風俗営業許可の申請は自分でできる?面倒すぎる6つのワケ

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目次

1.風俗営業許可の手続きについて

当コラムをご覧の方の中には、風俗営業の許可申請をご自身で行おうと考えている方もいらっしゃるかもしれません。もちろん自身での申請は不可能ではありませんが、膨大な時間と手間を要するのは間違いないと断言できます。

いざ挑戦してみてもさまざまな困難に直面し、結局は行政書士に依頼したというケースも少なくありません。

当コラムでは、申請を自身で行う場合の問題点をまとめてみました。風俗営業の許可申請を検討する方はぜひ参考にしてください。

 

 

2.窓口がわかりにくい

近年は行政の申請手続きなども少しずつデジタル化が進んでいますが、風俗営業の許可申請については直接窓口に赴いて対面で行う必要があります。

申請の第一段階となるのですが「どこの役所に行けばいいのかがわかりにくい…」というのが多く聞かれる意見です。

風俗営業を始めるには、風俗営業の種類に応じて管轄する都道府県公安委員会の許可を受けることが必要ですが、窓口となるのは「警察署」です。

自宅近くの警察なのか、店舗近くの警察なのか、はたまた本庁か、これもまたわかりにくいポイントですが「営業所の所在地を管轄する警察署」が正解となります。

しかし、警視庁の公式サイトからは管轄がわかりにくく、自治体警察のサイトでも管轄がまとめられているものとそうでないものが分かれ、判然としません。

民間サイトの「全国警察署一覧(http://www.police-map.com/)」では、地図上に警察署がまとめられ、対象地の警察署の詳細ページで管轄地域を確認できます。かんたんに把握したいという場合にはおすすめです。

また、風営法の申請はいきなり窓口に行き直ちに受理してもらえるとは限りません。まずは申請内容の確認から進めるケースが多いため、突撃訪問ではなくあらかじめ電話で相談予約しましょう。

 

 

3.風営法の知識が必要

風俗営業の許可申請は、書類の必要項目に記入し、必要書類をそろえて提出…と簡単にはいきません。

「自身が申請しようとする風俗営業の種別は何で、どのような要件を満たす必要があるのか」を明確に知ることが必要なのです。

ちなみに風俗営業は1~5号営業に分かれ、次の内容に該当する場合は申請が必要です。

 

【風俗営業の種別一覧】

種別

飲食

接待

ダンス

概要

1号営業

キャバクラやホストクラブなど接待を伴う遊興・飲食店

2号営業

×

喫茶店やバーなど10ルクス以下の暗い店内の飲食店

3号営業

×

喫茶店やバーなど5㎡以下の個室が設けられた飲食店

4号営業

×

×

パチンコ・麻雀など射幸心をそそる遊戯設備のある店舗

5号営業

×

×

ゲームセンターなどのアミューズメント施設

 

さらに、風俗営業ではないものの風営法で規定されている営業に「深夜酒類提供飲食店営業」と「特定遊興飲食店営業」があります。

これらに該当する場合も届出または申請が必要となるため、注意が必要です。

 

風俗営業に関する情報はインターネットなどで簡単に調べられず、仮に調べられたとしても誤った内容であるケースが少なくありません。

よって、正確な情報を入手しようとする際には法令集や実務集を読む必要があります。

学ぶべき法令は以下のとおり。

・風営法

・施行規則

・施工令

・内閣府令

・都道府県の条例

 

これらの法令を読み込み「専門用語の定義」「要件に関する規定」「営業可能な地域」などを認識していきます。

法令集や実務集をそろえる手間や費用、学習に費やす時間は膨大だと言わざるを得ません。

 

 

4.保護対象施設の有無確認が大変

風俗営業の許可申請に当たって満たす必要のある要件の中に「場所的要件」というものがあります。

都市計画法によって定められている「用途地域」で可能エリアが営業対象地となっているかを判断するものです。

しかし、場所的要件ではさらに「保護対象施設」が100 m以内にないことを示す必要があります。

対象は、幼稚園・学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所などの施設。

保護対象施設の有無を確認する方法は「役所の担当部課で調査」「周辺120mを実際に歩いて調査」と、2つの方法があります。

役所で調査する場合には、担当職員は風営法の規定や保護対象施設の定義を把握していないため、自身で学んだ知識を元に説明し、調査対象を明確に伝えなければなりません。

実地で調査する場合には、確実な範囲として120mを対象に歩きますが、道路沿いから判断するだけでなく、雑居ビルのテナントひとつひとつに至るまで、くまなくチェックする必要があります。

一件でも見落としがあれば許可が下りないため重要ですが、どちらの方法でも大変苦労する作業となるのに想像は固くありません。

 

 

5.書類作成が難しい

書類作成は、警視庁のホームページにアップされている書式をダウンロードすることで自身でも着手できます。

要は書類の穴埋めをすればいいのですが「風俗営業の種別はあってる?」「誰を管理者にすればいいんだ?」「営業所の床面積って大体でいいの?」「印は三文判でOK?実印?」「法人印は丸?四角?」などなど…、多くの疑問が湧いてくるに違いありません。

ホームページに掲載されている「記載例」もあまり親切な内容とはいえず、公式のマニュアルや手引きもないのが現状です。

さらに、申請時には店舗に関する図面(平面図、什器備品配置図、求積計算表、周辺略図など)の添付が必要となりますが、これらの作成はスキルがないと難しいものばかり。

通常、行政書士事務所では専門の測量器具や図面作成ソフトを使用して作成に当たります。こうしたツールも予備知識もない状態で、正確な図面をそろえるのは非常に困難です。

個人や会社役員の身元や経済状況、建物の状況を示す証明書(住民票、戸籍の身分証明書、賃貸契約書、登記簿謄本、用途証明書、住所付定証明書など)も必要になるのですが、各書類を入手するためにも手間と時間を要します。

管轄の公安委員会によって、必要書類も異なりますし、自己流ですべての書類を完全な形に揃えるまでには、スケジュール的にかなりの余裕が必要です。一日でも早く開業を目指したいと考える場合には注意が必要でしょう。

 

 

6.警察の対応が厳しい

自分なりに書類を完成させ万全の態勢だと思って警察署に行っても、細かな不備を指摘され受理に至らないケースが圧倒的に多いのが実情です。

また、警察官は申請者の知識量に関わらず同じ対応で、容赦なく専門用語を浴びせます。「分からないことはすべて丁寧に教えてくれる」担当者は、まずいないと言っても過言ではありません。

ホームページに記載していないことも、当然のように指摘されることがあります。

結果として何度も警察署へ足を運ぶ羽目になり、非常に効率が悪く貴重な時間をムダにすることになるでしょう。

 

 

7.検査に入念な準備がいる

風俗営業の許可申請は書類を提出して終了ではありません。審査段階の中心となるのはむしろ「店舗の検査(実査)」です。

警察または風俗環境浄化協会から検査員が訪れ、店舗が書類通りとなっているかを検査しに来ます。内装だけでなく椅子やテーブルの配置や従業員名簿の有無など、細かい内容をチェックします。

再検査となればさらに余計な時間を費やしてしまうので、一発クリアが望ましいはもちろんのこと。そのためには、申請内容に則った店舗づくりのみならず、風営法のポイントをおさえた設計が重要です。

物件選びや賃貸契約の内容、内装業者への的確な指示など、行政書士へ依頼すれば申請の前段階での準備も確実・スピーディーに進められるでしょう。

 

 

8.まとめ

風俗営業の許可申請を自身で行う場合は、あらゆる困難が待ち受けている点についてお伝えしました。風営法に関わる営業内容は千差万別、店舗によって条件が大きく異なります。十分な知識を備えた行政書士でも、経験が浅い場合には案件達成にとても苦労するものです。

経営者は一日でも早く経営を軌道に乗せるべきで、煩雑な許可申請に時間をかけるべきではありません。

店舗オープンが早まれば、その分の売上も見込めます。行政書士への依頼は、そういった意味での必要経費ととらえられるでしょう。

当事務所は、風営法専門の行政書士事務所として首都圏を中心に年間300件以上の申請に携わっています。

風俗営業の許可申請をご検討の方は、行政書士法人ARUTOまでお気軽にご相談ください。

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