飲食店で中古品(古物:アンティーク・ゴルフ用品・ダーツ)を売りたいのですがそれって可能?
飲食店で骨董品などのアンティークを売ったり、シミュレーションゴルフバーで中古のゴルフ用品を売ったりすることができれば、さらに売上を伸ばせるのではないか。
そう考える経営者の方もいるのではないでしょうか。
まず、そのような第三者から仕入れたアンティークやゴルフ用品などの古物を売るためには古物商許可が必要になります。
今回は、そんな古物を売るために必要な古物商許可について解説していきます。
目次
1.古物営業とは
古物営業とは、簡単に言えば、利益を得るために古物を仕入れる取引のことです。
ここでいう古物とは、
- ・ 一度使用されたもの(中古品)
- ・ 使用されていない物品で、使用するために取引されたもの
- ・ これらの物品に幾分の手入れをしたもの
の3つです。
たとえ新品のものであっても、第三者が使用するために買ったものを買い取った場合、それは古物にあたります。
古物営業は正確には、1~3号の3つの営業形態に分かれていますが、飲食店などで中古品を売る場合は1号営業に該当します。
そのため、この先では1号営業について解説していきたいと思います。
1号営業の代表的なものはリサイクルショップです。
1号営業は、「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」と規定されています。
ただし、この中でも次の2つに当てはまる場合は古物営業に当たりません。
- ① 古物の買取を行わず、売却だけを行う営業
- ② 自己が売却した物品をその売却相手から買い戻すことのみを行う営業
①は、古物を引き取る側がお金を払っていないことがポイントです。
お金を支払って引き取るのならば古物営業に当たるという訳です。。
②については、いわゆる買戻しですが、買い戻す際に第三者が間に入って買い戻す場合には古物営業になります。
2.古物営業の許可をとるにはどうしたらいい?
2-1.許可取得までの流れ
古物商許可をとるためには、必要書類を揃えて、営業所を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)に申請する必要があります。
許可が下りるまでの大まかな流れは次のとおりです。
① 古物商の許可が必要かどうかを確認する
中古品を扱うにしても、その営業形態によっては許可が必要ないこともあります。
許可を申請する前にしっかりと確認をしましょう。
② 営業所を決める
申請する営業所はどこでもいいというわけではありません。
賃貸物件であれば、その物件の貸主さんから「古物商の営業所として使ってもいいよ」という承諾をもらいましょう。
先に承諾をもらっておかないとトラブルの元にもなるためしっかりと確認しましょう。
③ 管理者を決める
この管理者とは、古物営業の責任者で、古物台帳を管理する人です。
営業所を複数置く場合には、それぞれの営業所の管理者を1人置かなければなりません。
④ 必要書類をそろえる
必要書類についてはこの記事の『3』で紹介しているので参考にして資料収集してください。
⑤ 警察署に申請する
書類がそろったら管轄の警察署に事前連絡をして申請日時を予約します。
警察署にて書類が受理されると、申請手数料19,000円を支払います。
⑥ 許可の通知
申請書類を提出してから許可が下りるまで、申請書類などに不備がなければ、約1か月半で許可が下ります。
標準処理期間と言って、申請書類等に不備がなければ土日祝日を除いた40日以内に許可を下ろさなければいけないと法律で決められています。
2-2.欠格事由
許可申請者には欠格事由が定められています。
次のいずれかに該当する場合、申請者になることができません。
- ① 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない(免責を受けていない)人
- ② 禁固以上の実刑で処罰され、5年以上経過していない人
- ③ 特定の犯罪(窃盗、背任、遺失物・占有離脱物横領、盗品等有償譲受け等)により罰金刑に処せられ、5年以上経過していない人
- ④ 執行猶予中の人
- ⑤ 住所不定者
- ⑥ 古物営業法違反(無許可、許可の不正取得、名義貸し、営業停止命令違反)で罰金刑を受けてから5年以上経過していない人
- ⑦ 古物営業の許可を取り消されてから5年以上経過していない人
- ⑧ 営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者(18歳未満)
- ⑨ 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある人
- ⑩ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過していない人
※法人の場合、役員のうち1人でも該当してしまうと許可は取得できません。
3.申請に必要な書類について
古物営業許可を申請するために必要な書類は申請者が個人か法人かによって異なります。
個人、法人でそれぞれ許可に必要な書類をご紹介します。
<個人>
- ① 許可申請書(その1~その4)
- ② 略歴書
- ③ 住民票(本籍地入り)
- ④ 身分証明書
- ⑤ 誓約書
- ⑥ URLの使用権原があることを疎明する資料(インターネットを用いる場合)
※②~⑤は、申請者と営業所の管理者の分も必要です。
<法人>
- ① 許可申請書(その1~その4)
- ② 定款
- ③ 登記事項証明書
- ④ 略歴書
- ⑤ 住民票(本籍地入り)
- ⑥ 身分証明書
- ⑦ 誓約書
- ⑧ URLの使用権原があることを疎明する資料(インターネットを用いる場合)
※④~⑦は、役員全員と営業所の管理者のものが必要です。
また、上記書類以外にも警察署によっては必要となるものもあるので管轄の警察署に確認することをお勧めします。
例)賃貸の場合、古物商事務所として使用することの建物所有者からの使用承諾書など
4.古物営業の三大義務
① 古物を買い受けるときに相手の年齢確認をしなければいけない!
この本人確認では、
- ・氏名
- ・住所
- ・職業
- ・年齢
以上の4点を確認することが求められます。
たとえ、古物商同士の取引であってもこの確認義務は免除になりません。
また、インターネットを利用した取引であっても相手方の確認が必要です。
② 取引の記録をつけなければいけない!
主に、古物を仕入れるときに以下の内容について帳簿に記録しなければいけません。
また、場合によっては販売する際にも記録が必要になります。
帳簿に記録する内容
・仕入れた中古品の価格、個数、特徴
・仕入れた相手の氏名、住所、職業、年齢
・本人確認に用いた方法
③ 盗品を見つけたら警察へ報告しなければいけない!
古物商を営んでいると、盗品を仕入れてしまう可能性もあります。
その場合には、すぐに警察に報告しなければいけません。
また、取引相手に怪しい点があった時にもすぐに報告する義務があります。
これらの三大義務に違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金もしくはその両方や、10万円以下の罰金などの罰則が科せられます。
5.まとめ
古物営業の許可は、まず許可が必要な営業かどうかや、許可が取得できるのかという確認、その営業形態に合わせた書類の収集など、取得するまでに手間や時間がかかります。
弊社はナイトビジネス専門の行政書士事務所として首都圏を中心の警察署へ年間100件以上の申請に携わっており、飲食店営業と古物商を併用して営む申請にも実績があります。
また、お急ぎ申請やイレギュラーな案件でも複数の行政書士が当業務にあたっていますので対応可能です。
飲食店に限らず、単に古物営業を行おうとしている方も大歓迎です。
古物商の許可取得について不安がある方はぜひお気軽にご相談ください。ご相談は無料にて対応しております。
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首都圏から遠隔地の場合は、電話やZOOMを用いての書類作成代行サービス(申請はご自身で行う)も対応しています。その場合、リーズナブルな価格で料金設定していますので、是非、そちらもご検討ください。