コンビニにもあるクレーンゲーム。設置・開業に風営法の許可は必要?

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コラム

2026年11月4日公開 / 2026年11月更新

クレーンゲーム機を示し設置前の風営法確認を案内するアルトくん

1.はじめに

コンビニで買い物をしたときに、店内に置かれたクレーンゲームを見かけたことはありませんか。

「コンビニにもあるなら、自分のお店にも置いてみよう」「空いている物件で、小さなクレーンゲーム専門店を始めてみよう」

そう考えたときに、そもそも「風営法の許可が関係するのではないか」と思い浮かぶでしょうか。

許可を取らずに営業しようと考えているのではなく、許可が関係する商売だという発想自体がない。そんな方もいるのではないかと思います。

今回は、クレーンゲームの設置・開業を考えたときに、最初に知っておきたい風営法の話をします。

2.クレーンゲームは、風営法の規制対象となる設備です

通常の、アームを操作して景品を獲得するクレーンゲームは、風営法の規制対象となる遊技設備です。

風営法第2条第1項第5号と施行規則第3条が関係し、対象設備を店舗に設置してお客様に遊技させる営業には、原則として「風俗営業の5号許可」が必要です。ゲームセンターの営業許可と考えると、イメージしやすいと思います。

ただし、ここで区別しておきたいことがあります。

「クレーンゲームが規制対象の設備であること」と、「設置した店舗すべてに許可が必要なこと」は、同じではありません。

設置場所や営業形態によっては、許可を要しない取扱いや、規制対象から除外される場合があります。風営法第2条・第3条・施行規則第3条

3.では、コンビニに置いてあるクレーンゲームは?

専門店と小売店舗の一角へのクレーンゲーム設置を比較するアルトくん

ここで関係するのが、いわゆる「10%ルール」です。

警察庁の解釈運用基準では、店舗の1フロアのうち、お客様が利用する部分の床面積に対して、遊技に使う部分の床面積が10%を超えない場合、当面、風俗営業の許可を要しない取扱いとしています。

つまり、同じクレーンゲームでも、専門店として営業する場合と、別の営業をしている店舗の一角に設置する場合とでは、許可の要否を検討する前提が異なるのです。

ただし、個々のコンビニがどのような確認を経て設置しているかは、その店舗や設置事業者に確認しなければ分かりません。

「コンビニにも置いてある」という事実だけでは、自分のお店も許可不要だとは判断できない。ここが大切なポイントです。警察庁の解釈運用基準(店舗の取扱い)

4.「10%ルールの申請をお願いします」という誤解

機械の底面積や店全体だけで判断せず図面を確認するアルトくんと出店希望者

当法人では、ポーカーバーなどの開業相談で、こんなお話をいただくことがあります。

「10%ルールで営業するので、警察の手続きをお願いします」

お気持ちは分かるのですが、「10%ルール用の許可」を申請する制度ではありません。これは、一定の条件に該当する場合に、風俗営業の許可を要しないとする取扱いです。通常の許可申請とは別に、簡単な申請をすれば営業できる、というものではないのです。

そして、面積の考え方にも注意が必要です。

分母となるのは、遊技設備を置く店舗の1フロアのうち、お客様が利用する部分です。雑居ビルのフロア全体や、別フロアまで合算するものではありません。レジの内側など従業員専用の部分や、そのフロアから完全に区画された洗面所なども含みません。

分子となる遊技部分も、機械の底面積だけではありません。解釈運用基準では、お客様の占めるスペースや設備の種類などを考慮し、設備が直接占める面積のおおむね3倍で計算します。1台について3倍した面積が1.5平方メートル未満なら、1.5平方メートルとして計算する扱いです。警察庁の解釈運用基準(面積の算定)

「店全体は広いから、機械の置き場所は10%以内に収まるはず」

その考え方で計画を進めると、計算の前提から間違えてしまう可能性があります。個室や別区画がある場合も、図面と営業実態をもとに、どの部分を計算対象とするか確認します。

専用の申請がないことと、確認がいらないことは別です。

必要に応じて図面や設備資料を用意し、所轄警察へ事前相談することも、判断を整理するための大切な作業です。

5.百貨店や商業施設のゲームコーナーには、別の検討も必要です

商業施設のゲームコーナーで10%ルールと施設の除外が別の仕組みであると説明するアルトくん

百貨店などでは、10%ルールとは別に、風営法施行令第1条による施設の除外を検討する場合があります。この除外は、独立した「店舗」そのものではなく、店舗に類する区画されたゲームコーナー等を対象とする仕組みです。

例えば大規模小売店舗内の施設では、同条が定める店舗面積の合計が500平方メートルを超えること、主としてその小売業のお客様が利用する施設であること、営業中に外部から内部を容易に見通せることなどを確認します。

商業施設内にあるというだけで、一律に対象外になるわけではありません。風営法施行令第1条

看板や営業時間、スタッフの服装なども含め、独立した営業単位としての実態があるかを確認します。「百貨店内だから」「期間限定だから」「壁で囲っていないから」だけでは判断できません。警察庁の解釈運用基準(店舗・施設の考え方)

当法人でも、百貨店で期間限定のクレーンゲーム設置を予定しているという相談を受けたことがあります。

こうした相談では、最初から許可申請を前提にするのではなく、どの場所に、どのような設備を置き、どのように運営するのかを確認するところから始めます。

6.小規模・無人なら許可がいらない、ということではありません

小さな物件にクレーンゲームを並べた専門店や、常駐スタッフを置かない営業を考えている方もいると思います。

しかし、店舗が小さいことや、無人であることだけを理由に、5号営業の許可が不要になるわけではありません。営業が風営法上の5号営業に該当するか、許可を要しない取扱いなどに該当するかを確認する必要があります。

街で似たお店を見かけても、外から見ただけでは、そのお店が許可を取得しているか、どのような根拠で営業しているかは分かりません。

ほかのお店の見た目を参考にすることと、自分の出店計画の法的な確認は、分けて考えましょう。

7.許可を取ることだけが、行政書士の仕事ではありません

出店場所と図面と設備資料をもとに計画段階で相談するアルトくん

当法人に寄せられるクレーンゲームの相談は、専門店や大型店舗の出店に関するものが中心です。

大型店舗の計画では、物件、内装、設備、開業日など、検討することが多くなります。そこで許可の要否や出店条件の確認が後回しになると、計画そのものを見直さなければならなくなるおそれがあります。

風俗営業の許可には、営業する場所、店舗の構造・設備、申請者などに関する基準があります。申請書を提出すれば、どの物件でも許可を取得できるわけではありません。

だからこそ、物件契約や内装工事、設備発注を進める前の相談を大切にしています。

「この物件でクレーンゲーム専門店を開けるのか」「商業施設のこの区画なら、どのような確認が必要なのか」「予定している設置方法で、許可が必要なのか」

こうした段階から相談していただきたいのです。

必要な許可を取得することも、許可を要しない取扱いに該当するか慎重に確認することも、私たちの仕事です。

大きな事業計画に関わる以上、判断をする側にも、それに見合う責任があると考えています。

8.「置いてから」ではなく、「置こうと思ったとき」に相談を

クレーンゲームは、身近に見かける設備です。しかし、その身近さと、営業に必要な手続きは別の問題です。

「コンビニにもあるから大丈夫」「小さなお店だから許可はいらない」「10%ルールの申請をすればよい」

そのように考えたまま計画を進める前に、まずは出店場所と営業方法を確認しましょう。

行政書士法人ARUTOでは、クレーンゲーム専門店の開業・5号許可申請だけでなく、商業施設への設置など、許可の要否を検討する段階からご相談いただけます。

「許可が必要なのか分からない」という状態でも構いません。出店計画、店舗の図面、設置予定の機械などをもとに、必要な確認事項を整理します。

個別の許可の要否は、設備の仕様、施設の構造、営業形態などを確認して判断する必要があります。

法令・資料確認日:2026年11月3日

出店・設置計画のご相談

行政書士法人ARUTOは、風営法関連の相談・許可申請を年間300件以上サポートしています。物件契約や設備発注の前から、ご相談いただけます。

ARUTOのサービス・ご相談案内

著者情報

行政書士法人ARUTO
代表行政書士 西 俊之(にし としゆき)

警察官時代は主に捜査部門に従事。その経験を活かし、現在は風営法・ナイトビジネス関連の許可申請を中心に行政書士業務を行っています。

キャバクラ、ガールズバー、クラブ、アミューズメントカジノ、ポーカーバーなど、風営法関連の相談・許可申請を年間300件以上サポートしています。

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