道路使用許可について~風俗営業のビラ配りは?テラス席の設置は?~

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コラム

 

目次

 

1.道路使用許可の概要

1-1.道路使用許可とは

道路は交通を目的とするものですから、それ以外の目的で使用したい場合には、基本的に許可を取得しなければなりません。

 

道路交通法77条では、次の4つの行為を行う際に道路使用許可が必要になると規定されています。

  1. 1号:道路で工事もしくは作業、又は当該工事もしくは作業の請負行為
  2. 2号:道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設ける行為
  3. 3号:場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出す行為
  4. 4号:1~3号以外で、道路で祭礼行事やロケーションをする等、交通に影響を及ぼすような通行の形態・方法により道路を使用する行為や、道路に人が集まり交通に影響を及ぼすような行為

また、上記のうち1~3号を行う場合には道路使用許可とは別に、道路占有許可も必要になります。

 

例えば、年度末には道路工事が多くなりますが許可を得なければできませんし、交通量調査や屋台を設置するような場合やビラ配りをする場合にも事前に許可が必要となります。

 

そのため、「店の前だからビラを配ることくらいいいだろう」と考えて無許可で道路を使用した場合には、道路交通法違反となってしまいます。

 

1-2.ビラ配りやテラス席などの道路使用許可について

ビラ配りやテラス席など、道路を使用しての販売促進や営業は、飲食店や風俗営業だけでなく、さまざまな業種において考えていることではないでしょうか。

特に、新規オープンした際や、思うように集客できない時、新たなターゲットを獲得したいなどのときに考えることが多いかもしれません。

 

公道においてビラ配りすることやテラス席・テイクアウトなどの営業を行う場合には、道路使用許可や道路占有許可を受けていなければなりません。この場合の使用許可は4号にあたります。

 

「ビラ配り程度ならバレないだろう」と考える方もおられるかもしれませんが、公道で勝手にビラ配りしていい場所は存在しません。

 

無許可で公道を使用してビラ配りやテラス席を設置したような場合には、道路交通法違反で警察から指導されますし、場合によっては3か月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金ということにもなりますから注意が必要です。

 

2.風俗営業、ガールズバー・メイドバーなど深夜酒類提供飲食店のビラ配りについて

キャバクラ、スナックなどの風俗営業店やガールズバー、メイドバーといった深夜酒類提供飲食店についてはどうかというと、道路使用許可を取得すれば、ビラ配りやティッシュ配りをすることは可能です。

 

ただし、風俗営業や深夜営業のお店のビラ配りは客引きとの線引きが重要です。

 

客引きは風営法や各自治体の条例で禁止されています。

 

ただただ、ビラを配るのはOKですが、ビラ配りがお店への誘引になってしまうと客引きとみなされてしまうので気をつけましょう。

 

ビラの内容については、道路交通法では規制されていません。あくまで、交通環境に関しての法律だからです。

 

一方、風営法16条では、「営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない」と定められています。

 

法律上の文言は抽象的ですが、具体的には、裸体の絵や写真、卑猥な内容の広告・宣伝をしてはいけないということです。

 

また、キャバクラやスナック、コンセプトカフェ、ホストクラブ、ゲームセンターなどの風俗営業1~5号にあたる営業はビラ配りをしても大丈夫ですが、デリヘルなどの性風俗店にあたる営業は基本的にNGとなっています。

 

性風俗店は広告・宣伝を行っていい地域が限定されているため、できる地域がとても限られています。

 

 

3.ビラ配りのための道路使用許可申請について

ビラ配りの申請をしてから許可が出るまでの期間は、中2~3日営業日です。

 

ただし、警察署によっても期間が異なるので、余裕をもって1週間前くらいに申請を行い、許可を受けておくことをお勧めします。

 

また、ビラ配りの許可期間は15日間です。15日以上継続してビラ配りを行いたい場合には、許可が切れる前に新たに申請しておく必要があります。

 

 

3-1. 申請の窓口

申請は、ビラ配りを行う場所を管轄している警察署に申請書等を提出して行います。

 

申請書は、警察署のサイトからダウンロード可能で、申請書の他にはその際に使用する道路の場所が分かる図面などを添付書類として用意しておかなければなりません。

 

交通が激しい場所などにおいては、ビラ配りが禁止されている場所もありますので、早めに警察署に相談しておくとスムーズに許可を得ることができます。

 

 

3-2.申請の流れ

初めて申請を行う場合には、警察署との事前協議をしたあとに申請を行います。

 

申請を提出してから3日~1週間程度で許可が下りることになりますから、それまでに申請を行うようにしておきます。事前協議が必要な場合には、2週間程前から警察署に相談しておくといいでしょう。

 

 

3-3.道路使用許可の条件

道路使用許可は、条件付きで許可を出されることがあります。

 

道路を使用するわけですから、交通の安全や円滑を図る必要があるためです。

 

そのため許可条件として、ビラ配りをする時間や車両通行幅員の確保などが許可書と共に添付して渡されることになります

 

例えば、「交差点から5メートル内」「深夜・早朝」「地下鉄の出入口付近」「人通りの激しい場所」などといったものが記載されていることが多いです。

 

 

3-4.罰則

無許可で道路を使用した場合「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」の刑事処分を受けることになります。

 

また、道路使用許可の条件を守らずにビラ配りをしている場合には、許可を取り消されるだけではなく、行政処分が下されることもあるので注意が必要です。

 

 

4.テラス席、テイクアウトなどの道路占有許可は緩和措置が再延長中

オープンカフェのようにテラス席として道路を使用する場合やテイクアウトのために店舗の外で営業する場合においても、道路使用許可が必要となります。

 

これに関して、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店等を支援するための緊急措置としてテイクアウトやテラス営業などのための道路占有許可基準の緩和措置を行っています。

 

国土交通省からは、占用料の免除や占用期間の再延長が公表されています。その内容について紹介していきます。

 

 

4-1.テラス席、テイクアウトなどの道路占有の取扱いの概要

みなさんもご存知の通り、2020年から蔓延の始まった新型コロナウイルスは、3密を避けることが感染を防ぐために大切なことであると言われています。自粛期間が解除された後であっても、さまざまな工夫によって3密を防ぎ、感染の防止に努めてきた飲食店も多いのではないでしょうか。

 

しかし、アルコール消毒やマスクの着用など飛まつ感染を防ぐための取り組みをしていても、店内で飲食する場合にはどうしても3密になってしまうことを気にするお客様も少なくありません。

 

そこで、国土交通省は、飲食店を支援するために、2020年11月30日まで、テイクアウトやテラス席の設置のための道路占有許可基準の緩和措置を行いました。

 

そのため、もともと店内で提供していた食事をテイクアウトできるようにしたり、テラス席を設置して密を避けるような工夫が増えたのです。

 

しかし、まだまだ現時点では新型コロナウイルスが終息したとは言えないため、一度2021年3月31日まで延長されていましたが、今年の3月からさらに、2022年9月30日まで再延長されることになりました。

 

 

4-2.道路占用許可基準の緩和措置のポイント

 

  1. ①新型コロナウイルス感染症対策のための暫定的な営業であること
  2. 「3密」の回避「新しい生活様式」の定着に対応すること
  3. ③テイクアウト、テラス営業等のための仮設施設の設置であること
  4. 施設付近の清掃等に協力すること

 

国土交通省は、テイクアウトやテラス営業などによる道路占有許可基準の緩和措置として、上記4つのポイントを掲げています。

あくまで新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐための暫定営業であり、3密を回避することなどに対応するために、仮設でテイクアウトやテラス営業の設備を設置することが条件となっています。

 

仮設施設を設置できる場所は、道路や交通に著しい支障を及ぼさない場所である必要があります。

 

歩道上においては、交通量が多い場所は3.5m以上、その他の場所は2m以上の歩行空間の確保が必要となっています。

 

また、沿道店舗前の道路にも設置可能です。

 

さらに、それらの占有している道路付近の清掃に協力する場合には、占用料が免除されます。

 

ただし、この緩和措置は、地方公共団体又は関係団体による一括占用に適用されるため、個別店舗ごとの申請ができません。

 

店舗のある地方公共団体等に相談するようにしましょう。

 

 

5.まとめ

ビラ配りがしたい、テラス営業やテイクアウト営業を始めたいという方であれば飲食店営業や風営法に強い行政書士に申請を依頼することをおすすめします

 

「道路使用許可」「道路占有許可」の取得は、初めての場合には事前協議が必要となり、申請書のほかにも道路の図面など、用意しなければならない書類があります。店舗の営業を続けながら書類を整備し、警察署との事前協議も行わなければならないというのは、大きな負担となることは間違いありません。

 

これらの許可申請や規制、法令に対する豊富な経験を持っている行政書士に依頼しておけば、とてもスムーズに進めることができ、安心して始めることが可能となります。うまく活用してみてみることをおすすめします。

 

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