風営法違反の罰則 ~風営法違反に問われないためのポイントを徹底解説~

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コラム

目次

1.風営法違反に問われないために

風営法違反の罰則は、内容によっては懲役や罰金などといった刑罰が科される「刑事処分」を受けることや、許可の取り消しや営業停止などといった処分が科される「行政処分」を受けることがあります。

 

つまり警察に捕まってしまって刑務所や拘置所などに拘置されることや、許可が取り消されて営業ができなくなってしまう可能性があるのです。もちろん知らなかったでは済みませんし、営業にあたっての義務をきちんと理解できていなかったという場合でも罪に問われることになります。

 

実はこの風営法違反に問われてしまうことは珍しいことではありません。営業開始してから少しずつ気が緩んでしまい、「バレなきゃ大丈夫だろう」と違反を犯したまま営業し続けてしまうのです。

 

しかし警察はある日突然やってきます取り返しのつかないことが起きる前に、どのようなことが違反となるか、違反を犯せばどのような罰則を受けることになるのか理解しておくようにしましょう。ここでは風営法違反に問われないためのポイントを徹底解説していきます。

 

2.風営法違反の2つの罰則『刑事処分』と『行政処分』

冒頭にもお伝えした通り、風営法違反の内容によって懲役や罰金などといった「刑事処分」、許可の取り消しや営業停止などといった「行政処分」を受けることになります。「刑事処分」とは、刑事事件として逮捕・起訴されたのちに刑事裁判において有罪が確定した際に科される懲役や禁固、過料といった処分のことを指しています。

 

「行政処分」とは警察の取り締まりによって違反を精査し、その内容に基づいて公安委員会が処分内容を決定する許可の取り消しや営業停止、指示処分といった処分のことを指しています。いずれも警察による違反に対する取り締まりから始まるもので、その違反内容によってその場で逮捕されることもありますし、逮捕されることなく手続きが進むということもあります。

 

3.風営法違反の『刑事処分』

「刑事処分」においては、風営法違反の内容によって懲役や禁固、罰金が科せられます。しかも刑事処分と後ほど説明する行政処分はそれぞれ別に受けることになりますから注意が必要です。刑事処分の中で最も多い罰則は「罰金」となっています。ただし罰金と共に懲役が科される「併科」の罰則もあります。

 

3-1.『2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金またはこれの併科』の違反行為

・無許可での営業
・不正な手段で許可を取得(許可の相続、法人の合併・分割承継の場合を含む)
・名義貸し
・営業停止の命令に違反した営業
・禁止されている場所での営業…など

 

刑事処分の中で最も重い罰則となっています。罰金と共に懲役を科される可能性のある違反行為です。

 

例えばバーや居酒屋など酒類提供飲食店において深夜に接客行為を行っていた場合、無許可で風俗営業を行っていると判断されてしまいます。警察の立ち入りの際にたまたま、ということであっても見逃してくれることはありませんので注意が必要です。

 

3-2.『1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはこれの併科』の違反行為

構造または設備を承認を受けずに変更した
・不正な手段で構造または設備変更の承認を受けた
・不正な手段で特例風俗営業者の認定を受けた
・18歳未満の者に客の接待をさせた
・午後10時から午前6時までの間に、18歳未満の者を客に接する業務をさせた
・18歳未満の者を客として立ち入らせた
・20歳未満の者に酒類、たばこを提供した…など

 

ここで注意しなければならないのは、20歳未満の者へ対応です。例えば19歳であれば風俗営業の店舗内に入ることはできますが、当然ながらお酒を飲んだり、たばこを吸ったりすることはできません。

 

お酒やたばこを提供するというのは販売だけを指しているのではなく、グラスを提供したり、灰皿の使用を認めるような行為も提供に当たりますので注意が必要です。20歳未満だと知らなかった、では済みませんから、年齢確認をしっかりと行うようにしておかねばなりません。

 

3-3.『6か月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはこれの併科』の違反行為

・客引き行為をした
・客引きのために立ちふさがったり、つきまとう行為をした
・マージャンやゲームセンターなどで現金を賞品として提供した
・店舗型・無店舗型などの性風俗特殊営業を無届で営んだ
・性風俗特殊営業において虚偽記載のある書類を提出した…など

 

客引きによる違反が多くなっています風営法だけではなく、迷惑防止条例によって客引きが禁止されている地域もあります。条例によっては客引きに限らない内容にも規制をかけていることがありますので注意しておくことが必要です。

 

3-4.『100万円以下の罰金』の違反行為

・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で違反する広告宣伝をした
・従業者名簿を備え付けない、必要な記載をしない、虚偽の記載をした
・接客従業者等の生年月日や国籍などの確認・記録・保存をしなかった
・警察の立ち入りの際に必要な報告や資料の提出に応じなかったり、虚偽の報告をした
・警察職員の立入りを拒んだ…など

 

風営法の違反で多いものの中に『従業者名簿を備付けない、必要な記載をしない、虚偽の記載をした』というものがあります風俗営業で働くスタッフの中には、身分を隠そうとすることが少なくありません。

 

しかしスタッフを雇用する際には、生年月日を証明することができる公的書類や顔写真付の身分証などで身分を確認するようにしておくことが必要です。

 

3-5.『50万円以下の罰金』の違反行為

・許可申請書や添付書類に虚偽の記載があった
・特例風俗営業者が必要な届出をしなかった
・パチンコやゲームセンターなどで、玉やメダルなどを営業所外に持ち出させた
・管理者を選任していなかった
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で変更が生じたのに届出をしなかった
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で虚偽の届出をした
・深夜における酒類提供飲食店を無届で営業した、虚偽の届出をした…など

 

『深夜における酒類提供飲食店を無届で営業した』という違反が多く見られます。深夜における酒類提供飲食店とは、深夜0時を過ぎてお酒をメインに提供して営業する飲食店のことです。深夜0時までに閉店すれば問題ありませんが、きっちり深夜0時に閉められないようであれば、「深夜酒類営業の届出」を出しておくようにしましょう。

 

3-6.『30万円以下の罰金』の違反行為

・許可証を営業所内の見やすい場所に掲示していない
・相続、法人の合併・分割承継を受けたが、許可証の書換えをしていない
・変更事項に関する届出をしなかった
・営業していない状況なのに風俗営業などの許可証や認定証を返納しなかった
・営業の停止標章を破壊したり汚損した…など

 

許可証の掲示をうっかり忘れていたということが少なくありません。許可を得て営業開始直後から許可証をしまい込んで忘れているためです。警察の立ち入りの際には、まず確認されるポイントになりますから、忘れずに掲示しておくようにしましょう。

4.風営法違反の『行政処分』

つぎに行政処分についてご説明します。風営法違反の内容によって『許可の取り消し』『営業停止』『指示処分』が科せられます

 

多くの場合では『指示処分』が行われ、その処分内容に従わない場合には『許可の取り消し』『営業停止』が科せられることになります。

 

ただし違反内容によっては、いきなり『許可の取り消し』となるようなこともありますので注意が必要です。ここではそれぞれの処分内容のポイントについてご紹介していきましょう。

4-1.『許可の取り消し』の違反行為

・構造または設備を承認を受けずに変更した
・不正な手段で構造または設備変更の承認を受けた
・名義貸し
・18歳未満の者に客の接待をさせた
・午後10時から午前6時までの間に、18歳未満の者を客に接する業務をさせた
・営業停止の命令に違反した営業
・禁止されている場所での営業
・その他の法令の規定に違反する行為…など

 

キャバクラやスナック、ホストクラブなどにおいて、18歳未満のスタッフに客の接待をさせることはできませんまた接客行為ではなくとも、午後10時から午前6時までの間に18歳未満のスタッフを客に接する業務させることもできませんので注意が必要です。

 

また風営法だけではなく、その他の法令や条例に違反した場合においては、許可取り消し処分となってしまいます。

4-2.『営業停止』の違反行為

・不正な手段で許可を取得
・客引き行為をした
・客引きのために立ちふさがったり、つきまとう行為をした
・18歳未満の者を客として立ち入らせた
・20歳未満の者に酒類、たばこを提供した
・マージャンやゲームセンターなどで現金を賞品として提供したり、それを買い取るなどした
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で違反する広告宣伝をした…など

 

上記においては『40日以上6か月以下の営業停止命令(基準期間は3か月)』となります。特にここで多いのは客引きによるもので、私服警官などの巡回も多くなっていますので注意が必要です。営業停止期間が長いので、処分が下ってしまうと営業継続に関わる問題となってしまいます。

 

また『20日以上6カ月以下の営業停止命令(基準期間は40日)』が科される内容としては次のものがあります。

 

・営業時間の制限を守らずに営業した
・パチンコやゲームセンターなどで、玉やメダルなどを営業所外に持ち出させた
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で違反する広告宣伝をした
・許可申請書や添付書類に虚偽の記載があった…など

 

ナイトクラブやライブハウス、スポーツバーなどであれば、深夜(午前0時から午前6時までの間)に営業することはできません。一部地域によっては、午前1時まで認められている地域もありますが、制限時間には十分注意しておかねばなりません。

 

その他にも、次の違反による処分が多くみられています。

 

・警察職員の立ち入りを拒んだ※10日以上80日以下の営業停止命令(基準期間20日)
・管理者を選任していなかった※5日以上40日以下の営業停止命令(基準期間は14日)
・変更事項に関する届出をしなかった※5日以上20日以下の営業停止命令(基準期間は7日)…など

 

4-3.『指示処分』の違反行為

・許可証を営業所内の見やすい場所に掲示していない
・相続、法人の合併・分割承継を受けたが、許可証の書換えをしていない
・変更事項に関する届出をしなかった
・営業していない状況なのに風俗営業などの許可証や認定証を返納しなかった
・料金表などを壁やドアなど見やすい場所に掲示していなかった
・従業者名簿を備え付けない、必要な記載をしない、虚偽の記載をした
18歳未満の者を客として立ち入ることを禁止した表示をしていなかった…など

 

許可証の掲示を忘れていたり、従業者名簿を備付けないといった店舗を見かけることがあります。『指示処分』とは改善するように注意されるだけではありますが、改善が見られない場合には営業停止処分が下されることもありますので注意が必要です。

 

5.まとめ

「これくらい大丈夫だろう」「今まで大丈夫だったから…」そのように安易に考えて、刑事処分や行政処分を受けてしまうことが少なくありません。処分を受けることは、店舗にとって大きなリスクとなってしまいます。もし気になる状況があるのであれば、風営法に精通した行政書士に相談することが適切です。

 

警察の立ち入りはある日突然やってきます。いつやってくるか分かりませんので、常日頃からきちんと法令に則った営業をしておく必要があります。風営法に精通した行政書士はそれほど多くありませんから、実務経験豊富な行政書士に任せてみませんか?安心して営業を続けていくために、集中して営業に取り組めるようにしましょう。

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