、池袋警察署では、深夜営業の申請では建物オーナーから深夜に営業する旨の使用承諾をもらい申請書類に添付して提出しなければいけませんので、事前に段取りをしておかなければいけません。
深夜営業許可の申請が受理されると、その翌日から起算して10日後から午前0時以降の営業が可能となります。
提出後の対応
深夜営業許可の提出が完了したら、従業者名簿を備え付けます。
従業者名簿の備え付け義務違反は、100万円以下の罰金と厳しい罰則が定められていますので、必ず従業者名簿の作成、管理を行ってください。
深夜営業許可を取得したということは、警察も深夜営業をしている店舗だと把握することにもなりますので、警察官の立ち入りに備えておいてください。警察官が立入りに来た際に必ずチェックするのが従業員名簿になります。
従業員名簿は、本人に記入してもらい、本籍地が記載の住民票と運転免許証などの顔入りの証明書の3点セットで保管しましょう。従業員が辞めてから3年間の保管義務がありますので、ファイルに綴じて保管しておくのがよいでしょう。
4.行政書士に依頼するメリット
繁華街を受け持つ警察署の書類チェックは厳しい傾向があり、池袋警察署もその傾向があります。手書きの図面でもダメではありませんが、手書きでは難易度も高く書き直しに時間を要します。また建築図面もそのままでは使えません。風営法のルールに沿って図面作成をしなければいけません。
深夜営業許可の場合は営業所と客室する区分け図、面積計算が必要になりますので、我々のような風営法専門の行政書士はCADソフトを使用して図面を作成します。
頑張って自分でしたが結局受理してくれなかったということもありますので、オープン前の貴重な時間が無駄にならないよう、予定どおりにオープンを迎えるためにも深夜営業の申請もする必要があるようでしたら行政書士に相談するのをお勧めします。
もし、行政書士に依頼するのであれば、必ず、弊所のような風営法専門の行政書士に飲食店営業許可と深夜営業許可のセットで依頼してださい。
経営者の方は1日でも早くオープンしたいと考えられているはずです。
物件契約して間もない店舗では、様々な業者さんらが出入りして経営者の方もその対応に追われます。そういった慌ただしい中でスムーズに飲食店営業許可が下りるよう内装業者に改善を依頼したりするのが意外に難しく、経験も必要になってきます。その調整能力が行政書士の力量だと思っています。
弊所では、年間100件以上の風営法関連の申請に携わっていますので、実績も豊富です。また、行政書士が複数対応していますのでお急ぎ案件にも対応可能です。
弊所では相場よりも安価に料金設定をして、世田谷区エリアでは交通費もサービスしており、初めて行政書士に依頼する方でもご利用しやすいように配慮しています。
また、弊所では飲食に関連する消防手続きやタバコの販売許可手続きもお手伝いさせていただいております。
「20歳未満の方へはお酒は提供致しません」のプレートや従業者名簿の書式のサービスなど、許可取得後のアフターサポートもしており、新型コロナウィルス感染症関連の給付金・補助金や助成金など飲食店サポート業務も随時行っています。
従業員一同、ご縁があって依頼された経営者様のお店につきましては、末永く繁盛していただきたいと思っております。ご相談はお気軽にお問い合わせください。スピード対応させていただきます。
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