秋葉原(千代田区)で深夜営業許可を取得する際の注意点とポイントを解説!

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コラム

1. 深夜営業許可を取得するには

1-1.秋葉原・外神田エリアの特徴と現状

世界有数の電気街で知られている秋葉原ですが近年ではオタク文化発祥の地としても有名です。アニメ・マンガ・ゲーム等各種アニメ文化や身近に関われるアイドル文化として地下アイドル・メイド喫茶が多く存在します。この個性的ともいえる街には近年国内外から多くの人々が訪れています。

 

深夜営業をする飲食店の業態も実に様々でメイドカフェ(コンセプトカフェ)といわれる個性的な業態の飲み屋が多くあるのも特徴と言えるでしょう。
その個性的な魅力に溢れている反面、風営法の無許可営業の飲食店が多く、一斉摘発されてしまったことでも有名になってしまいました。

 

そのため、秋葉原がある千代田区では「秋葉原駅東部」・「外神田」・「神田駅周辺」エリアを客引き行為等防止重点区域として取り締まりが厳しくなっています。

 

日々進化し続けている魅力的な街で深夜帯の飲食営業を行い少しでも売上を伸ばしたいというニーズが多いのも事実です。個性的かつ魅力溢れる秋葉原で深夜営業許可(正しくは、「深夜における酒類提供飲食店」)を取得して健全営業を行いたいと考えている営業者の方に向けて記事を書きました。

 

秋葉原及び外神田エリアで飲食店営業許可・深夜営業許可を取得するまでの方法をできるだけ分かりやすく解説していきます。

 

1-2.効率よく深夜営業(風営法)許可の取得をするためには

経営者の方々が深夜営業許可を取得する上で最も優先することは、いかに時間をかけず取得するかということではないでしょうか?
保健所が窓口となる飲食店営業許可に比べて、深夜営業許可の申請は警察署が窓口となり、飲食店営業許可に比べると数段難易度が高くなります。そのため、初めて申請される方がやっても結局、警察署に受理されず行政書士に依頼するケースが数多くあります。

 

そんな難易度の高い深夜営業許可の申請ですが、経費削減をするために、ご自身で申請されたい方もいらっしゃると思いますので、この記事を読んでご自身で申請できるように解説しましたので最後まで読んでいただければ幸いです。

 

1-3.申請要件と営業形態の確認

① 用途地域の確認

深夜営業許可を取得するためには「都市計画法」に定めがある用途地域というものがあるのですがこれはその土地をどのような用途で使用できるかを定めているものです。この用途地域が深夜営業を取得できる地域にご自身の店舗が所在していなければなりません。

※深夜営業許可を取得できるのは以下の地域になります。
「商業地域」・「近隣商業地域」・「工業地域」・「準工業地域」「工業専門地域」・「用途地域を指定されていない地域」

用途地域の確認は、千代田区役所のホームページから確認できます。

 

② 接待行為の有無について

秋葉原ではメイドカフェやコンセプトカフェが相次いで取り締まりを受けています。お店の営業形態が接待行為にあたるのであれば深夜営業許可ではなく、風営法1号(社交飲食店)の申請を行わなければいけません。

どこからが接待行為にあたるのかは個別具体的にはなりますが、カウンター越しでも女の子とお客さんがマンツーマンで会話できるような状態であれば接待行為とみなされます。接待行為について詳しくは、コチラの記事を読んでいただければと思います。

 

③ 賃貸借契約書の確認

賃貸借契約書の確認は、営業者(申請者)と賃借人との関係や契約書の内容が重要となります。

申請者が賃借人と異なる場合は、建物オーナーからの使用承諾書が必須となります。契約される前には契約名義人が異なることを事前に不動産会社に了承してもらう必要があります。

 

④ 会社謄本の確認(法人の場合)

会社謄本には役員の住所が記載されていますが、この役員の住所が引っ越しをして現住所と異なる違う場合には、会社謄本の住所変更手続きをしないと深夜営業許可の申請は警察署に受理してもらえませんので事前に確認しておいてください。会社謄本の変更手続きには2週間程度要します。

 

⑤ 店舗設備の確認

店舗の設備が飲食店営業許可の設備基準と深夜営業許可の設備基準のそれぞれの要件を充たしているかを確認します。概ねの詳細は以下のとおりになります。

 

  • <保健所設備概要>
    ① 従業員手洗い器(レバー式・L5サイズ)
    ② 区画扉(スイングドア)
    ③ 従業員用・トイレ手洗い器の消毒液の設置の有無
    ④ 扉付食器棚(店舗サイズに見合うサイズであること)
    ⑤ 調理場内床材が耐水性であるか
    ⑥ 床から90センチの壁材が耐水性であるか
    ⑦ 調理場内床の排水管の勾配は適正か
    ⑧ 冷蔵庫に温度計はついているか
    ⑨ 給湯設備はあるか
    ⑩ 吸排気設備はあるか
    ⑪ シンクは2層以上あるか又基準値を充たしているか
    ⑫ 更衣室もしくは更衣袋はあるか
    ⑬ 清掃用具入れ(棚)は確保できるか

  • <深夜営業許可の設備概要>
    ① 営業所内に視界を妨げるものがないか(植栽・パーテーション等)
    ② 照明の照度は基準の照度はあるか(20ルクス以上)
    ③ 卑猥な掲示物がないか
    ④ 客室出入口に扉がある場合施錠設備がないか
    ⑤ 個室がある場合、9.5㎡以上あるか
    ⑥ 基準の騒音値を超えてないか

 

以上が概ねのチェック事項になります。

 

少しでも疑問に感じたことは保健所・警察署の担当者または弊所のような風営法専門の行政書士に確認をすることをおすすめします。

 

2-1.保健所への申請手続き

千代田保健所

要件等を確認したら千代田保健所に飲食店営業許可申請をします。

 

飲食店営業許可申請に必要な書類は管轄保健所により別途添付書類が必要な場合もありますが秋葉原エリアを管轄している千代田保健所は別途添付書類を求められることは通常ありません。(申請店舗の設備大要が基準を充たせないなど特別な事情がある場合は別途添付書類を求められることはあります。)

 

申請に必要な書類は概ね以下になります。

 

1. 営業許可申請書
※保健所の窓口でもらえますので用意する必要はありません

 

2.店舗図面×2枚(設備概要を記載したもの)

検査の時にはこの図面を参考に保健所職員がチェックしますので必要な設備は記入漏れがないように注意しましょう。

 

3.食品衛生責任者資格証(原本)

申請時は原本を持参しなくても受け付けてくれますが検査の時には必ず原本の提示を求められます。

※また申請時に食品衛生責任者資格証がなくても誓約書を書くことで申請が可能になりますので安心してください。ただお店がオープンしてから3か月以内の取得が原則になります。

 

4.会社謄本(法人の場合)

会社謄本が申請時に間に合わない場合は、会社の13桁の法人番号が解れば問題ありません。

 

5.水質検査証(該当店舗の場合のみ)

申請店舗の給水(上水)が水道水直結の場合は問題ありません。建物に受水槽タンク(中上水に利用するため貯える設備)がある場合はこの水質検査証が必要になります。

6.申請手数料(18,300円)

 

7.HACCP(衛生管理計画表)

 

8.水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)

 

こちらは必要書類ではありませんが必ず窓口で説明をされる内容の一つです。またオープン後はこの管理計画表に沿ってチェック表を作成し記入しなければなりません。こちらのチェック表の保管は3年間の義務化になりました。ですから後々のことを考えると用意しておいた方が良いでしょう。

 

許可申請が済んだら検査日程を調整して、保健所検査をクリアすれば翌営業日付けの許可となり、いよいよ営業することができます。(飲食店営業許可を取得した段階ですので、午前0時までの営業となります。)

 

営業許可を申請する際は、必ず申請書に受理印が押されたものをコピーか写メで保存してください。通常、求人やクレジットカードの申し込みの際には営業許可書が必要になりますが、まだ許可が下りていない段階では申請書の写しで対応してもらえることがありますので、1日でも早くオープンしたい営業者の方にとっては必須となります。

 

3.深夜営業許可の申請手続き

万世橋警察署

3-1.申請書類の作成

保健所から営業許可書が発行されるまで千代田保健所の場合ですと概ね2週間程度要します。

 

検査の際に担当者の方になるべく急いでほしいことを伝えれば1週間程度で発行してもらえる場合があります。また千代田保健所では郵送での受け渡しは対応していません。

 

深夜営業許可の申請には保健所の営業許可書が必須となりますので、飲食店営業許可書が発行されるまで申請書類を仕上げるようにします。

 

1. 深夜酒類提供飲食店営業営業開始届出書、営業の方法

警視庁のHPからダウンロードできます。

 

2.メニュー表

・価格をしっかりと表記する(税込みなのか税別なのか)

・ASKやサービス料の記載はしないこと

キャストドリンクなどの記載は接待行為の裏付け資料となるので深夜飲食店で記載するのはよくありません。

 

3.営業所周辺(半径100m)の概略図

営業所から半径100m以内の用途地域を表記した概略図
複製許諾証付きのゼンリン地図を縮尺1/1000にして記入するのが効率的です。

 

4.店舗図面(営業所平面図・営業所求積図・客室調理場求積図・音響照明設備図)

深夜営業許可の申請で一番難易度があるのが図面作成です。

ここでの図面は風営法のルールに従って作成しなくてはならないので、内装業者や不動産屋から渡された図面はそのまま使うことができません。

CADソフトを使うと効率よく図面を作成することができます。

 

風営法(深夜酒類提供飲食店開始届)の図面作成についてはコチラの記事にて詳しく解説しています。

 

5. 賃貸借契約書のコピー

 

6. 使用承諾書

書式に決まったものはありません。賃貸人が営業者宛に深夜営業をすることを承諾していることを文面にします。

賃借人と営業者(申請者)が異なる場合には、①賃貸人 ②賃借人の双方から使用承諾を得る必要があります。

この使用承諾書は不動産管理会社と建物オーナーへの連絡時間を要してしまうので、建物契約時に交渉するのがスムーズです。

使用承諾書の詳細についてはコチラの記事を参照してください。

 

7.法人の場合

・会社登記簿謄本

・定款

・役員全員の住民票

 

8. 役員 一覧表

役員が2名以上いる場合には、役員全員の住所・氏名・連絡先を一覧表にします。

 

9.住民票(本籍地記載)

 

10.営業許可書コピー

 

11.誓約書

接待行為や客引きを行わないという誓約書を添付します。

 

3-2.管轄警察署の確認

秋葉原・外神田エリアを管轄するのは「万世橋警察署」になります。千代田区は4つの管轄警察署に分かれていますので、店舗の住所を下記一覧から確認してください。

 

警察署への届出は、事前予約することが慣例になっていますので、申請書類が完成したら警察署の生活安全課に連絡して予約を取りましょう。

 

万世橋警察署
神田須田町1・2丁目、内神田3丁目(1~6番・8~11・15・16・24番を除く)、鍛冶町1・2丁目、神田鍛冶町3丁目、神田北乗物町、神田紺屋町、神田富山町、神田東松下町、神田西福田町、神田美倉町、神田岩本町、岩本町1~3丁目、外神田1~6丁目、神田相生町、神田松永町、神田和泉町、神田平河町、神田花岡町、神田佐久間町1~4丁目、神田佐久間河岸、東神田1~3丁目、神田練塀町、神田東紺屋町

 

神田警察署

神田錦町1から3丁目、神田淡路町1・2丁目、神田多町2丁目、内神田1・2丁目、同3丁目(1~6・8~11・15・16・24番)神田小川町1~3丁目、神田神保町1~3丁目、神田司町2丁目、神田美土代町、一ツ橋2丁目、三崎町1~3丁目、神田駿河台1~4丁目、猿楽町1・2丁目、西神田1~3丁目

 

麹町警察署

千代田(皇居の存する区域を除く)、北の丸公園、一ツ橋1丁目永田町1・2丁目、隼町、平河町1・2丁目、紀尾井町、麹町1~6丁目、飯田橋1~4丁目、富士見1・2丁目、九段北1~4丁目、九段南1~4丁目、霞ヶ関2・3丁目、一番町、二番町、三番町、四番町、五番町、六番町

 

丸の内警察署

千代田(皇居の存する区域を除く)、皇居外苑、大手町1・2丁目、丸の内1~3丁目、有楽町1・2丁目、内幸町1・2丁目、日比谷公園、霞ヶ関1丁目

 

3-3.警察への届出とその後の対応

書類作成が終わりましたらいよいよ警察に申請に行きます。警察署にはあらかじめ連絡してから行くようにします。

 

秋葉原エリアは申請の数も多いため、担当者の目も肥えていますので細かく書類チェックされます。

 

警察に届出が受理されてから10日後の午前0時から深夜営業をすることができます。
これで安心して深夜の酒類提供ができるようになるのですが、深夜営業の届出をしたということは、警察署も深夜営業を行う店舗を把握したということになります。

 

警察官の立ち入りにも備えないといけません。深夜営業許可には許可証というものはありませんので、警察署に提出した書類一式の副本と受領書を保管しておきましょう。また立ち入りの際に必ずチェックされるのが従業者名簿です。

 

従業者名簿の備え付けは義務ですので必ず営業所に備え付けておくようにして下さい。従業者名簿の保存期間は3年間ですので退職した従業員についても保管しなければいけません。

 

弊所が使用している従業者名簿こちら

 

従業者名簿の備え付け義務違反は、10日以上80日以下の営業停止(基準期間20日)処分、100万円以下の罰金となっています。

 

また、深夜営業許可を取得した後に変更事項があった場合には一定の期間内に変更届を提出しないといけません。

  • 氏名及び住所の変更 変更後20日以内
    営業所の名称変更 変更後10日以内
    営業所の構造及び設備の
    概要変更 変更後10日以内
    営業を廃止した場合 廃止後10日以内

 

 

4.まとめ~行政書士に依頼するメリット~

深夜営業許可を取得するのは決して簡単なことではないというのを理解して頂けたのではないでしょうか。頑張ってご自身で申請する手間と時間をかけてしまい、結局、深夜営業許可の申請が警察署に受理されず大幅にオープンが遅れてしまうというリスクがあります。

 

経営者の方は1日でも早くオープンしたいと考えられているかと思います。そういった場合は、最初から風営法専門の行政書士に飲食店営業許可と深夜営業許可のセット依頼することをお勧めします。

 

行政書士は業務の専門分野が細かく分かれていますので、行政書士に依頼するのであれば、必ず風営法専門の行政書士に依頼するようにしてください。

 

物件契約して間もない店舗では、内装業者などたくさんの方が出入りして経営者の方もその対応に追われます。そういった慌ただしい中でスムーズに保健所に飲食店営業許可を申請し、不備の設備を解消したりという段取りが意外に難しいのです。

 

内容業者の方との確認業務を行い、不備設備などを解消して、いかに早く保健所検査をクリアするのが風営法専門の行政書士の力量です。

 

弊所では、年間100件以上の風営法の申請に携わっていますので、実績も豊富です。また、行政書士が複数対応していますのでお急ぎ案件にも対応可能です。

 

行政書士事務所の平均的な深夜営業許可の手続きの料金は11万円(税込)となっています。弊所では飲食店営業許可と深夜営業許可のセット価格でその相場よりも安価に料金設定をしています。

 

また、行政書士に依頼するメリットとして許可を取得後のアフターサポートも受けられることもメリットです。新型コロナウィルス感染症が蔓延する中でもこれまでにご依頼をいただいてサポートが必要な営業者の方のサポート業務も行っています。

 

従業員一同、ご縁があって依頼された経営者様のお店が健全営業で末永く繁盛していただきたいと思っております。ご相談はお気軽にお問い合わせください。スピード対応させていただきます。

 

弊所の料金表はコチラ

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