《深夜営業許可》バーにゲーム機を置いてもいい?「10%ルール」について

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コラム

目次

1.《深夜営業許可》バーにゲーム機を置く「10%ルール」の概要

飲食店で深夜営業する場合には、飲食店営業許可だけではなく、深夜営業許可(正式には「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」)が必要となりますまた、深夜営業を行う店舗内で、娯楽用のテレビゲームやスロットマシンなどを置いておきたいと考えることもあるのではないでしょうか。お酒を飲んで団らんするだけでなく、ゲーム機によって遊びの選択肢が増えますので、お客さんにとってもメリットが大きいでしょう。

 

ただ本来、ゲーム機を設置するような場合には、風営法の規制にかかってしまうことになります。ゲームセンターを営業するような場合には、風俗営業許可(風営法5号)を得ておかねばなりません風営法の規制というと、性風俗だけをイメージする方が多いとは思いますが、ゲームセンターをはじめとして、ポーカーバー、アミューズメントカジノなどは風営法の対象となっているのです。

 

ただ、お店の片隅にゲーム機を設置しようとする場合に、この規制を受けてしまうということに違和感を感じるのではないでしょうか。ショッピングセンターやデパートなどの一角に、子供向けのゲーム機が設置されていることがありますが、これが風俗営業だと言われると誰しもがおかしいと思うでしょう。

 

そこで、『10%ルール』というものが用意されています。ゲーム機の床面積が、店舗内の客室面積の10%を超えなければ、風営法の許可は必要ないというものですこのルールがあるおかげで、ショッピングセンターやデパート、旅館、ホテルなどの一角に設置されているゲーム機で、風営法の規制を受けることはないのです。ただし、この『10%ルール』には注意点もありますので、詳しくお伝えしていきましょう。

 

2.《深夜営業許可》バーにゲーム機を置く「10%ルール」について

2-1.深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業許可)について

深夜0時を過ぎてお酒をメインに提供している飲食店においては、店舗がある地域を管轄する警察署に対して「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出して、許可を受けておく必要があります。

 

もちろん飲食店ですから、同時に「飲食店営業許可」を受けておく必要があることにも注意が必要です。飲食店営業許可については、店舗がある地域を管轄する保健所に対して許可申請する必要があります

 

許可申請をする際には各種書類や図面などが必要となりますので、保健所の担当者と工事着工前に事前相談しておくことが大切です。もちろんこれは、これからしっかりとご説明していく10%ルールに基づいたゲーム機の設置をするうえでの基本となるものです。深夜営業許可を受けずに深夜営業を行っている場合においては風営法の規制を受けることになりますので注意が必要です。

 

2-2.《深夜営業許可》バーにゲーム機を置く「10%ルール」について

ルーレットやポーカーゲーム、バカラ、スロット台などを設置する「カジノバー」などを運営する場合においては、「ゲームセンター」として扱われることになり、5号営業と呼ばれる風俗営業許可が必要となります。それらのゲームについては、射幸心をそそる恐れがあるために、賭博を誘発することや少年のたまり場となってしまう可能性が考えられるからです。

 

風営法で規制対象となっているゲームについては具体的に、ディーラーを置いて行うテーブルでのルーレットゲームやポーカーゲームなどをはじめ、スロットマシン、テレビゲームなどとなっています。射幸心のないゲーム機としては、モグラたたきゲームやドライブゲーム、プリクラ、占い機などとなっています。また次の章で詳しくお伝えしますが、デジタルダーツとシミュレーションゴルフについても対象外となっています。

 

ただし、規制対象となっているゲーム機でも、客室全体の面積に対して10%以内であれば、規制の対象外とする「10%ルール」というものがあります。1台のゲーム機の占める床面積の3倍が1.5㎡に満たないときは1.5㎡として計算します。1.5㎡と計算されたゲーム機を設置する場合、客室全体の面積が15㎡以上であれば5号営業の許可は不要ということになります

 

ただし、あくまで5号営業の許可は不要ということだけであって、風営法で定められている客引き行為の禁止や18歳未満の立入禁止(午後10時まで)は適用となります。また、従業員がお客さんと一緒にゲームを楽しむ行為は接待とみなされ、風営法1号の対象となってしまいますので注意が必要です。

 

3.ダーツとシミュレーションゴルフが10%ルール対象外に

深夜営業での「ダーツバー」というものがありますが、実は10%ルール対象外となっており、風営法の規制を受けることはありません。また同様にシミュレーションゴルフについても規制対象外として定められています。どのような内容になっているのか詳しくお伝えしていきましょう。

 

3-1.ダーツとシミュレーションゴルフの10%ルール対象外について

これは警察庁が通達した「デジタルダーツ及びシミュレーションゴルフを設置して客に遊技をさせる営業の取扱いについて」のなかに記載されている内容です。平成30年9月21日から正式に外されました。https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoan20180921-2.pdf

 

上記でもお伝えした通り、深夜営業のバーなどにおいてゲーム機を設置する場合においては、基本的には風営法の規制を受けることになり、10%ルール内であれば規制対象外となっています。

 

ただ、デジタルダーツにおいては、プロ選手による競技が行われているような状況であり、シミュレーションゴルフについては主にゴルフ練習のために活用されているような状況です。そのため、射幸心をそそる恐れがないような状況であれば、対象外にすることになったのです。ただし、対象外とするためには、いくつかの注意点があります。

 

3-2.ダーツとシミュレーションゴルフの10%ルール対象外の注意点

①従業員が目視やモニターで状況を把握できること
②別のゲーム類を設置する場合には10%ルール適用となる
③接待行為は許されない
④賭博や少年のたまり場などにならないこと

 

デジタルダーツとシミュレーションゴルフを設置する場合には、基本的に10%ルール対象外となりますが、上記の条件を満たしておく必要があります。いずれにおいてもゲームが賭けの対象になるような、射幸心をそそる恐れをなくすために、従業員が目視やモニターなどで状況を監視できるようにしておかねばなりません。

 

店舗の構造上、モニターによる監視でしかできない場合は、デジタルダーツとスローイングエリアの両方が映るように防犯カメラを設置し、その映像をリアルタイムに映すモニターを従業員が常に目の行き届く、調理場や事務室に設置することをしなければなりません。

 

また、デジタルダーツとシミュレーションゴルフ以外のゲーム機を同時に設置するような場合においては、10%ルールが適用になると言うことになります。さらに、女性のキャストが接客しながらダーツを楽しむような場合には、キャバクラやスナックなどと同じ風営法1号許可が必要になります絶対に接客行為は許されません

 

賭博や少年のたまり場になっているような状況が確認された場合には、もちろん賭博罪などの規制の対象にもなりますので注意が必要です。

 

4.まとめ

ダーツバーなど深夜営業を始めたいと考えている方であれば、「深夜における酒類提供飲食店営業」の許可をはじめ、飲食店営業や風営法に関する許可申請に精通した行政書士に申請を依頼することをおすすめします。

 

深夜営業でのゲーム設置については、賭博や青少年のたまり場など、犯罪の温床になる危険性があることから、警察においても厳しく取り締まっている現状がありますそのため、店内を従業員が見渡せるようにする構造にする必要があるなど、店舗設計上においても配慮することが必要となります。

 

しかも深夜における酒類提供飲食店営業の届出だけではなく、飲食店営業許可も同時に届出しておくことが必要となります。保健所との事前相談をはじめとして、警察とのやり取りも必要となり、これから開店するとなると、準備と並行に取り組むには大きな負担となります

 

この10%ルールの適用を受けるかどうかの判断は風営法の専門の行政書士でないとなかなか判断できないと思われます。

 

風営法5号を取得するか深夜酒類提供飲食店の届出で済むのか、風営法を取得するとなると営業時間午前0時(繁華街の一部では午前1時)までという規制を受けることにもなりますので、経営問題に直結する事項になります。

 

弊所では、この10%ルールの適用を受けるために、風営法5号の取得をした上で、特定遊興飲食店営業の許可を取得した実績もあります。

 

特定遊興飲食店営業とは、お客さんに遊興をさせて午前0時以降にお酒を提供する場合に必要な許可になります。特定遊興飲食店営業はまだ法律ができてから新しく申請の難易度も高いので申請したことがある行政書士もそう多くありません。

 

10%ルールでお困りの経営者の方は、是非お気軽に弊所にご相談いただけたらと思います。

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