目次
1.タバコの出張販売許可申請とは
「タバコの出張販売」とは、タバコの小売販売業者が、許可されている店舗以外の場所で対面販売ができる形態のことを指しています。タバコの販売は本来、「特定小売販売業」「一般小売販売業」といったタバコの販売業許可を取得しておく必要があります。
ただこのタバコの小売販売許可は、店舗の近くにタバコ店があるような場合には許可がおりないことがあります。そのため新たに飲食店や旅館、劇場などを開店するにあたって、施設を利用する人を対象にタバコの販売がしたい場合でも、許可を取得することが難しいケースがあります。
しかしタバコの小売販売の許可を取得している店舗が業務委託すれば、タバコの出張販売の許可を取得することによってタバコの対面販売ができるようになります。「タバコの販売許可」のハードルが高い場合でも、「タバコの出張販売」であれば用意に認められる可能性があります。しかもタバコの販売許可と同様の効果を得られますので、メリットはとても大きなものとなります。
しかも受動喫煙防止法(健康増進法)や東京都受動喫煙防止条例に定められている、店内の一部や全部で喫煙ができる「喫煙目的室」「喫煙目的店」とすることができるのです。タバコの出張販売許可申請は、その店舗ごとに日本たばこ産業株式会社(JT)の受付窓口へ提出することになりますが、すべて許可されるわけではありません。
JTと財務省の審査を受けて許可を得なければなりません。受動喫煙防止法(健康増進法)や東京都受動喫煙防止条例での対策をお考えであれば、喫煙関係の手続きに精通した実務経験豊富な行政書士にご相談することをお勧めします。
2.バーやスナックなどでの喫煙が可能になる条件とは
2020年4月から改正された健康増進法が全面施行され、原則的に飲食店での喫煙は禁止されました。また東京都では「東京都受動喫煙防止条例」が制定され、健康増進法よりも厳しい内容となっています。ほとんどの飲食店において、喫煙しながら飲食することができなくなりました。
しかしこれら法令や条例が施工されていても、バーやスナックなどであれば店内で喫煙を可能にしたい、喫煙できないと困るということは少なくないでしょう。厳しい規制ではありますが、例外的に飲食しながらの喫煙が可能となるケースがあります。順番にご説明していきましょう。
2-1.バーやスナックなどでの喫煙が可能となる3つの要件
①店舗が喫煙を主たる目的としておりタバコの対面販売をしている
②設備基準が法令や条例を満たしている
③主食と認められる食事をメインとして提供していない
飲食店での店舗で喫煙が認められるようにするには、上記に掲げた3つの要件を満たして「喫煙目的施設」としてみなされる必要があります。
2-1-1. ①店舗が喫煙を主たる目的としておりタバコの対面販売をしている
店舗が喫煙することを主たる目的としていることが必要で、具体的には「タバコの対面販売」の許可を受けていることが必要になります。タバコを店舗内で対面販売する方法は2種類あります。
・タバコの小売販売業の許可を得ている
・タバコの出張販売の許可を得ている
タバコを店舗内で対面販売するためには、たばこ事業法による財務省の許可が必要です。ただし冒頭にもお伝えしている通り、距離制限などがあるためにタバコの小売販売業の許可を得ることはとても難しいケースも存在します。
そこで「タバコの出張販売」の許可を受ける店舗が多くなりました。すでにタバコの小売業者として許可を受けている店舗が、バーやスナックのオーナーに業務委託するという形で対面販売できるようになります。
2-1-2.②設備基準が法令や条例を満たしている
店舗内での喫煙が認められるには設備基準を満たしておく必要があります。店内で喫煙が可能となる要件としては、「喫煙専用室」「指定たばこ専用喫煙室」「喫煙目的室」「喫煙可能室」である必要がありますが、スナックやバーであれば「喫煙目的室」としてみなされなければなりません。「喫煙目的室」の設備基準としては、次の技術的な要件があります。
・喫煙ができる部屋の出入口において、室外から室内へ空気が毎秒0.2m以上の風速で流入するようにすること
・タバコの煙が室内から室外に流出しないよう、壁や天井などによって区画すること
・タバコの煙を屋外や外部の場所に排気すること
これらを満たすことによってシガーバーやスナックなどの店舗の一部もしくはすべてを喫煙スペースとすることができます。換気扇やエアーカーテンなどの設置によって基準をクリアできるケースもあります。
また既存の店舗で事情によって屋外への排気が難しい場合には、経過措置として「喫煙室用脱臭装置」を設置して屋内排気をすることも認められています。
2-1-3.③主食と認められる食事をメインとして提供していない
「主食と認められる食事をメインとして提供していない」とは、ラーメンやピザ、定食などといった食事をメインとして提供していないことを指しています。つまりラーメン屋や定食などを提供している飲食店では、喫煙目的室の設置はできません。バーやスナックのように、お酒と共に簡単なおつまみを提供する分には問題ありません。
3.タバコの出張販売許可申請について
タバコの出張販売許可申請の流れと、喫煙目的室の設置における注意点についてお伝えします。タバコの出張販売許可申請は現在かなり殺到していますので、許可通知書が発行されるまでに数か月程度必要になることもあります。早めに対応しておくことが大事です。
3-1.タバコの出張販売許可申請の流れ
①申請書類の作成・提出
②日本たばこ産業株式会社(JT)の検査官による現地調査
③審査
④許可~登録免除税の納付
タバコの出張販売許可申請の流れは上記の通りとなっています。タバコの出張販売許可のための申請書類は、店舗所在地を担当している日本たばこ産業株式会社(JT)の支社に提出しなければなりません。
郵送もしくは持参することによって受付してもらえます。申請書類に不備などがなければ、出張販売を行う店舗の現地調査が行われます。日本たばこ産業株式会社(JT)の検査官が、販売場所や設備、外観など審査に必要な調査を行うことになっています。調査自体は10分程度で終了するものです。
その後、申請書類や現地調査の資料に基づいて、財務省にて審査が行われます。特に問題がなければ許可となり、許可書が郵送で届くことになります。許可書に同封されている納税用紙にて、登録免許税(3千円)を納付しなければなりません。領収書の原本を日本たばこ産業株式会社(JT)に送付し、すべての手続きが完了となります。
3-2.喫煙目的室の設置において注意すべきポイント
・「タバコの出張販売許可書」などの保管
・「喫煙目的室の設置」を記載した標識の掲示
・「喫煙できる場所」の標識の掲示
・「20歳未満の立ち入り不可」の標識の掲示
「喫煙目的室」には、タバコの出張販売許可書などが必要となります。必要な許可証や証明書などはなくさないように保管しておくことが大事です。店舗の入り口には、店舗において喫煙目的室が設置されている標識を掲示しておく必要があります。
また喫煙目的室の出入り口にわかりやすく喫煙室である標識を、さらに20歳未満の者が立ち入らないように禁止する標識も掲示しておかねばなりません。これらに違反している場合には、最大で50万円の過料を受ける可能性がありますので、十分注意しておく必要があります
場合によっては立ち入り検査などが行われることになり、指導や助言、勧告、公表、命令などが行われることになります。必ず守るようにしておきましょう。
4.喫煙関係のことなら行政書士にご相談を
この記事ではタバコの出張販売許可申請について徹底解説しました。バーやスナックなど法令や条例の対象となる店舗であれば、受動喫煙対策として原則禁煙となります。違反している場合には、最大で50万円の過料となることがあります。ぜひお気軽に行政書士にご相談ください。
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