射的・シューティングゲームに許可は必要?祭り・イベントで気をつけたい風営法のポイント

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目次

1.はじめに|射的・シューティングゲームに許可は必要?

祭りやイベントなどで人気の「射的」や「シューティングゲーム」。

最近では、商業施設や屋内イベントなどでも見かけるようになりました。

一見すると単なる娯楽に見えますが、内容次第では風営法の許可が必要になることをご存じでしょうか。

特に、「有料で」「賞品を提供する」形式の場合、風営法上の「遊技場営業」に該当する可能性があります。

 

この記事では、射的・シューティングゲームを行う際に知っておきたい風営法上の位置づけや、祭り・イベントでの扱い方、許可の考え方を整理して解説します。

 

 

2.「射的」と「ゲームセンター」、何が違う?風営法4号・5号の区分を解説

一口に「射的」といっても、風営法では4号営業と5号営業に分かれ、それぞれで必要となる許可やルールが異なります。

同じ“的を狙う”遊びであっても、賞品を出すかどうか・常設か一時的か・機械を使うかどうか、などの内容によって扱いが変わるため、誤解されやすい分野です。

 

ここでは、風営法で定められた4号と5号の違いを整理し、どんな場合に許可が必要となるのかを見ていきましょう。

 

2-1.4号営業(パチンコなどの遊技場営業)

風営法第2条第1項第4号では、客に射幸心(=運によって利益を得ようとする気持ち)を起こさせるおそれのある遊技をさせる営業」を4号営業と定めています。

パチンコ店やマージャン店と並び、温泉街などにある常設の射的場もこの区分に含まれます。

 

ただし、常設であることが前提のため、夏祭りや商業施設イベントのような一時的な射的ブースは、原則として4号営業には当たりません。

また、この許可を受けた店舗は18歳未満の立ち入りが禁止されるため、小さな子どもや中学生向けのサービスとしては運営が難しくなる点に注意が必要です。

 

2-2.5号営業(ゲームセンター営業)

風営法第2条第1項第5号では、「遊技設備を設けて客を遊ばせる営業」を5号営業としています。

クレーンゲームやメダルゲーム、シューティングマシンなどを備えたゲームセンターやアミューズメント施設がこの区分にあたります。

 

5号営業の目的は、あくまで遊技そのものを楽しむこと。賞品を得ることを主な目的とする営業はできません。

ただし、クレーンゲームのように、遊びの一環として小さな景品を取る形式は認められています。

この場合の景品は、「賞品」ではなく「遊技機の付属物」として扱われるため、風営法上の「賞品提供行為」には該当しません。警察庁の通達や業界ガイドラインでは、目安として小売価格1,000円以下のものとされています。

つまり、「利益を得る目的ではなく、マシンゲームの結果としてちょっとした景品がもらえる」、そんな範囲であれば、5号営業として健全な娯楽の範囲内と判断されるのです。

 

参考:一般社団法人日本アミューズメント産業協会(JAIA)|JAIA press 2022.3

 

 

3.祭り・イベントでの射的はどう扱われている?

射的は、祭りの屋台だけでなく商業施設や観光イベントなど、さまざまな場面で行われています。

ただし、開催場所や運営の形態によって法的な扱いは異なるため、目的や内容に応じた判断が必要です。

ここでは、行事として行う場合と、営業行為として実施する場合の違いを解説します。

 

3-1.縁日や地域の祭りの場合

祭りや縁日で見かける射的屋は、内容として4号営業(射的営業)に該当する要素を含みますが、実際に正式な許可を取得している事業者は極めて少ないかと思われます。

多くは、主催者(町内会・商店会・自治体など)が警察と事前に調整し、地域行事として一時的に出店しています。このため、射的屋が単独で許可を得ているわけではなく、行事全体が行政(保健所、警察、消防など)の把握下で実施を認められている形です。

 

警察署の生活安全課などが安全面を確認することもあり、使用する玩具銃の種類や威力、景品の内容について口頭で説明・指導を受けるケースもあります。

こうした形で、厳格な風営法の許可を取らずとも、地域行事としての安全性と健全性を確保して運営されています。

 

3-2.商業施設や屋内イベントの場合

商業施設や屋内イベントで射的を行う場合は、常設営業にあたるかどうかが判断の分かれ目です。

短期間の催しであっても、同じ場所で継続的に開催し、賞品を出す形式であれば、4号営業の許可が必要となることがあります。

一方、賞品を出さずゲーム性を楽しませる内容であれば、5号営業として扱われるケースも。

この区分は非常に微妙で、営業内容や自治体によっても判断が分かれます。

 

そのため、賞品を出す射的・シューティングゲームを屋内イベントで実施する場合は、事前に管轄の警察署や行政書士へ相談し、適切な許可区分を確認しておくことが重要です。

 

 

4.賞品を出すときのルールと注意点

「せっかくなら景品を用意して盛り上げたい」と考える主催者は多いでしょう。

しかし、金額設定や安全管理を誤ると、知らぬ間に法令違反となるおそれもあります。

 

ここでは、賞品金額の上限や禁止されている景品の種類、安全確保の基本など、イベント運営者が押さえておきたい実務的なルールを紹介します。

 

4-1.賞品を出すと「4号」とみなされる場合がある

風営法では、「客に遊技をさせ、その結果に応じて賞品を提供する営業」が可能なのは4号営業のみと定めています。

つまり有料で不特定多数の人に遊ばせ、結果によって賞品を渡す形式であれば、原則として警察署の許可が必要になるのです。

一方で、体験イベントや商業施設の催事などで、賞品を出さない・参加賞だけを配るといった場合には、「遊技による賞品提供」には該当しないため、風営法の許可を取らずに実施できるケースもあります。

どのように賞品を設定し、どのように渡すかで、法的な扱いが大きく変わる点に注意が必要です。

※主催者側が交付する者が、金品としての価値がないから問題ないだろうと安易に事業を進めてしまうと、思わぬ落とし穴も。。。

 

4-2.賞品の上限は1万円以内が目安

風営法施行規則では、4号営業として許可を受けて行う場合、営業者が提供できる賞品の金額に上限1万円という目安が設けられています。

これは、射幸心を過度にあおらないための基準です。

また、現金や有価証券(商品券・金券など)を賞品として提供することは風営法で禁止されています。そのため景品を出す場合は、その場で楽しめる玩具・雑貨・お菓子など、換金性のない物品にとどめる必要があります。

 

一方で、すべての参加者に同じ粗品を配る場合は、遊技の結果による差がないため、「賞品提供行為」とはみなされず、許可を取らずに実施できるケースもあります。

ただし、粗品であっても高額すぎる場合は、実質的に賞品と判断されるおそれが。「誰にでも渡せる記念品」程度の感覚で考えるのが安心です。

 

4-3.許可を取る場合の運営の注意点

風営法第6条では、営業許可を受けた者に対し、許可証を営業所の見やすい場所に掲示する義務を定めています。

臨時のイベントや商業施設内で行う場合でも、どの名義で許可を取得しているのかを明示し、許可証や関係書類を備え付けておくことが求められます。

 

また、遊技設備の構造や配置、安全対策などについても、都道府県公安委員会の許可基準に適合していることが前提です。

「安全に遊べる環境を整える」ことは、営業者としてのモラルであると同時に、法令上の責務でもあることを理解しておきましょう。 

 

 

5.まとめ|賞品つき射的は風営法にご注意

射的やシューティングゲームは、「賞品を渡すか」「金額はいくらか」「どういう形式で行うか」で、風営法上の扱いが変わります。

有料で結果に応じて賞品を渡す場合は、4号営業として許可が必要です。

参加賞のみ・体験型イベントであれば、許可不要なケースもあります。

賞品の上限は1万円以内が目安で、許可営業を行う場合は許可証の掲示と安全基準の遵守が欠かせません。

楽しいイベントを安全に運営するために、まず法的な位置づけを正しく理解しておきましょう。

 

渋谷区恵比寿を拠点に活動する行政書士法人ARUTOでは、射的やアミューズメントイベントに関する風営法のご相談を承っています。

「この内容で許可は必要?」「どんな形なら実施できる?」など、企画段階から丁寧に確認を行い、安心して実施できる形をご提案します。どうぞお気軽にご相談ください。

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