目次
- 1.初期費用を抑えるには、居抜き物件がおススメ
- 2.スナック営業に必要な許可は?
- 2-1.飲食店営業許可
- 2-2.風俗営業1号営業(社交飲食店)許可
- 3-3.消防手続き
- 3.スナック営業をすることについての疑問
- 3-1.法人化した方がいいの?
- 3-2.深夜における酒類提供飲食店営業(深夜営業許可)も取得することはできないの?
- 4.スナック(社交飲食店)許可を取得する3つの要件
- 5.スケジュールについて
- 6.スナック営業(社交飲食店)に必要な書類について
- 7.風営法許可の取得後にすべきこと
- 8.まとめ

1.初期費用を抑えるには、居抜き物件がおススメ
スナックを開業される方の多くは、これまで店舗での勤務経験があり、既存のお客様を活かすためにも、慣れ親しんだエリアで独立されるケースが多く見られます。
そのような中で、出店する物件については、初期費用を抑える観点からも居抜き物件の活用を検討されることをおすすめします。
居抜き物件とは、前テナントの設備や内装が残された状態で貸し出されている物件のことをいいます。
新たに設備を一から整える必要がないため、壁紙や照明など一部の内装のみを調整することで、開業コストを大きく抑えることが可能です。
ただし、居抜き物件には注意点もあります。
既存の内装やレイアウトが、必ずしも風俗営業許可の基準に適合しているとは限らないため、契約前に確認を行うことが非常に重要です。
実際に、契約後に「このままでは許可が取れない」と判明し、追加工事が必要になるケースも少なくありません。
自分の希望に合う居抜き物件との出会いはタイミングによる部分も大きいため、不動産業者と連携しながら情報収集を行うとともに、物件が見つかった段階で早めに専門家へ相談することをおすすめします。
2.スナック営業に必要な許可は?
スナックを開業する場合、主に以下の2つの許可・手続きが必要になります。
営業形態によって必要な許可が異なるため、事前の判断が非常に重要です。
なお、実務上は「風俗営業許可(1号)」ではなく、深夜酒類提供飲食店営業の届出で営業しているスナックも多く見られます。
この場合、接待行為を行わないことが前提となります。
特に注意が必要なのが「接待」に該当するかどうかの判断です。
例えば、カラオケ設備を設置している店舗において、
- ・お客様の歌に合わせて手拍子をする
・積極的に盛り上げる、もてはやす
・特定のお客様の隣に座って継続的に会話する
といった行為は、「接待」と判断される可能性があります。
このような接待行為を行う場合には、風俗営業1号許可が必要となります。

2-1.飲食店営業許可
食品衛生法に基づき、店内で調理した料理やお酒を提供するために必要な許可です。
営業所を管轄する保健所が窓口となり、以下の要件を満たした上で、施設検査に合格することで営業許可証が発付されます。
・申請手数料の納付(約16,000円~18,300円/自治体により異なります)
・食品衛生責任者の設置
・施設の構造および設備が基準に適合していること
・HACCPに基づく衛生管理の実施
なお、食品衛生責任者については、資格を持つ方を選任する必要がありますが、地域によっては講習の受講予定で申請が可能な場合もあります。
また、内装工事の内容によっては、設備基準を満たさず再工事が必要となるケースもあるため、事前の確認が重要です。
食品衛生法に関する記事はコチラを参考にしてください。
2-2.風俗営業1号営業(社交飲食店)許可
お客様に対して、お酌をしたり、会話を楽しんだり、カラオケに合わせて手拍子をするなどの「接待行為」を行う場合に必要となる許可です。
スナック営業においては、この「接待」に該当するかどうかが重要な判断ポイントとなります。
例えば、
・お客様の隣に座って継続的に会話をする
・お客様の歌に合わせて手拍子や合いの手を入れる
・特定のお客様を積極的にもてなす
といった行為は、「接待」と判断される可能性があります。
そのため、カラオケ設備を設置している店舗では、意図せず接待に該当してしまうケースも多く、特に注意が必要です。
風俗営業は、青少年健全育成の観点から様々な規制が設けられています。
・営業時間の制限(原則午前0時まで ※地域により例外あり)
・許可取得までの期間(標準処理期間:約55日 ※土日祝除く)
接待行為を伴うスナックである場合には、必ず風俗営業1号(社交飲食店)許可を取得した上で営業する必要があります。
※東京都の場合は土日・祝日を除いてカウントされますが、地域によっては土日を含めて計算されるケースもあります。
そのため、オープン予定日から逆算してスケジュールを組むことが重要です。
参考ブログ:横浜中華街で申請、許可日はいつ?風俗営業の標準処理期間
3-3.消防手続き
飲食店を営業する場合、火災や災害時にお客様の安全を確保するため、管轄の消防署への各種届出が必要となります。
特にスナックなどの営業では、内装工事の内容によって必要な手続きが変わるため、事前の確認が重要です。
工事開始前の届出と実務上の注意点(重要)
内装工事を行う場合、内容によっては工事着手前に消防署への届出や事前相談が必要となるケースがあります。
例えば、
・間仕切りの変更や客席配置の変更
・内装制限に関わる工事
・防火設備に影響する工事
などを行う場合、事前に消防署と協議を行わずに工事を進めてしまうと、後から是正指導を受け、追加工事が必要になるケースもあります。
特に、内装業者が風営法や飲食店営業の手続きに慣れていない場合、工事を優先して進めてしまい、後から修正が必要になるトラブルも少なくありません。
実務上の注意点
消防手続きは保健所や警察(風俗営業許可)とも関係しており、内装工事の内容によっては誘導灯・消火器・自動火災報知設備などの設置が必要となる場合があります。
工事開始後の修正はコスト・スケジュールともに大きな負担となるため、工事前の段階での確認が重要です。
営業開始前の届出書類
- 1.防火使用開始届(使用開始する7日前までに行う)
- 2.防火管理者選任届(営業所の大きさに応じて、甲種または乙種管理者講習会を受ける)
- 3.消防計画の提出
消防手続きは、保健所や警察(風俗営業許可)とも関連しており、各機関と連動して確認が行われるケースもあります。
手続きを怠った場合、是正指導や行政処分の対象となる可能性があるため、適切な対応が重要です。
また、消防手続きは内装工事とも密接に関係するため、風俗営業許可の申請とあわせて対応できるか、事前に確認しておくことをおすすめします。
消防手続きについても複雑な手続きとなります。
風俗営業の申請を行政書士に依頼するのであれば、消防手続きも一緒にできるか確認することをお勧めします。
消防手続きの詳細については、(防火使用開始届・防火管理者・消防計画)の記事を参考にしてください。
3.スナック営業をすることについての疑問

3-1.法人化した方がいいの?
飲食店や風俗営業を始める方からよくいただくのが、「最初から法人化した方がいいのか?」というご相談です。
法人化にはメリット・デメリットの両面があります。
■ 主なデメリット
- ・法人設立費用(株式会社の場合:約20万~30万円)
・税理士報酬などのランニングコストが増加
・赤字でも法人住民税(均等割)が発生
一方で、法人化することで信用力の向上や節税効果が期待でき、多店舗展開を見据えた場合には有利になるケースもあります。
ただし、開業初期から無理に法人化する必要はなく、まずは個人事業としてスタートし、事業が安定してから法人化を検討するケースが一般的です。
3-2.深夜酒類提供飲食店営業(深夜営業許可)との併用はできる?
スナック営業では、「風俗営業許可(1号)」と「深夜酒類提供飲食店営業」を組み合わせて営業できないか、というご相談も多くあります。
結論として、制度上は両方の手続きを行うこと自体は可能です。
しかし実務上は、
・接待を行う時間帯と行わない時間帯を明確に分ける
・営業主体や運営体制を区分する
・一度営業を終了して切り替える
といった運用が求められるため、現実的にはハードルが高いケースが多くなります。
また、このような営業形態は警察からも厳しく確認される傾向があるため、安易に2部営業を前提とすることはおすすめできません。
二部営業についての参考記事
風営法の二部営業はできる?店名変更による深夜営業への切替と変更手続き|実務上の注意点とリスク
4.スナック(社交飲食店)許可を取得する3つの要件

4-1.場所的要件
風俗営業許可は、どの場所でも取得できるわけではありません。
学校や保育園などの保全対象施設から一定距離を確保する必要があり、この基準を満たしていない場合は許可が下りません。
また、「前の店舗が風俗営業を取得していたから大丈夫」と判断するのは危険です。
用途地域や周辺環境の変化により、現在は許可が下りないケースもあります。
そのため、物件契約前に現地調査を行い、申請可能な立地かどうかを確認することが重要です。
場所的要件の詳細については、
【実務メモあり】風営法申請前の保全対象施設との距離規制について
こちらの記事をご参照ください。
4-2.人的要件
風営法第4条第1項において、以下のような欠格事由が定められています。
- ・成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ていない者
・1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられ、5年を経過していない者
・特定の法令違反により、懲役または罰金刑を受け、5年を経過していない者
該当する可能性がある場合でも、個別に判断が分かれるケースもあるため、事前に確認することをおすすめします。
4-3.施設の要件
風俗営業許可では、建物の構造や設備について細かな基準が定められています。
主なポイントは以下のとおりです。
・外部から店内を容易に見通せない構造であること
・客室内に見通しを妨げる設備を設置しないこと
・風俗環境を害するおそれのある装飾を設置しないこと
・照度が一定基準(5ルクス以上)を満たすこと
・客室の広さが基準を満たしていること
また、申請後には警察署による営業所検査(浄化協会)が行われ、図面どおりの構造となっているか、基準を満たしているかが厳しく確認されます。
この検査は保健所の検査よりも厳しく、基準を満たしていない場合は再検査となり、許可取得が遅れる原因となります。
そのため、内装工事の段階から許可基準を踏まえて設計し、一度で検査を通過できるよう調整することが重要です。
5.スケジュールについて

物件契約・内装業者打ち合わせ |
| ⇓ ・風営法申請をいかに早くできるかがポイント |
保健所申請&検査 |
| ⇓ |
風営法申請 土日祝日を除いた55日以内で許可が下りる(標準処理期間) |
| ⇓ ・申請してから2~3週間後に店舗実査 |
実査 営業できる状態で実査を受ける |
| ⇓ ・無事実査をクリアすると書類審査、許可の連絡待ち |
風俗営業許可の発付 |
オープン |
上の表を見て分かるように、物件契約からオープンまでの期間ですが、3か月くらいかかってしまうのが現状です。
スナック開業においては、内装工事・保健所の飲食店営業許可・風俗営業許可の申請を並行して進める必要があり、スケジュール管理が非常に重要になります。
特に、内装業者との調整を行いながら、飲食店営業許可をできるだけ早く取得することは、実務上意外に難しいポイントです。
そのため、風俗営業許可の申請を行政書士に依頼する場合には、物件契約前の段階から相談することをおすすめします。
内装業者との打ち合わせや工程管理を含め、全体のスケジュールを組み立てていくことが、風営法に強い行政書士の重要な役割となります。
6.スナック営業(社交飲食店)に必要な書類について

1.許可申請書・営業の方法を記載した書類
2.営業所の使用権原を示す資料の添付
- ・賃貸契約書の写し
- ・使用承諾書を建物オーナーからもらう必要があります。
- ・建物登記簿謄本
3.営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
4.申請者が個人の場合
①住民票の写し
②誓約書
③市区町村の発行する身分証明書
4-2. 申請者が法人の場合
①定款及び登記事項証明書
②役員に係る住民票の写し
③誓約書
④役員に係る市区町村の発行する身分証明書
5.選任する管理者に係る次に掲げる書類
①誠実に業務を行うことを誓約する書面
②住民票の写し
③市区町村の発行する身分証明書
④法第24条第2項各号に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
⑤管理者(店長)の写真2枚
上記書類を揃えて、管轄の警察署(生活安全課)の予約を取り、申請を行います。
7.風営法許可の取得後にすべきこと

風俗営業は取得後には遵守すべきことがいくつかあります。
- 1.風俗営業許可証は見やすい場所に掲示する
- 2.営業時間を遵守する
- 3.従業員名簿を備え付ける
- 4.苦情の処理に関する帳簿を備え付ける
- 5.風俗営業管理者講習の受講
許可取得後は、予告なく警察官の店舗立ち入りがあります。
その際に、必ずと言っていいほど確認していくのが、③の従業員名簿です。
従業者名簿の備え付け義務違反は、罰金100万円以下と重い処分となります。
従業員名簿については、コチラの記事に詳しく記載していますので参考にしてください。書式もダウンロードできるようにしています。
従業者名簿の本籍地確認|運転免許証があればIDリーダーアプリで対応可能
8.まとめ

スナックの開業においては、風俗営業許可だけでなく、保健所や消防手続き、内装工事との調整など、複数の手続きを並行して進める必要があります。
特に、許可取得までの期間を短縮するためには、内装業者と連携しながら、いかに早く飲食店営業許可を取得できるかが重要なポイントとなります。
そのため、スナック開業をご検討の際には、物件契約前の段階から、消防手続きも含めて対応できる風営法専門の行政書士へご相談いただくことをおすすめします。
一般的に、スナック開業における風俗営業許可の行政書士報酬は20万円前後と言われており、飲食店営業許可や各種手続きを含めると30万円程度となるケースが多く見られます。
当事務所では、適正な価格での対応に加え、スピード感のある申請と、内装業者との調整を含めた実務対応に強みがあります。
許可取得が数日早まるだけでも、売上機会の確保や空家賃の抑制につながるため、開業スケジュール全体を見据えた対応が重要です。
現在、都内近郊を中心に複数名体制で業務を行い、風営法関連の申請を多数取り扱っております。消防手続きにも対応しておりますので、開業準備の段階から一貫してサポート可能です。
スナック開業をご検討中の方や、物件選定でお悩みの方は、初回無料にてご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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当事務所の実績(お客様の声)
スナック小町(人形町)
2peace(錦糸町)
この記事の監修者(2026年4月時点の最新情報に基づき作成)
行政書士 西 俊之
ARUTO行政書士事務所 代表。
元警察官としての経験を活かし、風営法・ナイトビジネス関連の許可申請を中心に行政書士業務を行う。
スナック・キャバクラ・ガールズバー・クラブ・アミューズメント・ゲームセンター・ポーカーバーなど、風営法関連の相談・許可申請は年間300件以上サポートしています。
物件選定の段階から、警察・消防・保健所手続きまで一貫して対応しています。


