風営法違反の呼出状が届いたらどうする!?対処法や罰則内容を解説

column
コラム

目次

1.はじめに

ガールズバーやコンセプトカフェ(コンカフェ)などでは、ある日突然、警察から風営法違反の「呼出状」が届くことがあります。

当事務所に寄せられる質問でも「1回目の呼び出しは注意だから大丈夫? 」、「逮捕または営業停止処分されるのは2回目以降?」といった内容がとても多く、呼出状の対処法について悩む方は少なくないようです。

そこで今回は、風営法に関する呼出状を受け取った場合の対処法や、罰則の内容を詳しく解説します。

 

 

2.風営法違反の「呼出状」とは

ガールズバーやコンカフェは一層注意が必要

呼出状とは、法律違反や騒音・近隣トラブルなどが発覚した際に、警察から経営者に送られる書状です。一般的には警察が抜き打ちで見回りを行い、指摘事項があった際に呼出状を置いていきます。

管轄の警察署によっても書式などは異なりますが、呼出状には以下の内容が記載されています。

 

  • ・違反事項
  • ・出頭日時
  • ・出頭場所
  • ・出頭所在地
  • ・持参品

 

すでに風俗営業許可を受けて営業するスナックやキャバクラ、ホストクラブなどはもちろん、風営法的にグレーな営業を行うガールズバーやコンカフェなども対象となります。

ガールズバーやコンカフェは風俗営業許可を受けずに営業する店舗も多いため、呼出状を受け取った場合には、どんな罰則につながるのか困惑してしまう営業者も多いでしょう。

 

放置すれば営業停止につながる可能性も

呼出状は、現状の違反状況について改善を求める「指示処分」に当たります。

風営法違反では、「呼出状による指示処分」、「営業停止(行政処分)」、「逮捕、懲役・罰金刑(刑事処分)」 の段階に処分が重くなるため、指示処分は一番軽い違反内容といえるでしょう。

ただし指示処分であっても、改善せずに放置するといった対応をした場合、営業停止などの重い処分につながる可能性があります。

一度違反を指摘された店舗では、再度違反行為をしていないか警察から入念にチェックされますので注意が必要です。

 

 

3.呼出状を受けとった場合の対処法

無視はNG!

呼出状には「出頭必須」の強制力はありませんが、正当な理由なく無視していると印象が悪くなり、営業停止処分につながる恐れもあります。

決して無視や放置をせず、迅速に対処しましょう。なお、仕事都合や個人的なスケジュールは「正当な理由」には該当しません

指定日での出頭が難しい場合には、記載されている連絡先へあらかじめ相談することが重要です。

 

違反事項を確認

呼出状を受け取った場合、まずはどんな違反事項を指摘されているのかをしっかりと確認しましょう。

従業員名簿の備え忘れなどすぐ改善できる内容もあれば、無許可営業など根本的な経営に関する内容の場合もあります。

すべて出頭前に改善しておくことはできないため、内容によって必要な対処法を検討しておくことが重要です。対処法の検討が難しい場合は、呼出状を受けた時点で行政書士などに相談するのもひとつの方法でしょう。

 

警察に出頭

当日は、呼出状や印鑑、営業許可証や従業員名簿などを携えて警察に出頭します。

風営法の呼び出しを受け出頭後に逮捕というケースは稀で、ほとんどは警察の恩情ともいえる「改善命令」が下されます。改善命令を受けたら、内容に則して迅速に対処していきましょう。

「2回目以降の呼び出しは営業停止につながるか」といった心配をする営業者も多いですが、回数よりもどれだけ改善努力が認められるかが重要です。

 

 

4.呼出所が届く可能性のある違反事項と罰則

風営法の呼出状を受ける場合、どんなケースが該当するのでしょうか。違反事項と罰則について見ていきましょう。

 

無許可営業

風俗営業許可を受けずに風営法で定める範囲の営業を行っていた場合、無許可営業として違反事項に該当します。

風営法1号(社交飲食店)の許可を取得していないガールズバーやコンカフェで大いに考えられるのが、特定の客との談笑やお酌、客と一緒に行うカラオケデュエットやゲームなど「接待行為」があるケース。

通常は風俗営業に該当する行為のため、風俗営業許可がない場合、深夜営業(深夜酒類提供飲食店営業)で営業している場合に指摘を受けやすくなります。

違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金という重い罰則が科される可能性があります。

 

無届け営業

深夜営業の届出をしていないにもかかわらず、深夜0時を超えて営業していた場合には無届け営業に該当します。

無届け営業が発覚した場合は届出するよう指示を受け、ケースによっては50万円以下の罰金が科されます。

 

時間外営業

風俗営業と深夜営業は、基本的に両立することができません。そのため、キャバクラやスナックなどが深夜0時を超えて営業していることが発覚した場合は、摘発の対象となります。

時間外営業が度重なるなど悪質性が認められる場合は、営業停止処分(20日以上6か月以下:基準金は40日)・許可の取消処分となる可能性もあります。

 

構造変更違反

風俗営業や深夜営業は、風営法で定められた店内の構造・設備のルールを守る必要があります。この要件は許可や届出手続きをした後も勝手に変更することはできないため、当初と異なる構造や設備がある場合は違反と判断されます。

1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれの両方が科される可能性もあるため、大規模リニューアルなどをする際は必ず変更の承認を受けましょう。

 

許可取得における名義貸し

経営者の経歴などが風俗営業の申請要件を満たせない場合、別の人物の名義により申請しようと考えることもあるかもしれませんが、これは完全なる違反行為です。

2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方を課せられる可能性があります。

 

18歳未満の来店や勤務

風俗営業店では18歳未満の客の来店は禁止されています。スタッフとしての接待行為も当然NGで、接待行為に該当しない接客についても夜10時から翌朝6時までの間は禁じられています。

また、深夜酒類提供飲食店の場合も夜10時以降は未成年の立ち入りはできません。

違反した場合は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれの両方が科される可能性があります。

 

従業者名簿の備え忘れ

風俗営業店を営む場合は、従業員名簿の備えが義務となっています。

警察の立ち入り検査で従業員名簿の備え忘れや不備が発覚すれば、呼び出しの対象となります。

再三の注意を受けても是正されない場合は、100万円以下の罰金が科されることもあるため注意しましょう。

 

許可証の掲示なし

風俗営業の許可証は店内の見えやすい場所に掲示する義務があります。掲示を怠ると100万円以下の罰金が科される可能性があります。

警察の立ち入り検査では必ずチェックされる項目のため、しっかりと掲示しましょう。

 

在留資格(ビザ)のない外国員従業員の雇用

風俗営業店にて外国人スタッフを雇っている場合、下記いずれかのビザが必須です。

・永住者、特別永住者(またはその配偶者等)

・日本人の配偶者

・定住者

 

ビザのチェック漏れで雇った場合は100万円以下の罰金が、ビザなしを承知の上雇ったことが判明した場合は「不法就労助長罪という重い刑罰に処される可能性があります。

 

 

5.違反回避のためには風俗営業許可の取得を!

最近では、秋葉原のコンカフェ・メイドカフェなどで警察の見回りが頻繁に行われており、見回りの際に接待行為などの違反行為を現認されて呼出状を受け渡されるケースが増えています。

ガールズバーやコンカフェは風俗営業許可を受けずに営業する店舗も多いですが、改善命令を受け対処するためには、接待行為が容認される「風営法1号(社交飲食店)」の許可を取得することが一番です。

風俗営業許可は、立地や店舗構造、経営内容に関して厳しい定めがあるため、取得も決して簡単なものではありません。しかし万一警察から呼出しを受けた際には、正当な手段をもって改善するのが自分と従業員の方の身を守るために必要な処置となります。

 

 

6.まとめ|風営法のトラブルは行政書士ARUTOへご相談ください

今回は、風営法違反の呼出状を受け取った際の対処法や罰則内容をお伝えしました。

呼出状を受け出頭した後、即逮捕につながることはまずありませんが、迅速に対応して改善への努力を怠らないことが大切です。一時的には心労や経営的な負担を感じるかもしれませんが、長期的に見れば正攻法で健全な経営手法を得られるチャンスとなるでしょう。

 

ナイトビジネス専門の行政書士法人ARUTOでは、風俗営業に関する許可申請を中心に年間300件を超える案件に関わっています。

風営法に関するトラブルへの対処、経営のサポートについても、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料にて、迅速・丁寧に対応いたします。

関連記事

PAGE TOP