インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)の営業開始届出について

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コラム

目次

1.インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)の営業開始届出手続きの概要

出会い系サイトである「インターネット異性紹介事業」を開業するには、警察署(少年係)を通じて公安委員会への届出が必要になります

 

インターネット異性紹介事業については、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」(通称、「出会い系サイト規制法」)において定められています。

 

児童の保護を目的としている法律となりますので、「18歳未満(児童)の利用禁止」という表示や年齢確認をしたのちにID・パスワードを発行して利用できるようにするなど、さまざまな規制があります。これらを怠って営業を行うと、行政処分の対象となってしまいます。

 

 

1-1.インターネット異性紹介事業とは

次の4つすべてに当てはまる事業をインターネット異性紹介事業といいます。

 

  1. ① 面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者)の求めに応じ、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供している

  2. ② 異性交際希望者の異性交際に関する情報を、インターネットを利用して閲覧することができる

  3. ③ 異性交際に関する情報から交際希望の異性が電子メールなどを利用して、異性交際希望者と相互に連絡することができる

  4. ④ 有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供している

 

 

1-2.インターネット異性紹介事業に関する法律の目的

インターネット異性紹介事業に関する法律は、その目的として、児童を保護することであると定められています。インターネットを利用しているために、児童が利用する可能性が考えられ、また児童を誘惑しようとする利用も考えられるでしょう。

 

そのため、インターネット異性紹介事業の定義づけと共に、事業者の責務として児童に対する誘引の禁止を明確にしています。特に、「18歳未満の児童が利用できない」といった表示をすることや、「児童でないことの確認」ができる方法について定めておくことが必要になります

 

もし、「18歳未満の児童が利用できない」という表示をしていない場合や、児童でない確認をしないまま利用させていた場合には行政処分の対象となってしまうことになります

 

1-3.インターネット異性紹介事業に該当しないもの

  • ・異性交際希望者の異性交際に関する情報を、不特定多数の利用者がインターネットを利用して閲覧することができない。

  • ・交際希望の異性が電子メールなどを利用して、異性交際希望者と相互に連絡できるシステムがない。
  •  

「不特定多数の利用者が閲覧できない」「すぐに1対1で連絡が取れない」といったシステムになっている場合には、インターネット異性紹介事業には該当しません。

 

つまり、インターネットを利用した紹介業であるとしても結婚相談サイトのように、規定に基づいて登録を行い、カウンセラーが調整してお見合いを行うような場合には、インターネット異性紹介事業には当てはまりません。

 

 

2.インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)の営業開始届出について

インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)を開始するためには、事業を開始する前日までに、事務所の所在地を管轄する警察署の少年係に、「事業開始届出書」と必要な書類を添付して、提出しなければなりません

 

事務所とは事業活動の中心となる場所のことであり、「私書箱」「バーチャルオフィス」「電話代行業者」のような場所では、事務所登録することはできません。

 

また事務所を持たない事業者の場合には、住居の所在地を管轄する警察署へ届出することになります。事務所が複数ある場合は、中枢となる1つの事務所が事業の本拠となる事務所となりますさらに、1つの事業者が複数のサイトを運営している場合には、1通の届出書でまとめて届け出ることになります。

 

 

2-1.欠格事由

欠格事由に該当する者は、インターネット異性紹介事業を行うことができません。

インターネット異性紹介事業に関する法律に定められており、ポイントとしては下記の通りとなっています。

 

  • ⑴ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
  • ⑵ 禁錮以上の刑に処せられ、または一定の罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過していない
  • ⑶ 最近5年間に事業停止命令または事業廃止命令に違反した
  • ⑷ 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年経過していない
  • ⑸  精神機能の障害によりインターネット異性紹介事業を適正に行うに当たって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができない
  • ⑹  未成年者
  • ⑺  法人で役員のうち、⑴~⑸に当てはまる者又は児童である者がいる

 

 

2-2.必要書類

 

3.年齢確認の方法

  1. ① 「運転免許証」、「保険証」、「その他年齢又は生年月日を証明できる書類」で年齢又は生年月日、書面の名称、書面の発行元に係る部分の提示、写しの送付又は画像の送信を受ける 
  2. ② 児童が通常利用できない支払方法(クレジットカードなど)を用いることの同意を得て、クレジットカードの登録までを行ってもらう
  3. ③ あらかじめ①②の方法により、児童でないことを確認した者にID/パスワードを与えて、利用する際にはID/パスワードの送信を受ける
  4. ④ 識別符号付与業務受託業者に委託している場合には、利用者が送信したID・パスワードを、委託業者に照会して確認する
  5. ⑤ 利用者が、出会った相手の連絡先や出会う日時場所などを閲覧、書き込み、送受信しない場合には、自己申告等による年齢確認を行う

 

インターネット異性紹介事業は、「18歳未満の児童」は利用することができません。

 

事業を行う場合には、上記のいずれかの方法によって、18歳未満の児童でないことを確認しなければなりません。この確認を怠った場合には、行政処分の対象となってしまいます。

 

 

4.事業者の義務

インターネット異性紹介事業の事業者には以下のような義務が課せられます。

  • ・インターネット異性紹介事業の届出
  • ・広告又は宣伝をする際の児童が利用してはいけない旨の表示
  • ・利用者が児童でないことの確認
  • ・禁止誘因行為に係る書き込みの削除

 

以上の義務を怠ると、行政処分の対象となってしまうので気をつけましょう。

 

5.まとめ

インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)の開業を検討しているという方であれば、風営法など関連するあらゆる許可申請に精通した行政書士に申請を依頼することをおすすめします

 

インターネット異性紹介事業は、児童を保護するためにどんどん厳しくなっている傾向になります。最悪の場合には、営業開始の前日までに営業許可が下りないないことも考えられます

 

また、多くの書類整備が必要であり、かなりの労力を伴う作業となりますので、開業準備と共にこれらの書類を整備するのは、大きな負担となることは間違いないでしょう。

 

許可申請、規制、法令に対する豊富な経験を持っている行政書士に依頼しておけば、とてもスムーズに進めることができ、安心して営業を始めることが可能となります。うまく活用してみることをおすすめします。

 

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