アダルト配信の許可申請~映像送信型性風俗特殊営業を始めるには~

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コラム

目次

1.アダルト配信事業とは

新しく始める事業がアダルト配信にあたるのか許可が必要なのかと疑問に感じて検索して、こちらのサイトにたどり着いた方。

 

簡単に言うと、アダルトサイトとは、

  • ➀有料アダルトサイト 
  • ②アダルトライブチャット 

が当てはまります。

 

風営法においてのアダルト配信事業とは、有料で「性的好奇心をそそるため性的行為を表す場面または衣服を脱いだ姿態を見せる営業で電気通信設備(インターネット等)を用いて、その客に映像を見せること(放送または有線放送に該当するものは除く)により営むもの」と、同法第2条第8項で定義されており、こういった事業を「映像送信型性風俗特殊営業」と定めらています。

 

無料で自分のサイトで配信するならこの届出は必要ありませんが、アフィリエイトで稼ぐという場合には必要になります。

 

  • 「性的な行為を表す行為」とは、自慰行為、性交、性交類似行為等を行っている人の様子や光景のことを言います。
  • 「衣服を脱いだ人の姿態」とは、全裸や半裸等、社旗通念上において講習の面前で人が着用すべき衣服を脱いだ姿態のことを言います。
  • 「映像」とは、静止画を含む動画を指します。

 

上記のとおり、局部を見せて配信しないから大丈夫という訳でもありません。配信された映像を見る側の視点に立ち、「性的欲求」を満たすかどうかが、許可を受けておくべきかの判断基準となります。

 

有料なのか無料なのか、サイトを公開する目的やその公開方法やアクセスする客層などによってその判断は変わってきます。

ただし、実物の人間ではなく、アニメや同人誌、イラスト等であれば届出は不要です。

 

本来、この届出が制定されているのも、青少年の健全育成を阻害しないためです。

インターネットでアダルトサイトへ入場するには、「18歳以上かどうかの入口ボタン」が設けられているのも、アダルト配信事業が、青少年の健全育成に障害を及ぼすおそれがあるとされているためで、運営には必要な配慮と対策をしなければいけません。

 

届出の対象となる場合、営業者は営業の主たる事務所を管轄する警察署に営業開始する10日前までに届出をする必要がありますので、これから届出に必要な事項について説明していきます。

 

もし、届出を怠って警察による摘発を受けてしまったら、6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその併科と罰則は厳しく制定されていますので、きちんと届出を行って営業するようにしましょう。

 

 

2.事務所選びが難しい

映像送信型性風俗特殊営業の届出を行うには、営業の本拠とする事務所が必要で、この事務所を警察に届出なければいけません。

 

届出をするにあたり、事務所の場所(地域)に制限はないのですが、建物所有者からの使用承諾が必要となります。

 

使用承諾書の詳細についてはコチラの記事を参照してください。

 

持ち家である自宅で事務所登録することも可能ですが、これから事業を始めようとお考えの多くの賃貸になるかと思います。そこで難航するのが事務所探しです。

 

不動産屋さんで物件を探す際は、「性風俗特殊関連の営業が可能な事務所」であることを必ず伝えてください。多くの建物オーナーは、映像配信だけで事務所に人の出入りはないと言っても、性風俗関連の事務所というだけで使用承諾は拒否します。

 

不動産会社によっても性風俗関連については不得意とする会社が多いのが実情ですので、人脈がなくこの営業を始める方は物件選びから難航することでしょう。

 

また、営業所登録をする事務所ですが、予算削減のためにレンタルオフィスでも可能です。ただし、賃貸同様に多くのレンタルオフィスでも使用承諾は拒否されますので、一部のレンタルオフィスでしか使用承諾は頂けないのでご承知おきください。

 

また、区画されていないオープンスペースでは営業所としては不可となっています。

 

 

3.運営サイトURLを所有する

1日でも早く営業したいという方は、物件選びと同時にサイトURLを購入してください。届出手続きでスムーズにしたいのなら、日本国内の会社が運営しているサイトで独自ドメインを購入されることをお勧めします。

 

ドメインはネットで簡単に取得できますし、費用も安価で購入できます。

 

日本国内の会社が運営する独自ドメインを取得した方がいい理由は、そのドメインを営業者が所有している書面が必要になるからです。

 

海外の会社が運営している回線を使ったドメインだと、その書面を準備するのに苦労する時があります。苦労してでも書面が取り寄せられたらいいのですが、書面を提出してくれないため、警察署で届出が受理されずにドメイン取得を最初からやり直すということもあります。

 

届出手続きするには運営サイトが完成されていない状態でも構いません

 

 

4.届出に必要な書類

事務所登録とできる物件が決まって、ドメインを取得できたら届出書類を整えましょう。

 

4-1.映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書、営業の方法

こちらの書式は、警視庁のホームページからダウンロードできますのでこちらをクリックください。

 

4-2.事務所の建物謄本

法務局で事務所の建物謄本を取得します。

 

4-3.使用承諾書

上記建物謄本を基に、建物所有者から使用承諾を頂きます。使用承諾書の書式に決まりはないのですが、映像送信型性風俗特殊営業を行う事務所である旨と、事務所の住所・使用期間を記載したものに建物所有者から署名・押印が入った営業者宛の使用承諾書を作成して、書類に添付します。

 

4-4.賃貸契約書のコピー

賃貸契約書は全ページをコピーします。

 

4-5.法人登記簿謄本(原本)、定款(コピー)

法人の場合は、登記簿謄本と定款のコピーが必要になります。新しく会社を設立する場合は、事業の目的に「アダルト配信事業」など本事業を入れてください。

 

4-6.住民票(原本)

法人の場合は、役員全員分必要になります。住民票は本籍地の記載があり、マイナンバーの記載がないものが必要になります。

 

4-7.事務所周辺の略図、事務所の平面図

事務所周辺の略図は、ゼンリン地図で構いません。ゼンリン地図はコンビニのコピー機で購入できます。

事務所の平面図は、事務机、PC、ロッカーなどを記載します。寸法地も記入します。

 

4-8.ドメイン所有の書面

ドメイン所有の書面は、ドメイン購入先で異なるのですが、支払い履歴やマイページからダウンロードしたものを用います。

 

また、この映像送信型性風俗の届出ですが、URL毎に届出が必要となります。

 

例えば、FC2とファンティアにそれぞれマイページを持って、販売したいとしたらそれぞれのURLについて届出をしなければいけません。(デリヘルの届出については、ドメイン・名称の追加はできますが映像送信型性風俗の届出については、URL毎の届出となります。)

 

4-9.届出手数料

届出については、3,400円の届出費用が必要になります。警察署の会計窓口で証紙を購入することができます。(多数のURLを届出する場合には、URLごとに届出手数料がかかります。)

 

 

5.警察への提出と運営方法

上記書類を作成したら警察署に提出に行きます。

 

提出先の警察署は、主たる事務所として登録する管轄の警察署です。提出に行く前には管轄の警察署に連絡をしてから行きましょう。

 

警察署は他の役所とは違い担当者が当直明けや事件対応で不在のことがありますので、事前連絡からして行く方が無難です。

 

そして、警察署で無事に書類が受理されたら担当者の面談(行政指導)があります。

 

映像送信型性風俗特殊営業を行うには、先程も説明したように青少年の健全育成を阻害してはいけません。

 

営業者としては、利益を上げるという目的がありますが守るべき遵守事項も知っておかなければ、健全な運営はできませんし、摘発されるとびくびくしながらの営業はしたくはないでしょう。健全な運営をして利益を上げられるようにしましょう。

 

 

5-1.利用者の年齢制限と利用確認方法

提供するサービスが18歳未満は受けられないように営業者として対策をしなければいけません。サービスの利用者には運転免許証や保険証、パスポートなどで生年月日が確認できる本人確認書類の提示を求めることをしなければいけません。

 

料金の支払いについて、利用者からクレジットカード払いなど通常、児童が支払いができない方法にて決済を行う旨の同意を得なければいけません。

 

上記年齢確認を行った利用者には、パスワードやIDを付与して、サービス利用時にIDパスワードの入力を行うなどして、児童がサービスを受けられない施策を講じる必要があります。

 

このようにオンライン上で本人確認から決済まで行おうとすると、運営サイトのシステムの構築に時間と費用を要することがお分かりになるかと思います。

 

また、2022年4月から改正民法が施行されて、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。

 

利用者側からすると、これまではクレジットカードを所持していなかったためアダルト映像配信を利用できなかったという年齢についても、親の同意なくしてクレジットカードの申込みができるようになりますので、利用者が増えることが予想されます。

 

 

5-2.その他注意点

広告物

映像送信型性風俗特殊営業は風営法の規制を受けますので、広告物制限区域内での広告の掲示はできませんし、住居へのポスティングもNGです。

 

事務所の立ち入り

届出を行ったということは営業所となる事務所を警察署も把握しているということになります。風営法の適用を受けますので警察官による立ち入りが行われることも念頭において営業をしなければなりません。届出すべきことをしているので何も縮こまることはありませんが、警察官の立ち入りが行われることもあります。

 

変更の届出

運営するサイトのドメインや営業者の住所変更や法人の登記内容などが届出をしている内容と変更が出た時は、20日以内に変更届を行う必要があります。土日、祝日を含んだ20日間ですので、速やかに変更届を行うようにしましょう。

 

 

6.行政書士を利用するメリット

行政書士を利用する最大のメリットは、手間と時間を節約できることです。

 

警察署の運用にもよるのですが、ほとんどの警察署では委任状があれば営業者本人の同行は必要ありません。最低限必要な書類を頂ければ、書類作成は丸投げで営業者に代わって警察署に提出してもらえます。

 

映像送信型性風俗特殊営業開始届を行政書士に依頼する代行費用ですが、10万円くらい(税込)が相場となっています。

 

また、映像送信型配性風俗特殊営業開始届は、ドメインごとに届出を行うことになっています。例えば、ファンティアとFC2にそれぞれマイページを持って届出を行うとするとそれぞれ個別に届出することとなり行政書士に支払う報酬も多額になってしまいます。

 

弊所では同一依頼者からの多数届出に対しての追加ドメインについては、ディスカウントしていますのでお気軽にご相談ください。弊所では初めての方でも利用して頂きやすいよう相場よりも安く価格設定しています。

 

物件探しで難航してみえる方、これから映像送信型性風俗特殊営業を始めてみたいとお考えの方、喜んでご相談をお受けします。弊所ではこれからビジネスを始める方がいいスタートを切ってもらえるよう不動産業者とも連携をしています。

 

比較的お値段が安いレンタルオフィスのご紹介もできます。営業に必要な周りのこともご案内可能ですのでお気軽にご相談頂けたらと思います。

 

 

お客様の声①:埼玉県 T・K様 (ファンティア[Fantia]) 

お客様の声②:神奈川県 H 様 (Pornhub)

 

関連記事①:アダルト配信事業の登録ができる物件の探し方

関連記事②:電気通信事業の登録・届出と映像送信型性風俗特殊営業との関係

関連記事③:AV新法がアダルト配信事業に与える影響について

 

 

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