目次
1. ダーツバーの深夜酒類営業許可について
深夜にお酒を提供するダーツバーを営業するには、『深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書(深夜酒類営業届)』を提出し許可を得なければなりません。
深夜酒類営業とは深夜0時を過ぎてお酒をメインにして提供するお店に必要な許可であり、バーや居酒屋などと同じ括りになっています。そのため、深夜酒類営業の許可を得ずに営業を行っている場合には、無許可営業として罰せられることになりますから注意が必要です。
1-1. ダーツバーは風営法5号営業ではない?
ダーツバーというと、アミューズメントカジノやゲームセンターと同じように風営法5号許可が必要であるように感じる方も多いと思います。確かに以前は風営法5号許可を得る必要がありましたが、平成30年9月21日から警視庁の通達によって正式に外されることになっています。
デジタルダーツについては、プロ選手による競技も行われているような実態もあることから、一定の条件を満たしているのであれば規制の対象としないことになったのです。平成30年9月までの風営法5号においては、「10%ルール」と呼ばれる、ダーツを設置する面積が客室面積の10%以下であれば風営法5号の許可がいらないというルールがありました。ダーツを設置する面積が10%以上の場合にはこのルールに則って風営法5号の許可が必要でしたが、一定の条件下においては許可なく認められることになったのです。
1-2. ダーツバーでの「10%ルール」の問題だったポイント
ダーツの場合、ダーツ機の周辺面積ではなく、ダーツを投げる場所からダーツ機までの射的スペースも設置面積であると考えられています。1台当たりに必要な面積が約20㎡と考えると、それを10%以下にするのであれば客室面積を約200㎡にする必要があり、2台設置するのであればその倍となります。
しかも客席面積とは、調理場やトイレなどを含んだ店舗全体の面積ではなく、あくまで客席が設置されているフロアの面積である部分にも注目が必要です。事実上かなり厳しい基準であったのが理解できるのではないでしょうか。
そのため事実上、ダーツバーを経営する場合には風営法5号許可を得る必要があるケースが多くあったのです。しかも風営法5号許可の場合では営業時間の制限があり、午前0時を過ぎて深夜に営業することができませんでした。
2. ダーツバーを営業するための条件
上記の通り、風営法5号から除外されたダーツバーの営業ですが、厳しい条件があることには変わりはありません。お酒を飲みながらダーツをしていれば、「1,000円賭けてやろう!」などといったことが起きてしまう可能性があるのではないでしょうか。
ダーツバーを営業することによって、客の射幸心をあおって、客同士が賭け事をしているようなシーンが状態化してしまうことも考えられるために、一定の条件が付されているのです。
2-1. ダーツバーを開業するために知っておきたい2つの条件
冒頭からお伝えしている通り、ダーツバーを開業するために風営法5号許可を受ける必要はなくなりました。ただし賭博の温床になるような店舗である場合には、営業許可を出すはずはなく、一定の条件を満たした場合に限り、許可するようにしているのです。この部分に関しては深夜営業とは関係なく、ダーツバーに対して問われている問題ですから、しっかりと理解しておくことが大事です。
ダーツバーを開業するために、必要な条件とは次の通りです。
①従業員が目視でき、もしくはモニターですべての状況を把握できること
②ダーツ機以外のゲーム類を設置しないこと
何度も言いますが、ダーツはスポーツとしての存在が認められていることは周知の事実ですが、夜間にお酒を飲んでいると賭け事をしてしまうリスクがあることは間違いのないものです。そのため①のような条件を付して、従業員から目の届くように配慮されていない場合においては営業許可を認めないとしているのです。ただし上記でもお伝えした「10%ルール」については撤廃されており、仮に客席の30%であろうが、50%になろうが、①の条件が認められるのであれば、問題ないのです。
逆に言えば、5%程度の面積であるとしても、個室などに設置されていてダーツ機の状況が把握できないような場合であれば許可されることはありません。従業員の目が届かなくなると、賭博の温床や青少年のたまり場になるなどのリスクがあることが、容易に理解できるのではないでしょうか。
また、ダーツ機以外のゲーム類を設置してはいけないことになっています。ゲーム類とはどのようなものかといいますと、テレビゲーム機をはじめとして、スロットマシンやピンボールマシン、バカラ台、ルーレットなどを指しています。仮に店内の一角にテレビゲームが設置されてあるとしたら、設置面積の割合にかかわらず許されないことになっています。
2-2. 接待行為は許されない
店内にダーツを設置した場合、接待行為は許されていませんので注意が必要です。仮にガールズバーはメイド喫茶など、女性のキャストがメインの店舗にダーツを設置するとなった場合には、一般的には男性客と一緒に楽しむということが想定できます。
しかしこのような接待を行う場合においては、風営法1号許可が必要になってしまい、深夜酒類営業許可だけでは無許可営業となってしまうのです。風営法1号許可とはキャバクラやキャバレー、スナックなどに必要な営業許可になります。もちろんダーツを設置する場合に接待行為が生じやすいという点については、許可を出す警察においても十分認識している内容になります。
そのためいつ何時、立ち入り検査があるか分からない状況にあることは、開業するにあたって十分認識しておく必要があります。その際に「接待ではない」「指導していただけ」という理屈は見抜かれてしまいますので、注意しておくことが大事です。
3. ダーツバーの深夜酒類提供飲食店営業について
ダーツバーにおいて、深夜0時を過ぎてお酒をメインに提供する場合には、「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を店舗がある地域の警察署に提出し、許可を受けておかねばなりません。またその前提として、飲食店営業許可を受けておく必要もあります。
「深夜における酒類提供飲食店営業」は一般的なバーや居酒屋などに必要な許可になりますが、ダーツバーにおいても深夜にお酒を提供するのであれば必ず許可が必要です。この許可を受けていない場合には風営法違反となり、1年以下の懲役や100万円以下の罰金または併科、もしくは50万円以下の罰金が科せられることになります。
4. まとめ
ダーツバーを開業したい、「深夜における酒類提供飲食店営業」の許可を受けておきたいという方であれば、飲食店営業や風営法に関する許可申請に精通した行政書士に申請を依頼することをおすすめします。
ダーツバーの開業については、賭博や青少年のたまり場など、犯罪の温床になる危険性があることから、一般の方が許可を取得するのはかなり高いハードルとなります。ダーツに設置に従業員が見渡せるようにしておくなど店舗設計に工夫が必要となります。しかも同時に飲食店営業許可、深夜における酒類提供飲食店営業の届出をしなければなりません。
整備しなければならない書類は山のようにあり、しかも警察とのやり取りも必要になりますので、開店準備と共に取り組むには大きな負担となります。そのようなことからしても、許可申請の経験が豊富な行政書士に依頼しておくとスムーズに進めることができ、安心して営業開始することができるでしょう。ダーツバーの営業準備に集中するためにも、うまく活用してみてください。
深夜における酒類提供飲食店開始届出の作成については詳しくはコチラの記事を参照してください。
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