「防火対象物使用開始届」は飲食店の開業に必要?書き方は?必要な資料は?

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コラム

 

目次

1.飲食店開業に必要な「防火対象物使用開始届」の概要

飲食店を開業する際には、調理に関する「飲食店営業許可」など、保健所や警察署に対する手続きのほかにも、営業する店舗にかかる消防署に対するさまざまな届出も必要になります。

 

その中の一つに「防火対象物使用開始届」があります。飲食店ではそのほとんどで火気を扱うことになります。本格的な調理を行うような場合には、コンロから大きな火を使用するのではないでしょうか。

 

そのような場合には、火の扱い方や火災に対する知識を知っていなければ、火災を起こしてしまうリスクが高くなってしまいますし、万が一、火災を起こしてしまった場合には適切な対処ができなくなってしまいます。

 

そのため、飲食店を開業する際には必ず「防火対象物使用開始届」が必要となり、工事を伴うような場合には「防火対象物の工事等計画の届出」も必要となります。工事の内容によっては「防火対象物の工事等計画の届出」が必要とならない場合もありますので、次の章において詳しくご紹介していきましょう。

 

参考:東京消防庁「防火対象物の使用開始の届出をしよう

 

2.飲食店開業では「防火対象物使用開始届」は必要なの?

飲食店を出店する際や、テナントなどへの入居の際には、営業を始める日の7日前までには消防署に対して、「防火対象物使用開始届」を提出しなければなりません。

 

また、営業を始める前に店舗を修繕したり、模様替えをしたり、間仕切をするような場合にも、それらの工事を着手する7日前までに「防火対象物の工事等計画の届出」によって、その内容を消防署に届出なければなりません

 

つまり、工事をしなくても飲食店を出店する際には「防火対象物使用開始届」、工事を伴う場合には「防火対象物の工事等計画の届出」も併せて必要となるということです。

 

東京都においては東京都火災予防条例(第56条、第56条の2)に定められており、防火対象物である飲食店の店舗を管轄する地域の消防署に届出しなければならないのです。

 

では、どのような場合に届出が必要になるのか、その事例をご紹介していきましょう。

 

2-1.テナントや居抜き物件で飲食店を開業する場合

ビルの空きテナントで飲食店を開業するためには、「防火対象物使用開始届」が必要となります。この場合、仮に工事をせずに開業する場合においても、届出が必要となりますので注意が必要です。

 

また、工事が必要となる場合には、工事を着手する7日前までに「防火対象物の工事等計画の届出」が必要となります。つまり、飲食店を開業する際には必ず「防火対象物使用開始届」が必要となり、工事が必要となる場合には併せて「防火対象物の工事等計画の届出」も必要となるということです。

 

2-2.居抜き物件で設備をそのまま使用して使用形態を変更する場合

コスト削減のために居抜き物件を活用して飲食店を営業する方は多いと思います。そのような物件の場合、以前は定食屋を営業されていて、今回は居酒屋を開業しようとするようなこともあるでしょう。

 

使用形態を変更する場合も「防火対象物使用開始届」が必要となり、工事が必要となる場合にも「防火対象物の工事等計画の届出」が必要となります。

 

2-3.室内を間仕切りして間取りを変更する場合

テナントなどの物件内に間仕切り壁などの工事を行い、間取りを変更して営業したい場合には、その間仕切した部屋ごとに「防火対象物使用開始届」「防火対象物の工事等計画の届出」が必要となります

 

店舗内の修繕や模様替え、間取り変更、天井の高さ変更などで、1つの部屋を2つ以上の部屋にして使用する場合には、それぞれの部屋で届出しなければならないのです。

 

ただしこの場合、天井にまで達しないパーテーションなどの設置によって間仕切を行う場合には「防火対象物使用開始届」のみで、「防火対象物の工事等計画の届出」は必要ではありません。

 

2-4.客席や避難経路を変更する場合

店内の客席のレイアウトを変更し、避難経路が変更になってしまう場合においては、「防火対象物の工事等計画の届出」が必要となります。

 

3.防火対象物使用開始届の書き方は?必要な資料は?

東京都において、消防署に提出しなければならない「防火対象物使用開始届出書」は、東京消防庁の公式サイトで用意されているものを活用します。

 

参考:東京消防庁「防火対象物使用開始届出書

 

その他にも、「営業所の平面図」「案内図」「フロアの平面図」など、さまざまな資料も添付して提出しなければなりません。書類の書き方や求められる資料等につきましては、消防署によって異なる場合があるために、まずは事前相談しておくことが必要です。ここでは、一般的な記載方法と必要な書類についてご紹介していきましょう。

 

3-1.防火対象物使用開始届の書き方

①届出日:届出日を記入
②届出先:届出先の消防署名を記入
③届出者:届出者(店舗を使用・変更する者)の住所、電話番号および氏名を記入
 ※法人の場合は、法人名および役職名を併記する
④防火対象物の概要:建物全体を使用する場合は「建物」欄のみに記入
⑤「建物」欄の所在地:使用する店舗の所在地を記入
⑤「建物」欄の名称:使用しようとする店舗の名称を記入
⑤「建物」欄の構造・階層:使用しようとする防火対象物の構造に該当するものにチェックし階層を記入
⑤「建物」欄の面積:建築面積(使用しようとする店舗全体の建築面積を記入)、 延べ面積(使用しようとする店舗全体の延べ面積を記入)
⑤「建物」欄の用途:防火対象物全体について、消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物の用途のうち、該当するものを記入
⑥「事業所」欄の名称:使用しようとする事業所の名称、電話番号を記入
⑥「事業所」欄の事業所のある階:使用しようとする事業所がある階を記入
⑥「事業所」欄の床面積:使用しようとする事業所が使用する部分の床面積を記入
⑥「事業所」欄の用途:使用しようとする事業所の用途を記入
⑦工事等種別:「工事等種別」欄:建物全体の使用しようとする場合は「建物の場合」欄に記入、事業所の入れ替え等に伴う届出の場合は「事業所の場合」欄に記入
⑧工事等開始日:店舗または事業所の工事などに着手した日(用途変更など工事を行わない場合は、什器の搬入等に着手した日)を記入
⑧使用開始日:店舗または事業所の使用を開始する日を記入
⑨設計者・施工者:工事等に係る設計をした者の氏名及び電話番号を記入

 

2-2.防火対象物使用開始届と共に必要な資料など

・防火対象物概要表
・案内図
・平面図
・詳細図
・立面図
・断面図
・展開図
・室内仕上表及び建具表等

 

防火対象物使用開始届は、届出書と共に上記で示されている資料なども必要となります。これらの書面については専門的なものになりますので、工事前に必ず内装業者などに確認して必要書類を整備しておかねばなりません。

 

また、消防署によっては求められる書類が異なる場合がありますので、まず事前に管轄の消防署に相談するのが適切です。

 

4.消防署に提出が必要なその他の届出

・防火管理者選任届出書
・消防用設備設置届出書
・消防計画の届出

 

飲食店を開業する際には必ず「防火対象物使用開始届」が必要となり、工事が必要となる場合には併せて「防火対象物の工事等計画の届出」も必要となります。さらに、上記の届出も必要となりますので、忘れないようにしておくことが大切です。

 

「防火管理者選任届出書」とは火災が発生した場合でも適切な消火活動や避難ができるように、防火管理者を定めておくというものです。

 

店舗の規模に応じて甲種防火管理者と乙種防火管理者に区分されており、各店舗に1名の配置が必要となりますので、事前に資格取得しておく必要があります。資格取得は消防署で2日間の講習を受講することで得られます。

 

「消防用設備設置届出書」とは、消防設備を設置した際に必要となる届出です。提出した後に、消防署から店舗の消防検査が行われることになります。

 

「消防計画の届出」とは、防火管理者が作成する消防計画で、火災予防の取り組みや対処法などを計画したものです。

 

5.まとめ

飲食店の開業に関することや「防火対象物使用開始届」など各種申請のことなら、許認可などに精通した行政書士に相談することをおすすめします。「防火対象物使用開始届」は営業開始7日前までには管轄の消防署に対して手続きしておく必要があります。

 

ただし、消防に関することですから防火に関する専門的なスキルが必要となります。

 

また、それ以外にも工事を伴う場合には、「防火対象物の工事等計画の届出」が必要となり、その他にも「防火管理者選任届出書」などさまざまな届出も行わねばなりません。もちろん、並行して飲食店の開業にかかる許認可も受けなければならないのです。

 

店舗の開業準備に取り掛かりながら、これらの手続きを行うことは大きな負担となることは間違いありまあせん。そのため、申請、規制、法令に対する豊富な経験を持っている行政書士に依頼しておけば、とてもスムーズに進めることができ、安心して飲食店の準備に取り組むことが可能となります。うまく活用してみることをおすすめします。

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