目次
- 1.はじめに|店舗でYouTubeやゲーム機を使うときに注意すべきこと
- 2.商用利用と著作権法の基本知識
- 2-1.商用利用とは?
- 2-2.著作権法違反になりやすいパターン
- 3.店舗でYouTube動画を流す場合の注意点
- 4.ゲーム機設置と風営法のポイント
- 4-1.著作権法の「上映権」侵害
- 4-2.風営法による規制
- 5.店舗で音楽を使う場合の著作権・JASRAC対応
- 6.まとめ|店舗でYouTubeやゲーム機を使うときの要チェックポイント

1.はじめに|店舗でYouTubeやゲーム機を使うときに注意すべきこと
カフェやバー、アミューズメント施設など店舗経営を行う方から、「YouTube動画を店内BGM代わりに流してもいいですか?」「ファミコン、Nintendo Switchを店に置いてお客さんに自由に使ってもらっても問題ありませんか?」といった相談を受けることがあります。
これらは集客やサービス向上のために有効な手段に思えますが、実は著作権法や風営法など、見落としがちな法律上のリスクを抱えています。知らずに違反してしまうと、営業停止や罰金、損害賠償など、重大なトラブルにつながる可能性があります。
この記事では、店舗でYouTubeやゲーム機を利用する際の法的リスク、著作権法や風営法の基本、問題となりやすいケースとその対策まで、店舗オーナーが知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。
店舗でYouTubeやゲーム機を利用する際の法的リスクとは
店舗での動画や音楽、ゲーム機の提供は「商用利用」にあたり、個人利用より厳しい法的な規制がかかります。
大きく分けると、次の2つの法律リスクがあります。
【著作権法違反のリスク】
動画・音楽・ゲームソフトなどの著作物を無断で商用利用すると、著作権侵害にあたります。損害賠償請求や刑事罰が科されることもあります。
【風営法違反のリスク】
店舗で特定のゲーム機などを設置し、お客様に遊ばせる場合、風営法(第5号営業)の許可が必要なことがあり、無許可営業は罰則の対象となります。
2.商用利用と著作権法の基本知識

2-1.商用利用とは?
「商用利用」とは、営利目的で著作物・サービスを利用することを意味します。店舗でBGMや映像を流す、ゲーム機を設置してサービスの一部とする、といった行為は、直接的な利用料金を取っていなくても「集客」や「付加価値提供」を目的としているため、商用利用に該当します。
2-2.著作権法違反になりやすいパターン
著作権法では、著作物を不特定多数の人に提供・上映・演奏する場合、原則として著作権者の許諾が必要です。店舗運営においてよくある違反例は以下の通りです。
【違反例】
- ・YouTubeなどの動画配信サービスをBGM・映像として店舗利用する
- ・家庭用ゲーム機を設置し、不特定多数の客に遊ばせる
- ・JASRAC管理楽曲を無断で流す(CDや配信サービス利用を含む)
これらはすべて「著作物の公衆への提供・上映・演奏」に該当し、著作権者の許諾なく実施すると違法となる恐れがあります。
3.店舗でYouTube動画を流す場合の注意点

YouTubeなどの動画配信サービスは、利用規約に「個人利用・非営利利用限定」と明記されています。
店舗BGMやイベントでの上映といった形で不特定多数に向けて流すと、規約違反かつ著作権法違反となります。
特にYouTube上の多くの動画は商用利用のための権利処理がなされていないため、無断利用はリスクが高いといえるでしょう。
【主なリスク】
- ・著作権者や管理団体(JASRACなど)から損害賠償請求
- ・違法利用の差し止め命令
- ・店舗名公表による社会的信用の毀損
- ・悪質な場合は刑事罰(罰金刑・懲役刑など)
【事例紹介】
2019年には、福岡市内の飲食店グループが無許可で楽曲を流したとしてJASRACから訴訟提起され、約40万円の損害賠償および利用差し止め命令を受けています。
4.ゲーム機設置と風営法のポイント

家庭用ゲーム機(Nintendo Switch、PlayStation4など)を店舗に設置して客に使用させる場合、以下の法律に注意が必要です。
4-1.著作権法の「上映権」侵害
ゲーム画面・音楽自体が著作物に該当するため、不特定多数の来店客に遊ばせる場合は「公衆への上映」と見なされ、著作権者の許諾がなければ違法となります。
4-2.風営法による規制
ゲーム機の内容や設置規模によっては、風営法の「第5号営業(ゲームセンター営業)」に該当し、警察署の許可が必要です。特にテレビゲーム、スロットマシン、クレーンゲーム、ダーツなどが規制対象となることが多く、無許可営業は厳しい罰則の対象となります。
「飲食のついで」「集客目的」など運用形態に関わらず、機種や設置台数によっては規制の適用を受けるため要注意です。
【違反時のペナルティ】
・著作権法違反:損害賠償請求、差し止め、刑事罰(罰金・懲役など)
・風営法違反:営業停止命令、罰金刑、悪質な場合は逮捕や実名報道もあり得ます
【事例紹介】
2018年、京都市内および神戸市内のゲームバー経営者・店長が、家庭用ゲーム機を無許可で提供し、ゲームソフトメーカー各社の著作権を侵害していたとして、著作権法違反で逮捕されています。
5.店舗で音楽を使う場合の著作権・JASRAC対応

5-1.JASRACなど管理団体への手続き方法
店舗でBGMやイベント用に楽曲を流す場合は、例えCDや個人向け音楽配信サービスを用いても「個人利用」の範囲を超えるため、JASRAC(ジャスラック、日本音楽著作権協会)など管理団体への申請と使用料の支払いが必要です。
【手続きの流れ】
- ①JASRACなどの管理団体への利用申請(Webまたは最寄りの支部)
- ②楽曲利用形態や店舗規模に応じた使用料の支払い
- ③許可証の取得と店内掲示(万一の指摘時にも安心)
なお、一部の音楽配信サービスや店舗BGMアプリは、JASRACなどと包括契約を結んでいるため、サービス利用料のみで著作権処理が完了します。こうしたサービスの利用は、簡便かつ適法な運営手段としておすすめです。
無料で流せる音楽もあるそうですので、詳しくはこちらのJASRACのホームページを参照としてください。
5-2.商用BGM・映像サービスの適法な利用
個人向けのYouTubeやSpotify、Apple Musicなどは商用利用できません。
代替案として、以下のような「商用利用向けサービス」を活用しましょう。
・商用BGM配信サービス
JASRACなどの著作権管理団体と包括契約、業種や店舗規模に合わせたプラン選択が可能。
・業務用ライセンス付きDVD・CD
音楽出版社や映像メーカーが業務用利用を許諾して販売している商品を活用することで、法的リスクなくBGMや映像を流せます。
6.まとめ|店舗でYouTubeやゲーム機を使うときの要チェックポイント

YouTubeや音楽配信サービス、家庭用ゲーム機といったエンタメ要素は、店舗の集客力や客の満足度を高める一方で、安易な導入は大きなリスクを伴います。
適法な範囲でサービスを導入するには、必ず以下のポイントをチェックしましょう。
【要チェックポイントまとめ】
- ・YouTubeや個人向け音楽配信サービスの店舗利用は原則NG
- ・ゲーム機設置は、著作権法・風営法の両面から許諾や許可が必要
- ・店舗で音楽・映像を流す場合は、JASRACなどへの申請&使用料の支払いが必須
- ・法的リスクを回避するため、商用利用対応サービスや業務用ライセンス品を積極的に利用
- ・違反が発覚した場合は、経営に甚大なダメージ
少しでも不安を感じた場合や、ルールの解釈が判断しづらい場合は、行政書士などの法律の専門家に相談するのがおすすめです。
行政書士法人ARUTOでは、店舗運営に必要な各種許認可申請や、著作権・風営法などに関するご相談を幅広く承っています。
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