目次
- 1.バーにゲーム機を置く「10%ルール」の概要
- 2.深夜営業と10%ルールの関係
- 2-1.深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業許可)について
- 2-2.10%ルールが適用されるかの判断ポイント
- 2-3.10%ルールの具体的な計算方法(実務上の考え方)
- 3.ダーツ・シミュレーションゴルフと風営法の関係
- 3-1.ダーツ・シミュレーションゴルフが対象外とされる理由
- 3-2.対象外とするための注意点
- 4.まとめ
- 5.当事務所の実績(お客様の声)
1.バーにゲーム機を置く「10%ルール」の概要
飲食店において、店内にテレビゲームやスロットマシンなどの遊技設備を設置したいと考えるケースは少なくありません。お酒や食事だけでなく、遊びの要素を取り入れることで、店舗の魅力を高めることができます。
一方で、ゲーム機を設置して遊技を提供する営業は、内容によっては風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規制対象となります。
例えば、ゲームセンターのように遊技を主たる目的とする場合には、風俗営業(5号営業)の許可が必要となります。
風営法というと性風俗のイメージが強いかもしれませんが、実際にはゲームセンターやポーカーバー、アミューズメントカジノなども対象となっており、遊技設備の取り扱いには注意が必要です。
しかし、飲食店の一角に少しだけゲーム機を設置する場合でも、一律に風俗営業の許可が必要となると現実的ではありません。ショッピングセンターやホテル、旅館などの一部にゲーム機が設置されているケースがあることからも、この点に違和感を持たれる方は多いでしょう。
そこで実務上用いられているのが、いわゆる「10%ルール」です。これは、ゲーム機の設置部分の床面積が客室面積の概ね10%以内に収まる場合には、遊技が主たる営業とは評価されず、風俗営業の許可が不要と判断される可能性があるというものです。
なお、この「10%ルール」は法律上明確に定められた基準ではなく、解釈運用基準や実務上の判断を踏まえた目安とされています。
この「10%ルール」は営業所全体の面積ではなく、あくまで客室ごとに判断される点に注意が必要です。
つまり、店舗全体の面積で10%以内に収まっていたとしても、特定の客室にゲーム機を集中して設置している場合には、その客室単体で10%を超えてしまい、風俗営業に該当すると判断される可能性があります。
このため、実務上は「思っているよりも10%ルールのハードルは高い」といえます。
特に、客室が複数ある店舗や、遊技設備を一箇所にまとめて設置するようなレイアウトの場合には、意図せず基準を超えてしまうケースも少なくありません。
そのため、図面段階での配置計画が非常に重要となります。
実際の相談でも、「店舗全体では10%以内だから問題ないと思っていたが、客室単位で見ると基準を超えていた」というケースは多く見られます。
2.深夜営業と10%ルールの関係
2-1.深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業許可)について
深夜0時以降にお酒をメインとして提供する飲食店については、店舗を管轄する警察署に対して「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出する必要があります。
また、前提として保健所の「飲食店営業許可」も必要となるため、開業にあたっては警察と保健所の両方への対応が必要となります。
なお、10%ルールは深夜営業に限らず適用される考え方ですが、深夜営業と組み合わせて運用されるケースが多いため、両者の関係を正しく理解しておくことが重要です。
2-2.10%ルールが適用されるかの判断ポイント
ゲーム機の面積計算については前章で説明したとおりですが、実務上重要となるのは「面積」だけではなく、営業の実態です。
特に注意が必要なのが、ポーカーバーなどで見られる「ディーラーを配置する営業形態」です。
店舗側がディーラーを配置し、積極的にお客さんに遊技を提供している場合には、遊技が営業の中心と評価される可能性が高く、いわゆる10%ルールの適用外と判断されることがあります。
この場合には、客室面積の割合に関係なく、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく風俗営業5号営業(ゲームセンター)の許可が必要となる可能性が高いといえます。
一方で、単にゲーム機やポーカーテーブルを設置しているだけで、お客さん同士が自主的に遊ぶような形態であれば、遊技は付随的なものと評価され、10%ルールの範囲内で営業できる可能性があります。
※重要 既に5号許可を取得してるポーカーバーのケース
また、一度ポーカーバーとして風俗営業5号営業に該当する営業形態で運営した後に、ディーラーを配置しない形に変更し、10%ルールの範囲内で営業しようとするケースについても注意が必要です。
このような場合、形式的には設備や運営方法を変更しているように見えても、営業の実態としては継続性があると判断され、引き続き風俗営業に該当すると評価される可能性があります。
特に、従前と同様の集客方法や営業コンセプトが維持されている場合には、実質的に遊技営業を継続しているとみなされるリスクが高く、10%ルールの適用が認められない可能性が高いといえます。
そのため、単にディーラーを外す、設備の一部を変更するという対応だけでは不十分であり、営業形態全体として風営法上の評価を見直す必要があります。
2-3.10%ルールの具体的な計算方法(実務上の考え方)
■ 遊技設備の面積(分子)の考え方
ここが最もミスが多いポイントです。
ゲーム機の面積は、単純な機械サイズではなく、
「遊技に必要なスペース込み」で計算されます。
■ ① 投影面積 × 3倍ルール
例えば、ゲーム機のサイズが
🎰 50cm × 50cm = 0.25㎡
だった場合でも、そのままでは計算しません。
実務では、
-
操作スペース
-
プレイヤーの立ち位置
-
観覧スペース
これらを含めて評価されるため、
投影面積(真上から見た面積)×3倍
で計算することになります。
■ ② 最低1.5㎡ルール(重要)
さらに、小型のゲーム機であっても
1台あたり最低1.5㎡で計算されます。
■最低1.5㎡ルールの例
小型機(実寸0.5㎡)を3台設置する場合
1.5㎡ × 3台 = 4.5㎡
実際のサイズより大きく計算される
■ ダーツ・ポーカーの注意点
これらは通常のゲーム機よりも大きな面積を占有します。
■ ダーツの場合
-
本体
-
スローライン(約2.44m)
-
プレイヤースペース
つまり、1台あたり約4〜6㎡
■ ポーカーテーブルの場合
-
テーブル本体
-
ディーラー席
-
プレイヤー席
1台で8〜12㎡程度になるケースも
■ 実務上の結論(ここが一番重要)
このように「実効面積」で計算すると、 一見広く見える店舗でも 簡単に10%を超えてしまいます。
例えば、
- ・30坪(約100㎡)の客室
-
・ポーカーテーブル1台(約10㎡)
それだけで10%に到達してしまいます。
そのため、「とりあえず置いてみる」という判断は非常に危険であり、事前に図面ベースで検討することが重要となります。
3.ダーツ・シミュレーションゴルフと風営法の関係

ダーツバーやシミュレーションゴルフを設置した店舗については、一般的なゲーム機とは異なり、一定の条件のもとで風営法上の遊技営業(5号営業)に該当しないと整理されています。
そのため、これらについては、いわゆる10%ルールとは異なる考え方で取り扱われる点に注意が必要です。
3-1.ダーツ・シミュレーションゴルフが対象外とされる理由
デジタルダーツ及びシミュレーションゴルフについては、警察庁の通達により、一定の条件を満たす場合には風俗営業(5号営業)に該当しないとされています。
「デジタルダーツ及びシミュレーションゴルフを設置して客に遊技をさせる営業の取扱いについて」(平成30年9月21日)
これらは、
-
競技性が高い(ダーツ)
-
練習・スポーツ用途(ゴルフ)
射幸心をそそるおそれが低いと評価されているためです。
3-2.対象外とするための注意点
主なポイント
① 従業員が目視やモニターでリアルタイムで状況を把握できること
② 別のゲーム類を設置する場合には10%ルール適用となる
③ 接待行為は許されない
④ 賭博や少年のたまり場などにならないこと
※重要 監視体制について
店舗の構造上、直接目視できない場合には、防犯カメラ等を設置し、
-
ダーツエリア全体
-
プレイ状況
が確認できるようにし、その映像を従業者が常時リアルタイムで確認できる位置にモニター等を設置する必要があります。
※重要 実務上の注意点
デジタルダーツやシミュレーションゴルフは対象外とされていますが、
-
他のゲーム機を併設すると10%ルールの適用除外になる
-
運営方法が遊技中心になる
といった場合には、風営法の対象となる可能性があります。
実際に、都道府県で10%ルールの運用が異っていますので要注意です。
このように、ダーツやシミュレーションゴルフは一見すると自由度が高い業態に見えますが、 運営方法や店舗構造によっては風営法の規制対象となる可能性があります。
実務上も、「ダーツだから大丈夫」と考えていたものの、運営内容によって風営法の対象と判断されるケースも見れます。そのため、導入を検討する際には、事前に営業形態を整理することが重要です。
4.まとめ

10%ルールは、一見すると「面積だけで判断できるシンプルな基準」に見えますが、実際にはそう単純なものではありません。
・客室の範囲の取り方
・遊技設備の面積の算定方法(3倍ルール・1.5㎡ルール)
・客室ごとの判断
・設備の配置状況
・営業の実態(ディーラーの有無など)
これらを踏まえて総合的に判断されるため、非常に専門性の高い分野といえます。
実務上も、
「10%以内のつもりだったが、計算方法の違いで超えていた」
「ディーラーを置いたことで5号営業と判断された」
「客室単位で見たら基準を超えていた」
といったケースも珍しくありません。
また、判断を誤った場合には、・風俗営業(5号)許可の無許可営業など行政処分の対象となり得てしまい、経営に直結する重大なリスクが生じます。
このように、10%ルールの適用可否は、単なる計算ではなく、 図面・設備・営業内容を踏まえた「実務判断」が必要となります。
そのため、開業前の段階で警察との事前相談を行い、適切な営業形態を設計することが重要です。
当事務所では、
- ・10%ルールの適用可否の判断
・風俗営業(5号営業)許可の取得
・深夜酒類提供飲食店営業の届出
・特定遊興飲食店営業の許可
まで一貫して対応しております。
特に、スロットバー・ポーカールーム・アミューズメントカジノ・ダーツバーといった、判断が難しい業態についても多数の実績があります。
また、単に許可申請を行うだけでなく、警察との事前協議や図面段階での配置検討、内装業者・遊技設備業者との連携まで含めてサポートすることで、スムーズな開業を実現しています。
10%ルールは、「なんとなく大丈夫だろう」で進めてしまうと、後から大きな問題になるケースが非常に多い分野です。
開業後に修正することは難しいため、必ず開業前に正しい判断を行うことが重要です。
10%ルールの適用でお悩みの方、ぜひお気軽にご相談ください。
5.当事務所の実績(お客様の声)
当事務所では、アミューズメント系の風営法許可申請についても多数の対応実績があり、年間300件以上の案件を取り扱っています。
既存店舗からの増店など、さまざまな営業形態に対応してきました。
実際にご依頼いただいたお客様の声も掲載しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
保全対象施設の調査や警察署ごとの運用にも対応しながら、実務に即したサポートを行っています。
ポーカー&ビリヤード 和ミューズメントバーNUKUMORI(人形町)
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※この記事は2026年3月に行政書士が最新情報をもとに更新しました。
監修:行政書士 西 俊之
行政書士ARUTO事務所 代表。
風営法・ナイトビジネス関連の許可申請を専門に取り扱い、年間300件以上の風営法関連手続きに携わる。
元警察官としての経験を活かし、風俗営業許可、深夜酒類提供飲食店営業、アミューズメントカジノなどの許可申請をサポートしている。



